皆さんこんにちは!スタッフのだいちゃんです。
先日、泰阜村の中学生2,3年生と村内の山からヒノキを引っ張り出しました。このヒノキは製材して、次年度の新一年生が使用する教育材となります。今回、伐倒・搬出作業をした生徒たちも1年生の時に村の材を使用して技術の時間に作品を作りました。
2020年度から泰阜中学校では故郷の森や里山について知るという目的と、直面している環境問題について関心を持つために泰阜の材が使用されていました。しかし、前年度まではグリーンウッドスタッフが木を伐倒・搬出をして、製材された材を中学校にお届けしていました。私たちとしては、木を倒し、引っ張って、実際に製材されるまでのストーリーにこそ、生徒たちに体感してほしいことが詰まっていると考えていました。そんな想いを先生に相談をして「里山で暮らしている村のこどもにこそ必要ですね。」とお言葉をいただいて、中学生と作業をさせていただくこととなりました。その時の様子をお伝えします。
事前に山での安全について講習を受けた生徒たち。実際に山に入って作業の段取りを取りました。本日倒すヒノキは1本、事前に倒したヒノキの搬出も行います。
伐倒するためにラダーという道具を使って木に登り、ワイヤーをかけます。生徒の中から代表して男の子がかけてくれました。「木登りみたいでたのしい」と言っていました。
スタッフのもーりぃが伐倒のする際のチェンソーの刃の入れ方や倒す方向について説明してくれました。村のこどもたちはお家で里山を持っている子も多く、小さいころからチェンソーが身近でお家にある子も多いと思います。実際にチェンソーで伐倒する姿をまじまじと見ていました。
私たちの仲間である林業士のギックが倒した木の年輪を一緒に見てくれました。「樹齢70年だね。年輪の幅が狭く、密度の高い質のいい木だね」と言ってくれました。また、「ここから見える大峰山も昔は丸剥げだったんだよ。なぜなら昔は年貢として木材を収めてたんだよ。だから植林したりと、木は村民にとって大切な財産なんだよ」と教えてくれました。
続いて搬出作業です。長さの7mのヒノキを引きずり下ろします。
斜面の上と下に分かれた生徒たちは念入りに安全確認を行って、「せーの」の大きな掛け声で一斉にロープを引きました。
とっても重い木ですが、みんなで引いたら動きました。
引っ張って降りてきたヒノキをトラックに転がして載せます。みんなで同時に進んでいかないとバランスよくうまく載せられないので、声を掛け合ってうまく載せていました。
無事に7本のヒノキを載せることができました。生徒たちは「作業が大変で安全にできるか不安だったけど、みんなで一致団結して運び出すことができて楽しかった」や、「泰阜全体が森だから、自分たちで木を出して授業で使えるのは良いことだね」と、それぞれの発見を話していました。今回の授業を経て、自分たちの材を自分たちで確保する自律の心と、里山について関心を持ってくれたら嬉しいです。泰阜だけではないですが、木を使っていかないと光が入らない暗い森になり、動物のすみかがなくなったり、土砂災害の増加にも繋がります。今後、村を背負っていく中学生たちが「自分たちには何ができるだろう」と、考えるきっかけになったら嬉しいです。
新聞社2社に取材していただきました↓