仲間との暮らしと作業の先に|岐阜聖徳学園大学合宿受け入れ

こんにちは!スタッフのくるです。今回は昨年度3月3日から5日に行った岐阜聖徳学園大学の合宿の様子をお届けします!

この合宿のタイトルは「先生を志す人のための学ぶとは何かを考える合宿」です。グリーンウッドで大切にしている、参加者が主体となり一人ひとりが考えを持ち寄り話し合いながら進めること、ごはん作りや風呂焚きなど暮らしに関わる部分を参加者の手でつくることを行います。さらにこの合宿では、自然の中のこどもたちの遊び場作りとそれらの経験を通して「学ぶとはなにか」を考えるワークショップを行います。

1日目、到着した学生さんたちに、グラウンドルールを伝えます。ルールと言っても行動を制限するものではなく、知っていることでより安心してその場にいられたり、より学びを深められたりする土台のようなものです。

グラウンドルールの共通認識をとったあとは、早速今回の作業フィールドの「あんじゃねの森」へ出かけました。森の中での活動をはじめ、道具を持って作業をするのが初めての学生さんも多く、最初は不安げな様子もありました。しかし、実際に森に入り歩いてみると、新しい発見がたくさんあります。香り、生えている植物、清々しい空気、、、森を自分の体で感じる時間になりました。さらに、過去に岐阜聖徳の学生さんが手を入れてくれた部分を紹介したり、その森で実際にこどもたちがどのように遊んでいるのかをお伝えしたりしました。明日からいよいよ本格的にこどもたちの遊び場作りが始まります。実際に道具を使うこともしてみました。

最初の森での時間はあっという間に終わり、施設に戻った後は、暮らしの仕事が待っています。みんなで輪になって段取りをとって、ご飯作りと風呂焚きをしました。ご飯作りは食材を決めてメニューを考える所から始まります。また、グリーンウッドにあるお風呂は五右衛門風呂なので、薪を使って火をおこしてお風呂を焚きます。初めての経験に新鮮さを覚えながらも、あーでもないこーでもないと試行錯誤したり、みんなでおしゃべりしたりしながら手を動かしている様子が印象的でした。

夜の時間は話し合いです。暮らしをどうやって回していくのか、作業をどうやって進めていくのか決めました。各食事の時の食材を決めたり、ごはん作り担当や風呂焚き担当を決めたりしました。作業の話し合いでは、「こどもたちの遊びが広がる場」をテーマに自分たちが今日行ったあんじゃねの森のフィールドの一部をどのように遊び場にしていくかを考えました。「こどもたちの目線になって考えると、枝葉がもしゃもしゃしている道にはなかなか入りにくいよね」「急な坂が続くから、途中で休憩できるスペースがあったら良いんじゃない?」「平らなところは草を刈って走り回れるようにしよう」「こどもたちがこれから手を入れられるようにちょっと作業しない所も残しておこう」色々なアイデアが出ました。一方で、発言が生まれない沈黙の時間もありました。自分たちがどこまで作業できるのか現実のところが読めなかったり、実際こどもたちは森でどのように遊ぶのかが見えてこなかったり、もしかしたらそれぞれの中で考えていたことがあったのかもしれません。それでも、次の日の作業目的と作業内容を決めて、作業の話し合いを終えました。

2日目はいよいよ作業です。朝からあんじゃねの森に出かけました。まずは「下草刈り」。地面を覆っている草を二手に分かれてノコギリで切っていきます。最初は慣れなかった作業にも、気づくと夢中になって向き合っている姿がありました。木を伐る感覚や作業してきたところを振り返ってすっきりした状態を見ると、手が止まらなくなってきます。思ったより早い段階で「下草刈り」が終わりました。

次に考えていた「休憩スペースの開拓」です。斜面の途中に平らなスペースがあったので、そこを開拓してベンチを置こうという話になりました。「そうしたら坂が大変で途中で休憩したい子も休めるね」という考えです。まずはみんなで背の低い木を伐っていきます。大きな根っこが出ているところもありました。こどもたちが足を引っ掛けてしまうと転倒などにつながり危ないので、辛抱強く掘って大きな根っこを3つ程取り出しました。休憩スペースにはベンチを作ろうという話をしていましたが、その材を探しに行くと、なかなか良さそうな物がありませんでした。今回はベンチは作らず、土留め用の丸太(土が下に流れていかない作用をする丸太)をスペースの淵に置こうという決断をしました。

最後に斜面が急で登りにくい所もあったので、そこに「階段」を作りました。階段を作るためには段差となる木を止める杭が必要です。ナタを使って杭をつくる学生さんの姿は職人そのもの。出来上がった杭をみて嬉しそうな学生さん。その杭を打って階段を作りました。作り方を知らなかった階段も、すでにある階段を観察し、試行錯誤し、最後には大人が通っても崩れない頑丈な階段が出来上がりました!

計画していたことが全て出来たわけではありませんが、みんなで話し合って、手足を動かして作った遊び場を振り返ると、自分たちでここまでできるのだという驚きと自信と達成感が湧いてきたようでした。この場所がどんな風にこどもたちに使われるのか、ドキドキワクワクした気持ちを胸に作業を終え、森を後にしました。

3日目はいよいよ「学ぶとは何か」を考えるワークショップです。2日間で体験したことをもとに一人ひとりが考え、みんなで答えを出した時間でした。2グループに分かれて考えた中ででてきたものは以下です。

「多様な他者との関わり合いの中で、一人ひとりが居心地の良い空間にしていくために対話を通じて願いを聴き伝え合い、気づきを繰り返していくこと。」

「気づきに触れて、自分の今までもっていた考えを再構築する」

最後の振り返りでは

「異年齢の人との関りを通じて、その人の価値観や考え方に触れることができ、自分自身の考え方と照らし合わせる中で多様な考え方に気がつくことができた」

「マイナスな感情にこそ自分の成長やこり固まった思い込みから抜け出せるチャンスなのではないかと思えた。こうであるべきという理想を掲げるのではなくこうしたいと願望を望めるような人になりたい」

「元々自分の考えとか想いを伝えるのが怖いという考えがありました。しかし、グループや全体で話を共有していくうちに周りの人の意見を聞いて「こんな表現、話し方、伝え方があるんだ!」と知ることができて、そこにときめく新しい自分を見つけられました」

「「無理かもしれない」と考えずにまずやってみる!ということが少しだけできるようになりました。あと、「分からないことや出来ないことは人にきいてからやる」だったけど、とりあえず自分なりにやってみることが大切だと感じました。」

「一人ひとり思っていること感じていることが違うからこそ、対話を通して目標をはっきりさせる過程の難しさを感じた。」

「こんなに頭をフル回転させたのは初めてだなと思うほど、みんなの気持ちや考えを整理して発言するのに頭を使いました。」

一人ひとりが感じたことや考えた率直な言葉をシェアしてくれました。

学校の先生になりたい!という意志をそれぞれのきっかけや想いを基に前向きに語ってくれた学生さんたち。この3日間の中で気づいたことや得たことがこれからの学生さんたちの糧になったら嬉しいです。今回言葉に出来なくても、腑に落とせていなくても、これからの人生のなかで思い出し、納得していくことも多いのだと思います。自分自身で体験して実感して得たものは本物です。今回の学びを得た学生さんがどんな先生になるのか、人生を歩んでいくのかとても楽しみです。