-最初に、自己紹介をお願いします!
2017年から2023年度まで、グリーンウッドのスタッフとして働いていました。 堀切大輔、キャンプネーム「だいちゃん」です。 学生時代から山賊キャンプのボランティアとしてグリーンウッドに関わり、 その後、職員になりました。 もともと自分自身が不登校を経験したことや、海外をバックパッカーとして旅した経験から、「体験すること」や「人と一緒に暮らすこと」の大切さを感じていました。 そんな思いから、グリーンウッドで働くことを決めました。
そして現在は、グリーンウッドで培ったものを、今度は別の地域で生かしたいと思い、 千葉県千葉市で活動しています。 農家の家を借りて、 「きみのままで主役になれる千葉の小さな大自然―まもり村―」 という、多世代の地域コミュニティをつくっています。 泰阜村だけではなく、グリーンウッドみたいな場所が色んな場所に広がってほしい。 そんな思いで、日々活動しています。
-グリーンウッドでどんな仕事をしていたか教えてください。
グリーンウッドでは、地域チーム、キャンプの現場チームの仕事をすることが多かったです。 山賊キャンプでは、現場責任者である「長老」を務めさせていただきました。 大人数のこどもたちや学生ボランティアをまとめながら、全体を見て安全を守ること。 そして、全体を見ながらも、一人ひとりのこどもの「やりたいこと」や「人と関わること」を大切にできるキャンプ運営を学びました。

あと印象に残っているのが、地域のこどもたちと、放課後児童クラブ「いってきました」のこどもたちと一緒にキャンプを企画したことです。 当時は、まだ「いってきました」のこどもたちにとって、キャンプがそれほど根付いてないときのこと。実際にこどもたちとキャンプをしてみたり、川で遊んだりしました。 そして、こどもから「やりたい」という声が生まれて、村の子が放課後に帰ってきたタイミングで「どんなことをしたい?」と話し合い、内容を一緒に考えました。 大人が用意したものにこどもたちが参加するのではなく、こどもたちと一緒につくっていく意味と意義を学びました。そんな経験が、今の自分の活動にもつながっています。

もう一つ、現在の活動に大きくつながっているのが、地域の方々と「あんじゃねの森」でツリーハウスをつくった経験です。 こどもたちと設計図から一緒に考え、村の大工さんとも相談しながら、何度も検討を重ねました。 そして、地域の方、保護者、学校の先生、村の方など、さまざまな人が集まり、一つの目的に向かって力を合わせてツリーハウスをつくりました。 こどもでも、若者でも、保護者でも、地域の人でも関係なく、一つのものを一緒につくっていく。その過程の面白さや、人と人がつながっていく感覚は、今、千葉で活動する上でも大切にしています。

-グリーンウッドで得られたものはありますか?
あの経験が、今の自分をつくっている グリーンウッドで培ったものは、本当にたくさんあります。 スキルの面で言えば、まず大きいのは安全管理です。 「危ないから禁止する」「気をつけよう」と言うだけではなく、 何が危険なのかを理解して、こどもたちも理解して 「どうすれば楽しく危険を回避できるのか」を話し合うこと。 たくさんの現場を経験する中で、そのための仕掛けや声かけ、 考え方、視点を身につけることができました。 専門的なスキルでは、こどもたちが安全に川で遊ぶための技術や、 自然と共生しながら山仕事をするための技術も身につきました。 チェーンソーを使ったり、薪を運んだりする山仕事など、グリーンウッドに来なければ経験しなかったこともたくさんあります。
そして、意外なところでは文章を書く力も培われたと思います。 もともと国語が苦手だったので(笑)。 自分が伝えたいことだけを書くのではなく、 「自分が大切にしている価値観」と「読む人の視点」の両方を考えながら、どうすれば伝わる言葉になるのか。 文章を書く機会をたくさんもらったことと、先輩たちからアドバイスを頂いて少しずつ身についたように思います。
そして、スキルと言っていいのかわかりませんが、もう一つ大きいのが、「やってみよう精神」です。 もともとの自分は、何かをするときに「どうなるか」を考えてから行動するタイプでした。 でも、グリーンウッドでは、やったことのないことに挑戦する日々。 「とりあえず、やってみるか」 そう思って動いてみると、やっている途中で面白いことが見つかったり、やる前には想像できなかったことが起きたり、自分自身について新しい発見があったりしました。 もちろん、見通しを立てることも大切です。 でも、すべてを予測してから動くのではなく、経験しながら考え、経験を積み重ねた上で算段をつけていくことの大切さを学びました。 これは今の自分の活動にも、大きく影響しています。
-新たなステージに進もうと思ったきっかけは?
本当に大切な場所で、ずっとここにいたいと思っていた時期もありました。 それでも、大切な場所であるからこそ、いろんな人に知ってほしい、体験してほしいという想いが強くなりました。 実際過去の自分のように、このような場所を必要としているこどもや若者は、 きっと色んな場所にいる。だから、自分がここを離れて、別の場所でグリーンウッドで学んだことや、この精神を広げていくことで、社会を少しでも明るくできるのではないか。 そんな思いから、離れることを決めました。 職場の仲間、だいだらのOB・OG、保護者、村の方々……。 大切な人たちとの別れには、離れがたい気持ちはもちろんありました。 それでも、「ここで学んだものを、別の場所へ持っていこう」と決めて、 新しい一歩を踏み出しました。
- 今の仕事・活動に活かされていることはありますか?
現在は、千葉市で「まもり村」という活動をしています。 地域の困りごとや、そこにある自然を題材に、集まったこどもたちや若者たちと、その日の暮らしを一緒につくっていく活動です。
農作業をしたり、田植えをしたり、川や海で遊んだり。 その地域にあるものを使いながら、こどもも若者も大人も、一緒になって地域をつくっていきます。 安全管理、田舎暮らしの仕方、地域とのお付き合いの仕方・・・ここでの活動に、グリーンウッドで培ったスキルやノウハウがたくさん活きています。
本当にありがたいことですが、退職した今でも、夏・冬の山賊キャンプにも関わらせてもらっています。こうして大切な場所に戻ってこられることを、とても嬉しく思っています。 最近では、自分が千葉で活動する中で関わったこどもたちや若者たちが、山賊キャンプに参加してくれることもあります。 自分がグリーンウッドで受け取ったものが、少しずつ別の場所で生き始めて、 自分の原点の山賊キャンプに繋がっていくようで、なんだか不思議で、そして豊かな気持ちになります。

-最後に一言お願いします!
自分にとってグリーンウッドは、 「人と暮らし、人と生きることの大切さを実感させてくれた場所」です。 ここで過ごした時間や、出会った人たちとの経験が、自分自身のココロザシになり、今の自分の人生の軸になっています。 そして、今の活動の根っこには、間違いなくグリーンウッドがあります。 退職して泰阜村を離れた今でも、変わらず暖かく接してくれる人たちがいる。 帰れば「おかえり」と言ってもらえる場所がある。 そんな場所に出会えたことは、自分にとって、実人生とっても、とても大きな財産です。 グリーンウッドは、仕事をした場所というだけではなく、 自分にとって、もう一つのふるさとになっています。
そして、そこで受け取ったものを、今度は自分が別の地域や人につないでいく。 それが、今の自分にできる恩返しなのかなと思っています。
もしグリーンウッドで働くことを考えている方がいたら、ぜひおすすめしたいです。グリーンウッドには、ここでしか学べないことがたくさんあります。 こどもたちと暮らし、遊び、地域の方々と関わりながら、実際の現場で 人との関わる大切さや地域を学ぶことができます。 僕自身、ここで培った経験が、今の「まもり村」での活動につながっています。 「こどもの居場所をつくりたい」 「地域コミュニティをつくりたい」 「自然の中でこどもたちと関わりたい」 そんな思いがある人には、ぜひグリーンウッドで働くことをおすすめします。 ここでの経験は、きっとこれからの自分をつくる財産になると思います。
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地域での子育てに関心を持ち、2014年に新卒でグリーンウッドに就職。大学時代、間伐ボランティアをやっていたことから、現在は泰阜村の森林を生かした活動に関心がある。また妊娠・出産を経て、子育てに奮闘中。2児の母。
