【一人一票の職場】1年の成果を振り返ると次の動きが見えてくる

グリーンウッドでは1年のはじめにスタッフ全員で「事業計画」の発表を行い、終わりには「成果発表」を行います。それぞれのチームが立てた計画がどれくらいの成果を出せたのか共有します。
 どちらか一方だけではダメで、両方がセットになってはじめて意味が出てきます。誰かが決めた目標に向かって行動し、誰かに評価されるのは最もモチベーションが下がるものです。スタッフそれぞれの主体的な関りにつながる大事な要素です。

 

 今年度のグリーンウッドは、庶務や事務、お金のことなど屋台骨を支える「総務チーム」。学童を中心に地域のこどもと幼児を対象にした事業を行う「地域・幼児教育チーム」。だいだらぼっち専任の「だいだらぼっちチーム」。そして今年新設された、新たな事業を生み出す「企画推進チーム」です。

「地域・幼児教育チーム」では学童の報告が目を引きました。
ロジックモデルを作成し、こどもたちの主体性を発揮するための場づくりに力を入れていました。そのひとつが薪の準備。施設にあるストーブの薪は「だいだらぼっち」のこどもたちが山から出してきます。いつの間にか用意される薪から、自分たちで手に入れる薪にしていくために、薪割をすることにしました。

小2の男子の見事な薪割の姿が全てを物語っています!

 

そして森づくり。裏山を遊び場に開拓し、学校帰りにいつでも遊べる場を作りました。そのおかげで日常的に遊びが広がっていきます。結果、「この秘密基地でキャンプがしたい」という自主企画にもつながりました。その前段として昨年度の村の子向けに行ったキャンプを発端に、「今年もキャンプがしたい!」というこどもの声からこども主催のキャンプを実施したり、村の方から「うちのブルーベリー農園に遊びに来て」という声を受けて、みんなで遠征したりと、「声を拾って大きくする。実現する」というサイクルが回る状況を作ったことが大きかったように思います。

その他チームも創意に溢れていました。1年間、様々なことに押し流され、時に「この1年何にもやってないのでは…」と徒労感に襲われることもありますが、それぞれの発表を見ると、「これもやった、あれもやった」と各チームでの成果ではありますが、スタッフ全員で関わって創り上げたのだと気づきます。

育成プロジェクトとして参加している、モアイとなるこもまとめの発表です。
モアイは地域・幼児教育チーム、なるこはだいだらぼっちチームと、立場を同じでもやってきたことが全く違う2人からは、それぞれの視点での発見が語られました。

モアイは秋くらいから学童のこどもが遊ぶ森の整備に入りはじめました。その熱量と整備の結果が、こどもたちの興味の熱量と比例していたように感じます。

なるこはどこか「一参加者」だった立場から、「だいだらぼっちに暮らす主体者である」と気づけたことで、こどもとの関わり方や一人の大人としての責任が大きく変わったように見えました。

成果発表は評価する場ではありません。できないこともたくさんあった中で、ひとつでもその成果を足場にして次のステップにつなげることを目的としています。
そして何よりも一緒に働く仲間のがんばりをみんなで共有することです。なんとなく知っている出来事を、ちゃんと言語化して表現する。この過程が力になるのです。 

最後は3人一組となって今年の振り返りです。それぞれ語り足りないもの、聞きたいことが溢れているのを感じます。

コロナウイルスの影響を受けて、以前のように山賊キャンプを大規模で実施したり、毎月のように森のようちえんを開催するなどはできませんが、2年目となった今年度は小さな規模でも新たなことにチャレンジした1年でした。それは「考えて動く」から「動いてから考える」という思考の変化から生まれました。来年度のグリーンウッドに大きなプラスになると感じています。

今年度も有形無形のたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。
改めて支えられて今があるのだと実感します。

その応援を社会に還元するのが私たちの役割です。小さな一歩ではありますが、着実に進んでいる私たちの教育活動をまた応援ください。今後共よろしくお願いいたします!

 

NPOグリーンウッドは日本の自然環境を活用した自然体験教育を推進し、青少年が「心の豊かさ」や「生きる力」を育むための多彩な自然体験教育プログラムを実施。