全国のこどもたちよ、山賊キャンプ再開だ ~信州泰阜村で、俺は待ってるぞ~

昨年度、コロナ禍で山賊キャンプは全面中止だった。
「今年こそは」と胸に秘める想いは、スタッフよりもきっと全国のこどもたちの方が強いだろう。
今年の夏は、小規模ながら開催の予定だ。
必ず開催されることを信じて、昨年度途中で連載を打ち切った「オキテ」紹介を、再開する。
改めて初回「オキテその1」から記したい。

山賊キャンプは35年続く大人気のキャンプだ。

「なぜこんな山奥にこんなにも多くのこどもが参加するのか」
このような疑問は毎年、多方面から寄せられる。
そのヒミツはいたってシンプルだ。

この山賊キャンプには、8つの「おきて」が存在する。

呼んで字の如し、参加する子どもが守るルールのようなものだ。
このおきてにこそ、山賊キャンプの大人気のヒミツが凝縮されている(と、私は勝手に想っている)。

その8つのヒミツをひとつずつ紹介していこうと想う。

その1 君たちこどもが主役だ

山賊は仲間たちと話し合って暮らす。
知恵を絞って力を合わせた分だけ楽しくなる。

「ここは自分でできるからいい」
毎年参加する子どもが言う。
“自分でできる”とは、「自分たちでプログラムを作れる」ということを意味するらしい。
人気のヒミツは至ってシンプルだ。

山賊キャンプではキャンプ場に着いてすぐにプログラムを決める話し合いがもたれる。
これを「山賊会議」という。
コース責任者である長老(ディレクター)が子どもたちに問う。
「3泊4日のキャンプで何がしたい?」
すると…
「川遊び!」「工作!」「キャンプファイヤー!」「肝試し!」「虫とり!」
出るわ出るわ、とにかくやりたいことを絶叫する。
他人の意見などおかまいなしだ。
しかし、絶叫しているだけではこの場が進まないことにやがて気づいていく。

「やりたいことはわかったけど、じゃあどうする?」
長老は子どもたちに投げかける。
例えば、夜は3回しかないのに、夜にやりたいことはキャンプファイヤーに肝試し、ナイトハイクに、星を見る、蛍を見たいとたくさんだ。
「キャンプファイヤーは最後の夜がいいんじゃないか」
「蛍を見るのとナイトハイクは一緒にしたらどうか? 星を見るのも一緒にできるかも」
まとまりの兆しがみえる意見も出始める。
主張するだけでは進まないことに気づいた子どもたちは、みんなが主張することが実現するギリギリの着地点を探り、まとめようとするものだ。
1回の会議で全て決まるときもあれば、決まらないときもある。
翌日に持ち越しの場合もあれば、数人の「おかしら」(子どもリーダー)に一任して決めるときもある。
決め方は様々だが、子どもたちが自分たちでまとめようとしなければ進まないことは共通だ。

さんざん悩んで、ようやく決まった3泊4日のプログラム。
それは紛れもなくここに集まった子どもたちとスタッフ、青年ボランティアたちで創ったオリジナルのプログラムだ。
だから、同じ名前のコース(例えばベーシックコース)でも、参加する日程が違うと全くプログラムの違うキャンプになる。
大人が決めたことは守らない子どもも、自分たちで決めたことは守るものだ。
自分たちでまとめることに戸惑い気味だった子どもたちは、キャンプの時間やスケジュールが自分たちの手にあるという確かな実感を抱くことになる。
それが大事なのだ。

子どもたちが「ここは自分でできるからいい」と確かに実感できるキャンプ。
それが山賊キャンプだ。

次回は、オキテその2「思いやりの心を持て」。
お楽しみに。

そして、全国のこどもたち、山賊たちよ。
今年はやるぞ、再開だ。
信州泰阜村で、俺は待ってるぞ。

代表 辻だいち