こんにちは。
今年度、一年間の長期インターン生としてだいだらぼっちに参加しています、「のいびー」と申します。だいだらぼっちで過ごして、一週間が経ちました。
まず、私がだいだらぼっちに辿り着いた経緯について話します。
こども時代を長崎県の離島で過ごし、中学からは長野県の山の麓で育った私は、自然に囲まれて生きてきました。だからこそ、環境破壊や地球温暖化はとても身近な問題で、目で、肌で、幼いながら感じてきました。「どうしてこんなにもきれいな海を汚すのだろう」といった疑問から始まり、人間が自分たち自身も苦しめている実状を知る中で、もっとこの事実を沢山の人に知って考えてほしいと言う気持ちが湧いてきました。
そこで自分には何ができるのか、環境問題だけでなくたくさんの社会課題も抱えるこの地球で何をすべきなのか、そう考えた先に辿り着いたのが「教育」の力であり、グリーンウッドの「暮らしから学ぶねっこ教育」を学びたいと思いました。
4月1日から始まっただいだらぼっちでの日々は、たった1週間でもとても慌ただしく、でもぎゅっと詰まった毎日のように感じました。ここでは、決まった予定があるのではなく、こどもたち自身が日々の暮らし、明日のスケジュール、1週間のスケジュールなどを納得いくまで話し合い決めます。だから毎日が濃く、同じ日は全くありません。
年度始めの4月は大忙しです。明日を暮らすために食事や掃除のルールを決めること、生きるために田んぼや畑、薪作業の段取りを決めること。そして問題があればまた1から考え直す。話し合って決めることは盛り沢山です。
忙しい日々が続き、なかなか個人のやりたいことまでたどり着かない中、どうしてもドーナツを作ってみたいという子がいました。私から何気なく「結構時間も手間もかかるかもしれないけど大丈夫?簡単に出来るお菓子にしてみたら?」と声をかけると、「僕はドーナツが作りたい。(作ったことはないけど)自分の作りたいものを作ってみたいんだ。だって、ココならなんでも出来るじゃん。」と言葉が返ってきました。
自信を持って「ココなら何でもできる」と話す彼から、やりたいことがなんでも出来る場所、自分の夢が叶えられる場所が当たり前に存在することは、とても凄いことだと感じました。ドーナツを作ったことがない彼が「作りたい!」と思うきっかけとなったのは、だいだらぼっちでの暮らしが、自分たちで決める自由さがありつつ、生み出さざるを得ない不自由さもあるからなのではないかと思いました。
私自身も1週間、だいだらぼっちで暮らしてみて、現代の便利さにも気づくと共に自分自身で暮らしを工夫するおもしろさも感じました。五右衛門風呂の火を維持したり、薪割りを継続のこどもたちに教えてもらったり、農家さんから畑の作り方をお聞きする中で、たった1週間でも自分たちの手で暮らしを作ることにハマっているなと感じます。
薪割りに初めてチャレンジした子が、「え、めっちゃ難しいんだけど。」と、見ていただけでは分からなかった苦労や困難に実際に体験して気づき、1時間もひとつの薪を割ることにチャレンジする姿からも、「暮らしを良くするため」という目的を超えた、自分のやりたいこと、目標を達成するおもしろさが暮らしにはあるのだと実感しました。
そんなやりたいことが叶えられるこの場所で、私はこの一年間、たくさんの「やってみたい」という思いを大切にしたいと感じました。こどもの挑戦を応援しながら、私自身もやりたいことに全力で向かい、考え悩み、共に並走できるような一年にできたらなと思います。
そんな「やってみたい」を自由に描けるおもしろさを知った始まりの一週間でした。
2024年度一年間長期インターン生。長崎県育ち長野県出身。信州大学4年生(休学中)。教育学部でよりよい学び場を模索する中、暮らしや手間の中にある「考える」おもしろさと地域を根っこにした教育に関心を持ち、グリーンウッドのインターン生として参加。