飽きない楽しさに出会えた|NPO短期インターン(ばや)

今回は中京方面からインターンシップに参加した、ばやさんをご紹介します。

 

ーそれでは自己紹介をお願いします。

大学では環境社会学を専攻していて、自然に対する社会の関わり方について学んでいます。ここへは自分の理想の生き方を見つけるため、それが見つかった時実現できるような力を身につけるために参加しようと思いました。これまで今の技術で便利になった世の中で楽して生きてきたし、将来お金持ちになって楽に生きるためにお金の勉強もしてきました。その目標に向かって就活に取り組んでいたところで、大学の先生から「お金持ちになった後はどう生きたいの?」と聞かれ、頭をガンッと殴られたような衝撃を受けました。いい大学にいっていい就職することが最優先だったし、そうしたレールを引かれて生きてきたので、その夢をかなえた後、何がしたいのかはわからなかったんです。そこで初めて、自分自身がどう生きたいかについて、考え始めました。そんな時に先生にグリーンウッドを紹介してもらいました。ここは今まで身の回りにあった当たり前のものがない環境です。今まであったものを取り除いた状態でこそ初めて“本当にやりたいこと“が見えると思ったので、参加しました。

人生のほとんどを都会で過ごした山村初心者、教育や子どもとの関わりも経験が無いため今までの生活とは全く異なる世界で不安もありました。でも、最後は「食わず嫌いはいけない!」と思い決意して飛び込みました!笑

 

ー来てみての第一印象は?

とにかく元気で人懐っこい子が多くてびっくりしました!知らない大人だし怖がられるかと思いきや「誰〜?」って みんな興味津々で近づいてくれて安心しました。またみんな優しくて桑の実の場所に行った時には採った実を分けてくれたり、どんな実が美味しいのか教えてくれたりしました。こどもたちの中ではチャンバラも流行っていてどんな木が丈夫なのか、この木は〇〇だよと当てられるなど植物博士がたくさんいたことも印象的でした。自然に囲まれた環境で遊ぶからこそ身に付く知恵なのかなと思ったりもしました。

 

 

ー今回学んだことはありますか?

今回私は2つのことを学びました。1つは本音を伝えることの大切さです。私は人を喜ばせることや楽しませることが好きな反面、怒られてしまうことや悲しませてしまうことを恐れて本音を自分の中へ閉じ込めてしまうことがよくあります。同様の理由で人を注意する勇気がなく今までそれから逃げてきました。しかしここの子どもたちは自分と相手の両者のために思ったことを伝える努力をしていて、ここへ来た初日、だいだらの子どもたちは人を傷つける言葉を言わないという一時間越えの話し合いをしていたのが衝撃的でした。それもただ言いたいことを伝えるのではなく相手を説得させるために必ず理由をつけて説明します。

自分達で声を掛け合うことで過ごしやすい環境を作り出す。ここには価値観も性格も全然違う個性溢れる子が多いですが、それでも共同生活をしていけるのはこの意見の交換があってこそだと思います。ここにきて自分の心を発信する勇気をもらいましたし、互いに生きやすくするために、思ったことを伝え合うのは大切だなと改めて感じました。

2つ目は無から有を作ることの大切さです。経済技術発展の進む現代、大抵の場合望んだものは簡単に手に入ります。そんな世の中の便利さを享受してきた私はここへきて自身が無力であることに気づきました。それを痛感したのが食事作りでした。元々自炊をしていた私は食事づくりぐらい簡単にできるだろうと思っていました。しかしいざ作るとなった時、火をつけることができませんでした。またレシピもスマホで調べていたのでいざ道具と材料だけ渡された時、手も足も出ず困ってしまいました。もしガスや電気が止まった、携帯が無いなど自然から日常を作らなければいけない状況が生まれた時のために、元からあるものを使う力って今の私に足りないものかなと感じました。

 

 

 

ースタッフとの関わりで感じたことはありますか?

主体性を大切にしているなと感じました。「こどもを導くのではなく、よき相談相手としてサポートする」とスタッフの方は言っていました。あくまでこどもが主役でこどもに任せる、静かにこどもの様子を見守る皆さんからはそんな意志を感じました。ただ、日常の中でスタッフは静観しているイメージだったけど、いざという時には背中を押してあげる一面もありました。例えば、田んぼから帰りたくない男子二人がいた時の話です。自分はどう関わればいいのか分かりませんでしたが、長期インターンののいびーがお互いの気持ちを聞いた上で、説得して帰らせることができたことがありました。静観するだけじゃなくで、良き相談相手として寄り添うとはこういうことなのかと改めて考えさせられました。

 

ー「自分の生き方探し」のためにここにきたと思いますが、生き方は見つけられましたか?

明確なものは見つかりませんでした。けどここの雰囲気は、何もなくてもみんな楽しそうなんです。暮らしてて心地いい時間でした。その根源がどこから来ているのかわからないけど、その根源探ることが自分にとっての豊かさの核心につながると思います。ヒントはどの楽しさを選ぶかなんじゃないかと思います。おいしいもの食べることやユーチューブ、遊園地、漫画などの娯楽がこれまでは楽しさでした。大学に入って娯楽たくさんやって満たされた時期もあ離ましたが、結局これらの娯楽には「飽き」てしまいました。でも、世界にはこれらとは違う飽くなき楽しさがあってそれを楽しみながら生きている人がいるんです。そんな人たちが羨ましくて、飽くなき楽しさを経験してみたかったのですが、今回こどもたちと遊んだり暮らしの労働をしていく中で今までとは違う楽しさを感じることができました。この感覚をもてるものこそ私にとっての“やりたいこと”だと思います。これまではレールにのってきたけど、20歳になって自分でレール引いていかなきゃいけなくなりました。これからは自分にとっての飽きない楽しいこと(=やりたいこと)を見つけたいと思ってます!

 

ー最後にインターンに来る人へ一言!

山村の暮らし初心者で何のスキルも持ってない、こどもとの接し方がわからない状態で飛び込みましたが、グリーンウッドの皆さんのおかげでたのしく過ごすことができました。こどもたちとの関わりの中で、暮らしの作業の中で日常の様々な場面で人として学ぶことが多いところです。視野がさらに広がったし自分の気持ちも大きく変化した2週間でした。一歩勇気を持って踏み出した先に楽しさが詰まっていました。是非飛び込んでみてください!

 

 

今回薪作業、田んぼの草取り、学童スタッフといったお仕事に関わっていただきました!ばや、ありがとうございました!

▶ばや短期インターンシップ2回目の様子