11月9日(土)・10日(日)にだいだらぼっち祭りを開催しました。だいだらぼっち祭りとは、日頃からお世話になっている方々を招待して、こどもたちから感謝を伝えるイベントです。ありがとうの気持ちだけでなく、「来てくれた人に楽しんでもらいたい!」「いろんな人が来るから人と人がつながる場にしたい」という想いのもと、2学期から準備を重ねてきました。
限られた練習時間をみんなで乗りきる!「だいだらぼっち劇場」
1日目のメインは毎年恒例のだいだらぼっち劇場。台本作成・配役オーディション・劇練習など一からこどもたちが作り上げるオリジナル劇なので、準備にはおよそ1〜2ヶ月ほどかかります。
時間がないなかで準備をしているのは毎年のことながら、今年は特に時間がなかったのです・・・!なぜなら今回の劇の台本が仕上がったのは、祭り1週間前。過去最短(?!)の練習時間で本番に挑みました。
10月には仮台本が完成しオーディションや練習も始めていましたが、「やっぱりもっとわかりやすいストーリーにしたほうがいいな・・・」と台本を修正。そして最終版の台本が完成するころには、祭りが1週間前まで迫っていました。
「もう時間ないよ!」「今から新しいセリフ覚えるの?!」と焦るこどもたちでしたが、いざ劇の練習が始まるとなると、集中力が切れて遊び始めてしまったりだらけたりと思うように進まないこともありました。
そんなときには、劇の目的を思い出し、気持ちを切り替えてなんとか一歩ずつ前に進みます。きてくれた人たちに楽しんでもらうこと。楽しんでもらうことで感謝の想いを表現すること。
良いものを作り上げよう!と気を引き締めてラスト1週間追い込みました。

劇に使用する大道具・小道具も手作り。放課後の時間を使って大急ぎで仕上げます。
当日は学校の先生や友達なども招待し、約150名の観客が集まりました。舞台裏はドキドキ・ワクワク。

今回の劇のテーマは「宇宙」。個性的な宇宙人メイク!
そして迎えた本番は・・・
今までで一番良い演技を披露し、無事に最後までやり遂げました。「とにかく楽しかった!」「セリフをちゃんと言えてよかった~」「セリフが止まりそうになったときにアドリブで助け合いながらできた」と無事に終えてほっと一安心のこどもたちでした。
『ここだからできること』にこだわりぬいた!屋台
祭りといえば屋台!来てくれた人たちに楽しんでもらいたい!いろんな人が交流できる場をつくりたい!ということで、2日目は屋台を行いました。屋台といえばたこ焼きやお好み焼きを想像しますが。「せっかくなら泰阜だから・自分たちだからできることがしたい」と一味違うオリジナルの屋台を企画しました。
今回出したのは、『お茶』・『焼き芋&五平餅』・『射的』・『輪投げ』・『ものづくりワークショップ』の5つです。
お茶コーナーでは、あたたかいお茶と手作りクッキーを出しました。実はこのお茶、こどもたちがこれまでに敷地内で集めた葉を乾燥させて作ったものなのです。いろんな茶葉を混ぜた完全オリジナルブレンド茶!楽しく味わってもらうために、お茶の効能などを書いて貼りだす工夫もしました。
焼き芋&五平餅コーナーでは、できたての焼き芋と五平餅を味わいました。焼き芋のさつまいもはこどもたちがだいだらぼっちの畑で育てたもの。そして石焼き芋の石は左京川(泰阜にある川)から拾ってきたもの。五平餅で使うくるみ味噌のくるみも、だいだらぼっちの敷地内で拾い集めたものです。とにかく泰阜産、だいだら産にこだわりました。

試行錯誤を重ねて編み出した石焼き芋の窯です。

ほくほくの焼き芋ができあがりました!

五平餅も大人気。おいしく焼けるまでじっと待ちます。
射的コーナーではこどもたち手作りの竹の弓矢で遊び、輪投げコーナーではだいだらの藁を編んで作った輪で楽しみました。
ものづくりワークショップコーナーでは、泰阜で集めたツルを使い簡単なブローチを作ります。「これどうやってつくるの~?」「それめっちゃいいね!」と自然と会話が生まれ、ゆるやかな交流の場にもなりました。
泰阜の自然やこどもたちそれぞれの好き・得意を活かし、『泰阜ならでは』『今年のだいだらっ子ならでは』にこだわった今回の屋台。「焼き芋おいしい!」「このブレンド茶ぜひ販売してほしい!」「すてきなツルのブローチができてうれしい」との声に、こどもたちも大喜びでした。それぞれの屋台をきっかけに人との会話や交流も生まれ、「来てくれたちに楽しんでもらいたい」「人と人をつなぐ」というこどもたちの想いを体現した時間になりました。
『伝わる』想い
だいだらぼっち祭りを終えて、最後にこどもたちと振り返りをしました。
「劇を見てみんなが笑ってくれた!自分も楽しかった」
「屋台でいろんな人が楽しんでくれてよかった」
「自分たちが頑張って作ったご飯を「おいしい」と言って食べてもらえたのがうれしかった」
参加した方々のいろんな反応が、こどもたちの喜びや達成感につながっていました。
そこから、「自分たちが伝えたいことを一工夫すると、想いはちゃんと伝わるんだ」という実感を得ていました。
たくさんの参加者に楽しんでもらうための工夫やアイデアをつめこみ、どうやったら感謝を伝えられるだろう?楽しんでもらえるのだろう?と相手の目線に立ち、考え続けたこどもたち。だからこそ、当日には実際に楽しんでいる参加者たちの様子を見て、想いが「ちゃんと伝わった」という実感を得ることができたのだと思います。
そして、こどもたちの力だけでなく、たくさんの方々からの協力と支えのおかげで今年も無事に祭りを終えることができました。
ありがとうございました!

大学卒業後、自分自身の視野や価値観を広げるためにデンマークとネパールに留学。海外で共同生活やホームステイを経験するなかで、”暮らし”から得られる学びや、実際に”体験する”ことの価値に気づく。「暮らしから学ぶねっこ教育」を実践するグリーンウッドの事業と考え方に共感し、参画。