6/25-26にNPO法人サンカクシャの方が若者を連れてキャンプにいらっしゃいました。
昨年度、NPO法人フローレンスが実施している政策起業道場に私(しん)とサンカクシャ代表の荒井さんが参加していて、その縁で今回の受け入れにつながりました。
サンカクシャは「親や身近な大人を頼れない15〜25歳くらいまでの若者が孤立せず、自立にむかえるよう、若者の社会サンカクを応援する」団体です。若者たちに様々な経験をさせたいと代表の荒井さんはいろいろなところに連れ出しているそうです。
滞在期間は1泊2日。限られた時間ではありますが暮らしに関わることはできるだけ参加者にやってもらい、何をするかも決めてもらう大人版山賊キャンプを行いました。
少し到着が遅れたので、着いた方から早速薪割からスタート。
その後、夕飯で食べるアマゴ(川魚)を囲炉裏で焼くために竹を切り、さらにその竹を割って、それぞれ小刀で削って串にして、アマゴをさばいて、囲炉裏で焼きます。
面倒くさがるかなと思いましたが、思いのほか楽しそうな様子です。
夜は蛍を見たいということでナイトハイク。泰阜村に蛍はいますが、いつでもどこでも気軽に見られるものでもないので期待せず散歩がてら歩いていると、街灯の上に点滅するものが!
終わりかけのところでナイスタイミングでした。
その後焚火を囲んでマシュマロを焼いたり、鹿肉を焼いて食べたりと無為な時間をただ楽しみます。
食事は役割分担を決めてもらい若者たちが作ります。料理上手がいたおかげで3食おいしいご飯が食べられました。
到着したときから「いつ川遊びできるのか?」と聞かれ続けていたので2日目はキャンプ場に移動して川遊びをすることに。
スタッフの方との事前打ち合わせで「川に入りますか?」と伺ったところ、「いや~どうかな。入らないんじゃないかな」という回答だったので、川遊びはそこまで考えていませんでした。
予想に反して高いモチベーションです。
水温も冷たかったのですが、みんなずぶぬれになって遊んでいました。いい笑顔です。
様々な課題を抱えている若者となると、これまでグリーンウッドが受け入れていた学生たちとも様子が違うのだろうと身構えていなかったと言えばウソになります。スタート当初は表情も固く、会話によそよそしさと距離を感じました。けれど一緒に活動し、ご飯を作って食べ、同じ時を過ごす中で私も若者たちひとりひとりの様子がわかってきて、少しずつ関係性も変わっていきました。
短い時間でしたが、代表の荒井さんから「若者たちはいろんなアクティビティめんどくさがるかなぁと思ったのですが、みんな意外とアクティブで、普段とは全く違った一面が垣間見れてよかったです。自然に囲まれ、体を動かし、たくさん食べて、身も心も元気になったのではないかなと思います!」とのこと。
若者たちは「小学生以来のキャンプでした」「はじめての体験ばかりで面倒に感じたけど意外と楽しかった」「(サンカクシャの青年同士でも)はじめて会う人が多かったけど、打ち解けられて良かった」と最後の感想で語っていました。
今の時代は、自分の手足を動かさなくても暮らせます。お金を払えば成り立ち、人と関わらなくても暮らせます。
一方、このキャンプは暮らすためには身体を動かさなければなりません。ひとりでできない(わからない)ことは周りの人に相談したり、協力する必要もあります。その分自分も役割があるということでもあります。
時代がスポイルしていった「煩わしさ」や「面倒くさい」ことの中に、本来自分が持っている力に気づいたり、他者との関わりの豊かさを感じられるものがあるはずです。短い時間とはいえこのキャンプを終えて、心の中にほんのちょっとの沸き立つものを生み出されたのであればうれしいです。
またぜひ泰阜村に来てください。待ってます!

グリーンウッドの代表理事。2004年よりグリーンウッドスタッフとなり泰阜村に移住。一男二女の父。2024年より代表理事となる。