あんじゃねの森の特別授業-泰阜中学校-

泰阜中学校1年生に、あんじゃねの森の歴史や、森の恵みと暮らしの関係、抱えている課題について教える授業を行いました。

なぜ授業を行うことになったのか経緯としては、以前ブログ(次世代に繋がる森の授業

https://www.greenwood.or.jp/tane/7590/)で記載していますが、今年度の泰阜中学校1年生、3年生の技術家庭で使われる材はあんじゃねの森から搬出された針葉樹なのです。去年度、グリーンウッドではあんじゃねの森整備として間伐されて倒されている木をみんなの力で引きました。

そして、引いた木をトラックにたくさん積んで製材所へ

そしてついに木材になりました!

このあんじゃねの森の材で、これから子どもたちが本棚やベンチを製作していきます。約100年前の先代たちが村のために植えてくれたもの。これが時を経て、2021年の教材として使われることはとても尊いことです。今回は、生徒たちにどのような経緯で自分たちの手元に材が届いているかを中心にお話しさせていただきました。

授業の始まりは手作り紙芝居で森の歴史を紹介しました。紙芝居のタイトルはあのプロレスラーを真似て、あん時のひのき!(笑)。「元気ですかー!?」と大きな掛け声で始まりました。

なおみちの素敵な絵で、あんじゃねの森は元学友林ということと、約100年前の先人たちがヒノキや杉を植樹して学校の修理材として使われたり、お金にして村のために使われたりと村への想いが詰まった場所ということ。

そして、その場所が今では村のこどもたちや、生きもの、植物も全てが安心して育ち合える森として「あんじゃねの森」と名付けられたことを説明しました。生徒たちは頷きながら聞いていました。きっと、小さい頃から何気なく遊んでいた森に色んな人の想いがたくさん詰まっている大切な場所なんだということを感じてくれたと思います。続いて、森の課題について話し合いました。20年前の森の写真を見ながら「どこが危ないと思う?」と問いかけ、みんなで考える時間を作りました。

森が身近にある村の子がだからか「今より暗い!」「ヒノキばかりだね!」「木が細い。ぎゅうぎゅうだからかな」と鋭く考えているなと思わされるような返事が出てきました。最後にグループごとに森を未来へ繋ぐために何ができるのかを考えて発表しました。

「森の木を使うことが大切じゃない!?箸作って木を活用しようよ!」という意見や「人が訪れて土を踏むことで地面が固まるよね。だったら久々にあんじゃねの森で鬼ごっこしたい!走り回ることで地面固まるんじゃない!?」と自分たちにもできる素晴らしい意見も出ました。発想が本当に面白いです。

どんな時代でも困難はつきものです。今現在のコロナもそうですが、このようにみんなで話してユニークに解決していけたらいいなとこどもたちを見ていたら思います。

最後に感想を伝え合い授業が終わりました。そして、実際に材を使って木工をしている教室にお邪魔させて頂きました。みんながんばっていい作品を作ってね!

授業を終えて思うことは、生徒たちが村の自然や歴史、先人の人々の想いを知って少しでも「次は僕たちが繋いでいくんだ」と循環の意識を持ってくれたら嬉しいです。貰って終わりではなく、繋ぐこと。それは責任でもありますが、未来をつくることなので一緒に歩んでいきたいと思います。あと個人的な感想になりますが、今回授業を受けた中学生たちがまだ小学生の頃、私は一緒にあんじゃねの森で全力遊んでお泊りキャンプも行っていたので、その子たちが中学生になり、また一緒にあんじゃねの森や村の未来のことを考える時間は幸せな時でした。