こどもの可能性を現場で体感!|モリウミアス研修受入

宮城県石巻市で今度の4月より漁村留学をスタートする「モリウミアス」のみなさんが研修にやって来られました。

もともと2年ほど前に視察に来る予定でしたが、コロナであえなく断念。昨年はオンラインで山村留学の運営について研修を提供しましたが、やはり「実際にこどもが暮らしている様子を見たい」と改めて訪問の依頼が来ました。

4月から漁村留学をスタートさせる前に、実際にこどもが1年間暮らしている現場の様子を見たいという気持ちは痛いほどよくわかる。また「だいだらぼっち」のこどもたちの姿を見れば、自ずと「こどもたちがここまでできる!」ということを体感できます。なんとか新しい活動を応援したいという気持ちから、全国的なコロナ感染が続いてる状況ですが受け入れることになりました。

その代わり、コロナ感染対策は厳しくしての受け入れであることを承知していただきました。来訪の際は石巻からどこにも寄らずに来ます!とのこと。ご理解とご協力いただきありがとうございます。

3泊4日の研修では、グリーンウッドのフィールド見学と共に、こどもの暮らしの様子を見ていただきました。
早速、初日の夜はだいだらぼっちの見学です。その日はこどもたちが企画したカラオケ大会!当然機械はないので、ラジカセでCDを流しながら歌っていました。異様なほどノリノリのこどもたちに若干引き気味?山村留学ってこんな様子なの?と出だしから誤解を与えそうな不安も。

 

翌日は朝5:30からはじまるごはんづくりの見学に、日中はフィールド見学や質疑応答、創設者のかにさんからの話などみっちり学びの時間をとり、夕方以降は夕飯づくりや連絡、話し合いの様子を見学です。カラオケ大会から打って変わったこどもたちの日常の様子に、「こどもたちが自分たちで暮らす」姿が見えてきます。驚くほど当たり前の暮らし、けれど全てこどもたちが自主的に行っている姿を見られるのは貴重です。

最終日はこどもたちの山作業に同行しました。風呂薪が足りないということで、前日にスタッフが間伐した木を搬出する作業です。倒された丸太を、こどもたちは滑車とワイヤー、ロープを使って引き出します。

丸太にワイヤーをかけるこども、ロープで引っ張るこども、その間で状況を伝え、合図を送るこどもなど、大人が指示せずともそれぞれが自分で考えて配置につき、どんどんと作業を進める様子を見て、圧倒されていました。

さてこの後、↓写真 ↓ のこどもたちの足元に転がっている一番大きな丸太を運び出す作業です。

おそらく200kg越え!しかも中学校の技術家庭の材にするので、引き摺って土をつけてはいけないという制約までついています。
果たしてどうやって持ち出すかを大人もこどもも一緒になってあーだこーだと考えます。
「細い丸太を木の下に入れながら、エジプトの石みたいに運べばいいんじゃない?」というアイデアからチャレンジしたのが「プランエジプト」!

写真ではうまくいっているように見えますが、まったく思ったように動かず。あえなく断念。

次に考えたのは丸太にロープやスリングを4か所くらいに巻き付け、左右から持ち上げる方法。その名も「プラン江戸城」!(特に名前に意味はありません。その場の勢いで言っています)

これならどうだ?とチャレンジ。

「重い!助けて~」と言いながらもこどもたちの力で見事運び出せました!
分散しているとはいえ、200kg÷8人なので、一人当たり25kg⁉それなりの重さです。

 

「こどもたちの力でここまでできるんですね」その言葉に全てが詰まっています。

だいだらぼっちにいる大人は相談員と呼ばれます。指導員ではありません。ジャッジしたり、正解を教えるのではなく、あくまでこどもの相談役であり、一人の生活主体者として関わります。その立ち位置がこどもを主体者として育て、考えて行動できる人に育てていきます。
そんな「こどもたちと大人が一緒に暮らす」場は、きっとモリウミアスのみなさんにも伝わるものがあったのではないかと感じています。

 

コロナの影響から、モリウミアスの皆さんもだいだらぼっちのこどもたちとそこまで話をする機会もなかったのですが、最後には「もう帰っちゃうの?今日はだいだらでキャンプするからキャンプして帰んなよ」とこどもたちから別れを惜しむ声も。程よい距離感とその様子がこどもたちにとっても心地よかったのだと思います。
これからはじまる1年の暮らしもきっとうまくいく!という予感にも感じました。

 

この2年間、視察や研修を受け入れることが難しい日が続いていました。しかし私たちの学びを伝えることは、こどもの未来を拓き、社会を創ることにつながります。
来年度からは少しずつ緩和して受け入れを広げていきます。
ご興味をお持ちの方、ぜひお問い合わせください!

NPOグリーンウッドは日本の自然環境を活用した自然体験教育を推進し、青少年が「心の豊かさ」や「生きる力」を育むための多彩な自然体験教育プログラムを実施します。