あんじゃね学校「日中のお正月を楽しもう」開催!

毎年、村のカンガルークラブ(子育て支援ボランティア)のみなさんとお正月料理をする12月のあんじゃね学校。今年度の担当のサンが中国出身であることと、戦時中1000人以上の村人を満州に送り出した歴史を持つ泰阜村のことを考えて、村のこどもたちに中国のことを知ってもらいたいという思いから、恒例のお年とり料理のほかに、中国のお正月料理のぎょうざとお正月遊びのジャンズ(羽根蹴りゲーム)も取り入れました。

料理を作る前に、日本のお正月の様子はカンガルークラブの方が紙芝居で、中国のお正月の様子は絵本で紹介しました。中国の伝統服を着て中国語を交えた絵本の読み聞かせをみんなが集中して聴いてくれました。

「れんこんは見通しの明るい一年になるように」とカンガルークラブの方がお年とり料理に込められた思いを教えていただきました。ぎょうざは一家団らんを意味し、吉祥を表す食べ物で、中国でお正月にぎょうざを食べる意味を伝えました。例えば、ぎょうざの形は「元宝」(昔の中国で使われていた貨幣)の形に似ていることから、お正月にぎょうざを食べることによって富をもたらすという意味が込められています。また、小麦粉をこねることは中国語で「和面(huó miàn)」と言います。「和(huó) 」は「合(hé)」と発音が似ていて、「合」は団らんを意味するので、ぎょうざを作ることが一家団らんを意味します。それを聴いて、「へ~なるほど」と納得した様子でした。

ぎょうざは皮から作りました。サラサラした小麦粉が水を入れるとベタベタになり、力を入れてこねるとスベスベになり、さらに寝かすとツヤツヤな生地になるという変化を楽しんでいました。

ぎょうざの具のみじん切りも頑張りました。なれた手つきで細かくなるまでコツコツと!

いよいよ一番盛り上がる工程になりました。生地を小さく切って、めん棒で伸ばした皮で包みます。大人でもなかなかきれいに伸ばせないですが、初めてチャレンジするこどもたちが大きさといい厚さといい、素晴らしいものができて、感心させられました。

ぎょうざの他に、お煮しめ、たつくり、おなます、お汁と餅つきも行いました。カンガルークラブの方がそれぞれの料理について、縁起のいい野菜の切り方や味付けなどの調理方法も丁寧に教えてくださいました。大人もこどもも協力してすべての料理を完成させました。豪華なお年とり料理が並び、幸せそうな顔をしていました。

午後は日本の羽根つきやカルタ、中国のジャンズで遊んでいました。ジャンズは羽根つきと見た目が似ていますが、羽子板ではなく足で蹴って遊びます。なれるのに練習が必要ですが、最後の振り返りで「ジャンズのコツをつかんで上手にけれるようになったのが楽しかった」と振り返る子もいました。

今回のあんじゃね学校は満蒙開拓という村の歴史をどうやって伝えたらいいのか、と考えた先にたどり着いた企画でした。食と遊びを通して、気軽に中国に親しんでもらうことを考えました。ぎょうざづくりに込められた思いを実際一緒にやってみることで少しでも伝わったら嬉しいです。国が違っても家族への思いや新年への思いは変わらないことを胸に刻み、中国を含めた外国に接してもらいたいなと思った12月のあんじゃね学校でした。

過去の12月のあんじゃね学校「お年とり料理づくり」の様子もぜひご覧ください。https://www.greenwood.or.jp/tane/5285/