森の中で、時間を忘れて遊ぶ一日|あんじゃね学校

3月の「あんじゃね学校」は、旧学有林である“あんじゃねの森”を舞台に、一日たっぷり森あそびを行いました。
参加したのは、小学生や保育園児、そしてその保護者のみなさん。春の気配を少しずつ感じ始めた森の中で、それぞれが思い思いに時間を過ごしました。

3月のあんじゃね学校では、「これをやりましょう」と大人が細かく決めることはあまりありません。
森の中で、自分でやりたいことを見つけ、自分のペースで遊び込むことを大切にしています。

今回も、こどもたちは森に入るなり、それぞれの“やりたい”へ向かって走り出していきました。

ツリーハウスから大きな声が森中に響きます。

室内ではおままごとが始まります。
「これ、スープね!」落ち葉や枝、木の実を使いながら、森のレストランが開店。小学生の真似をしながら、少しずつ遊びの輪に入っていきます。

別の場所では、「秘密基地をつくろう!」と、木を運び、枝を集め、仲間と相談しながら基地づくり。
「ここ入口にする?」
「屋根つけたい!」
遊びの中では自然と役割が生まれ、年上の子が年下の子を気にかける姿もありました。

斜面ではそり滑り。
最初は怖がっていた子も、何度も滑るうちにどんどん大胆に。転んでも笑い合いながら、何回も坂を登っては滑っていきます。

そして、お昼ごはんは焚火でつくるカレー。
薪を拾い、火を起こし、鍋を囲みながらみんなで準備をしました。火を見つめながら待つ時間も、森の中ではどこか特別です。

また、この日は村内で読み聞かせ活動を行っているボランティアグループ「カンガルークラブ」のみなさんが、森の中で絵本の読み聞かせをしてくださいました。

焚火の近くで耳を傾ける子、少し離れた場所から遊びながら聞いている子、保護者と一緒に静かに絵本を見つめる子。森の空気の中で聞く物語は、いつもの部屋の中とはまた違った温かさがありました。

自然の中で過ごす時間には、走り回ることや体を動かすことだけではなく、立ち止まって想像を広げたり、誰かの声に耳を澄ませたりする豊かさもあります。地域の大人たちが関わってくれることで、こどもたちにとっての森の時間はさらに奥行きのあるものになっていきます。

 

便利なものが揃った日常の中では、時間は“効率”で進んでいきます。
でも森の中では、火がつくまで待つ時間や、道なき道を歩く時間、何をして遊ぶかを自分たちで考える時間があります。

「あれやらなきゃ」「次はこれ」という感覚から少し離れて、こどもたちは夢中になって遊び続けていました。

気づけば、「もう帰る時間!?」という声。
森の中では、時計よりも“楽しい”が時間を進めていくようです。

今回の活動には、4月から小学校へ入学する年長さんも参加していました。
年長さんにとって、小学校へ上がることは大きな環境の変化です。新しい場所、新しい人間関係、新しい生活リズム。不安や緊張を感じる子も少なくありません。

だからこそ、3月のあんじゃね学校では、小学生と一緒に遊ぶ時間を大切にしています。

森の中では、「小学生」「年長さん」という枠組みが少しやわらぎます。
一緒にそりを滑り、一緒に火を囲み、一緒に秘密基地をつくる中で、「小学校ってちょっと楽しそう」「お兄ちゃんお姉ちゃんって優しいな」という感覚が自然と育っていきます。

また、放課後児童クラブ「いってきました」へつながるこどもたちにとっても、遊び慣れた森や顔見知りの仲間がいることは、大きな安心感につながります。

自然の中には、“正解”がありません。
だからこそ、自分で考え、自分で動き、人と関わりながら過ごしていく力が育っていきます。

木に登ってみる。
火を起こしてみる。
転んでみる。
友だちとぶつかる。
また笑い合う。

そんな一つひとつの経験を重ねながら、こどもたちは少しずつ世界を広げていきます。

これからも地域のこどもたちが自然の中で思いきり遊び、安心して育ち合える場をつくっていきたいと思います。
森の中で過ごす時間が、こどもたちにとって「帰ってこられる場所」の一つになっていけたら嬉しいです。