“適当に済まさない”責任を持つ大切さ|NPO短期インターン(ばや)

—それでは自己紹介をおねがいします

大学では環境社会学を専攻していて、自然と密接な環境での暮らしや学びについて研究しています。6月に2週間短期インターンに参加して、今回は2度目の参加になります。前回は自分の生き方を見つけるために参加し、はっきりとした答えは見つけられずとも“楽しい”と思える瞬間に出会うことができました。また自分を持つことが必要とされるここの環境で過ごしたことで、ここを帰ったあとも自分で考えて周りに意思を伝えることが段々とできるようになりました。今回は自分がどんな人間でどういう動機でどんな行動をとるのか、自分の解像度を高めるために参加しました。何も考えずになんとなく行動するのではなく、どうしてこれをやろうと思ったのか?疑問を常に持ちながら動くことを意識しました。

▶1度目の短期インターンシップの様子「飽きない楽しさに出会えた」

 

 

 

—2回目に来てみて印象派変わりましたか?

元気で積極的で遊びが大好きなこどもたちで、帰ってきたなあ、変わらないなあ、という感じです。自分という人間を存分に出せるここの良いところだと改めて感じました。変わったところもたくさんあります。話し合いで決まったのか、朝づくりのチェックシートなど新しい張り紙はたくさん見つけました。またこどもたちのコミュニケーションの面で、成長を感じる場面がありました。話し合いはいまだ賑やかになってしまうことも多いけれども中には「今〇〇が話しているよ!」と声をかけられるようになった子がいて…「前は一緒に話から脱線していたのに!」と成長に感動してしまいました。また遊びに参加する前に「遊びに入ってもいい?」と質問できるようになった子がいて、思いやりのある声かけが増えたなと感じ嬉しくなりました。

 

—今回学んだことはありますか?
“適当に済まさない”が大切だということです。こどもたちと接するとき、同時に複数人から話しかけられる場面があるのですが、遊びやお話の途中で他のところに意識が向いてしまうとどうしても「放置された」「横入りされた」と嫌な気持ちをさせてしまうなと思いました。ここのみんなはどうしているのか見てみると、順番に一つ一つ終わらせてから次の遊びにいく、「聞こえないから順番ね」「待っていて」と声をかけるなど工夫して丁寧に相手と向き合って話していました。

また、だいだらぼっちではだ祭りに向けた屋台や劇の練習に加え、日々の暮らしの仕事もしなくてはならないというやることが盛りだくさんな状況でした。話し合いが脱線してしまいイライラしたり、劇が思うように進まず大変なこともあったりする中で彼らは納得がいくまで目の前の課題に向き合い意見を交わしていました。「他にある人いますか?」話し合いの最後に司会が言う言葉ですが、ここでのこの言葉はものすごい重みを感じました。適当に受け流した結果は自分に帰ってくるし、後で後悔することになります。「“いいです”は責任をもって言って」と相談員のみけも言っていましたが、自分事としてどんなに忙しくなってしまっても丁寧な対応は大切にしていこうと思います。

あとは、大変と楽しいは表裏一体だと知ることができました。学童のこどもたちと山でキャンプしたんですが、道具を持って行くのも大変だし、山頂は寒いし野生動物の対策もしなきゃいけない。そんなところでキャンプしたいというこどもたちの発想がすごい。けどやってみて、疲れたけどものすごく楽しい経験ができました。

 

—スタッフとの関わりで感じたことはありますか?

ここの暮らしは通常の生活世界とは異なるからなのか、今の社会に対して何か思うことがある人たちばかりだなと感じました。お昼のミーティングでは新聞やニュースに対して自身の意見を述べる、3分スピーチが行われています。そこでは福祉のあり方や宿題のあり方など、今では当たり前のことになっているものに対しただ受け入れるのではなく、懐疑的に考えさせてくれます。個人単位ではなく社会も丸ごと自分ごととして捉えることで、自分の周りで何が起きていて自分がどの立場に立つのか明確にすることができるのではないかと思いました。

 

—自分のことを知ることができましたか?

あるものでやりくりすることが自分にとって楽しいなと感じました。ここでは“もったいない“の精神があって、食べ物は腐る前に使う、使い終わった後も再利用を試みるというような考えで動きます。食事当番では賞味期限の近い野菜や大量にあるナスをどう調理しようか、相談員の方々の工夫を聞くのがとても楽しかったです。畑に生えている野草を採ってきてサラダに入れるなど、私には見分けがまだつかないけれど、もし食べられる草が見つけられるようになったら野外で生活する時の自信にもなるし、創作の幅も広がるのかなと思います。香水を作るためにみかんの皮を集めていたり、野草でお茶を作ったり、こども達からも自然が近くにある生活の面白さを体験させてもらいました。あんじゃねの森の作業では解体された木材をバズの家に運びました。木材に刺さっている釘は集めて売るとお金にできるそうです。使い終わったものを「ゴミ」と見るか、それとも「使える何か」と見るか。あれがないこれが欲しいという前に、周りの利用可能性に気づける人になりたいなと思いました。

 

—最後にインターンに来る人へ一言!

2度目の参加でしたが、前回とは違った学びがありました。おそらくここの環境は奥が深過ぎて何年いても全ては学びきれないのかなとも感じます。自然に囲まれた場所での共同生活、ほとんどの人は経験がないと思います。一緒に生活する人たちも大人からこもまで多種多様で、刺激もたくさん受けました。ぜひ面白いところなので楽しみにして参加してみてください!