
今年度は、新たに2名が職員として、そして2名がインターンとしてグリーンウッドに加わりました。人手不足が続くこの時代に、数ある選択肢の中からグリーンウッドを選んでくれたことを、心からうれしく思っています。
グリーンウッドのスタッフは、20代の新卒から創設者である70代まで、年齢も、個性も、背景も、抱えてきた事情も本当にさまざまです。共通しているのは、「教育を通して社会をよりよくしたい」という思い。この思いに「この指とまれ」で集まった人たち。ですから組織が求めているスキルを持っている人を集めてきたわけではありません。
極端な言い方をすれば、私たちは「寄せ集め」です。
40年の歩みの中で、数多くのトラブルや困難、課題に直面してきました。しかし、それを誰か特別な人の突出した力で乗り越えてきたわけではありません。いつも、その場にいたスタッフ全員で知恵を出し合い、力を合わせ、なんとか乗り越えてきました。寄せ集めであっても、力を合わせれば前に進める。そのことを、私たちは実践を通して証明してきたのだと思います。
このあり方は、グリーンウッドのビジョンである「みんなが“できる”を持ち寄る社会」とも深くつながっています。特別なカリスマが社会を動かすのではなく、足りないところがあっても、それぞれが持っている「できる」を少しずつ持ち寄り、目の前の社会に関わり、共につくっていく。その行動と過程そのものにこそ、豊かさがあるというメッセージです。
私たちがここまでやってこられた背景には、だいだらぼっちでの子どもたちとの暮らしを通して育まれてきた、「違いは豊かさ」という考え方があります。考え方の違いは衝突ではなく、新しい答えを生み出すきっかけ。得意なことの違いは、支え合いを生み、それぞれの出番をつくります。時にぶつかる価値観も、自分の思い込みに気づき、考えを見直すチャンスになります。
社会は分断がますます進んでいます。意見や価値観が合わない相手と交わろうとせず、理解の外にある人を切り分けてしまう。多様な考えがあってこそ社会は成り立つはずなのに、ひとつの正義が世界全体の正義であるかのように振る舞うことは、ときに暴力にもなり得ます。
多様であいまいさを許容できた時代は、遠い過去のものになりつつあります。白か黒かをはっきりさせなければ前に進めない――そんな窮屈さを感じながらも、そこから抜け出すことは簡単ではありません。それでも私たちは、この小さな山村で、「違う」人たちが混ざり合いながら成り立つ暮らしを、これからも体現し続けていきたいと思います。
「寄せ集め」が「最強の寄せ集め」になれるように。ぶつかり合いながらも、試行錯誤を重ねていく。その先にこそ、私たちのビジョンである「みんなが“できる”を持ち寄る社会」があると信じています。
※今年度から代表コラムはこちらのブログに引っ越しました。
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グリーンウッドの代表理事。2004年よりグリーンウッドスタッフとなり泰阜村に移住。一男二女の父。2024年より代表理事となる。
