決めたことに責任を持つ覚悟、日々の積み重ねが心を育むと学んだ|NPO短期インターン(ずっきー)

今回は鹿児島から1週間インターンシップに参加した、ずっきーさんをご紹介します。

 

―それでは、自己紹介をお願いします。

今は鹿児島大学医学部の6年生で休学しています。去年一年間の病院実習を通して、医療現場の課題を山ほど自覚し、その世界に入っていくことへの大きな不安を感じました。その問題を自分なりにつき詰めてみると、現代社会の問題と共通していることに気づき、そして、問題の解決のためには人の心を育むことがなによりも大切なのではないか?という答えに行きつきました。また、それは今まで目をそらしてきた自分自身の課題にも通ずるとも考え始めたころ、山賊キャンプを参考に組み立てられた、大学が開催するキャンプ実習に参加し、山賊キャンプやグリーンウッドの存在を知りました。たまたまグリーンウッド職員のくみから、グリーンウッドの掲げる理念などについて話を聞く機会があり、その時に「ここに課題解決に繋がるヒントがたくさんあるはず!」という高揚感のようなものを感じ、ここに行って実際に経験してみたい!とグリーンウッドのインターンに参加することを決めました。山賊キャンプの長期ボランティアを一か月させてもらってから、短期インターンとして過ごし、合計2か月近く泰阜村に滞在させていただきました。

 

―今回学んだことはありますか?

学んだことは3つあります。

まず1つ目は、自分の選択に責任をもつということです。これは自分自身に一番足りていないし、そしてこのグリーンウッドのスタッフやだいだらぼっちのこどもたちが大切にしていることだからすごく強く感じたのかなと思います。

インターン中に、だいだらぼっちの子が「いまここにいることがしんどくて家に帰りたい」という想いを仲間の前で吐露したときがありました。そんなときに、「ここで一年間過ごすことを決めたのは自分の選択である」ということ、「家に帰ってもしんどさの原因となる問題は解決しないんだから、みんなで向き合うことが大切だ」ということが、悩みを聞いたこどもたちの口から出てきました。そしてその問題と向き合うべく、現状把握をしたり、解決策を決めるために数日間、夜に長い時間をかけて話し合いを重ねていました。そのようにして、だいだらで一年間過ごすという自分の選択に責任をもって向き合っているこどもたちの姿を見て、自分は「決めたことに責任を持つ」という覚悟がいかに足りなかったのかを実感してすごく悔しくなりました。気づいたその時から、変わろうとするかも自分次第。そこまで気づかせてもらえたからこそ、毎日逃げずに自分と向き合いながら最後まで過ごさせてもらうことが出来ました。この学びはこれからの自分にとって本当に大切だと感じています。

2つ目は、大きなこと成すためには小さなことの積み上げが大切だということです。

 グリーンウッドの職場がしっかりと回るために、だいだらぼっちの生活が毎日送れるようにするためには多くの仕事があるのですが、みんなが行動も心持も丁寧にやっているからこそ今があるんだということを実感しました。想いが毎日の行動となり、日々の丁寧な行動が強い心を育むことを学びました。こどもによっては出来ることや思いに、少なからず濃淡はあるけど、そのことを受け入れながら向き合おうとする姿をみれたことも、ここで生活して本当に良かったと思えることです。大きなことを成すためにも小さな一歩から。大きな心を育むのも日々の小さなことから。わかってはいたけど実感として理解できていなかったことが心にすとんと落ちてきた。そんな気がしています。

3つ目は、私も含め、人間一人ひとりみんなに、尊い時間の積み重ねがあるということです。

 ある日、山賊キャンプで使ったブルーシートの汚れを濡れ雑巾で拭いていた時、幼いころに、長い出張から久しぶりに家に帰ってくる父のために、母と私たち三姉妹で家中の床を拭いていたことを思い出しました。そんな幼いころの記憶を思い出すことができたことと、なにより毎日を全力で過ごすこどもたちと、毎日を丁寧に送るスタッフの方とたくさんの時間を過ごさせてもらえたことで、みんなに尊い時間の積み重ねがあって、今ここにいるんだなということを心の中でじんわりと感じることが出来ました。自分の今までを受け入れることがなかなかできなかった私にとってこのことを心から感じることが出来たことは本当にありがたいことでした。

 

―スタッフとの関わりで感じたことはありますか?

 本当にあったかい方たちです。そしてみんながいろんな方向に、とてもかっこいい人間で、全力で自分に正直に堂々と生きている人たちだなと感じました。日々の会話の中から、こどもたちに伝える言葉の中から、それぞれがもつ心の軸というか、信念のようなものがみえてきました。毎日の中で人と、自分と真剣に等身大で向き合ってきた人たちなんだということをすごく感じました。

自分自身、人とぶつかることが怖かったり、嫌われることが怖かったり、いろいろな怖さが先行してしまって言いづらいこと、いうべきことを言えずにやり過ごしてしまうことがあります。グリーンウッドのスタッフはそんな言いづらいことをスタッフ同士もこどもに対しても、しっかりと伝えます。相手のことを全力で深く考えているからなんだなと感じましたし、自分の抱く怖さは自分のことしか考えられてないからこそで、結局自分のためにも周りのためにもならないんだと感じたし、そんな自分にとってスタッフの伝え方はすごく勉強になりました。

 

―最後にこれからインターンに来ようか悩んでいる方へ、メッセージを!

 人間は人とのつながりの中にしか成り立たないということをグリーンウッドで過ごすと強く実感します。グリーンウッドの食事に使われるお野菜、毎日のお風呂焚きに使う薪…何をとっても、地域の方やこれまで関わってきた方との強い繋がりが必要不可欠で、長い時間をかけて丁寧にお付き合いしてきたのだと思います。

数日居ただけではその繋がりは見えなかったかもしれませんが、今回ここに2か月間滞在させてもらって、だいだらぼっち、山賊キャンプ、いってきましたなどグリーンウッドの色々なことに関わったからこそ心から実感することができました。この実感がこれからの私にとってとても大きな財産になると思います。

ここで過ごしたことで、自分自身にとって本当にかけがえのない学び、発見が山ほどあり、スタッフやこどもから大事な贈り物をいただいたなという気持ちです。

 本当に濃い時間を過ごせる場所です。インターンに来られることを心からお勧めしたいです!こんな風に過ごせる場所きっと他にはない!初めての環境に一人で来るには勇気がいると思いますが、ここは一人で来たという感覚を感じさせないでくれる温かいひとがたっくさんいます!!是非一歩を踏み出してみてください!