
2015年に村からの委託を受けスタートした放課後児童クラブ(学童保育)”いってきました(泰阜村の方言でただいまの意味)”は9年目を迎えました。
登録しているこどもたちの数も47名となり、毎日グリーンウッドの敷地内にはだいだらぼっちのこどもたちも合わせると50人ほどのにぎやかな声が聞こえます。
少し歩けば、里山があり、同じ敷地では山村留学だいだらぼっちのともだちが毎日薪でお風呂を焚き、自分たちでご飯を作っているそんな環境で放課後を過ごす、”いってきました”の最近のこどもたちの遊びを紹介します。
秋になったから山を開拓しよう!
いってきましたの敷地のすぐそばにある通称”丸山”は2年前からこどもたち開拓してきた場所です。
地主さんの許可をもらい、歩きやすいように邪魔な木を切ったり、落ち葉をどかしたり、階段を作ったりと手を加えてきました。
夏場は草がたくさん生えていたり、虫が多かったりと中々作業が進まないのですが、草が枯れる秋になると途端に歩きやすくなるので、こどもたちは「待ってました!」と山に出かけます。


何か所か壊れてたところもありましたが、その修理もまた楽しい。新しく道を作ったり、落ち葉を集めて「落ち葉プール」を作ったり、やりたいアイデアがどんどん湧いてきます。冬になり日が暮れるのも早いので、時間は限られているのですが、毎日コツコツ開拓を進めていくこどもたちです。
自然の色を楽しむ草木染め
女の子たちは自然の植物を使って染める草木染めが大好きです。今回は秋に取りためていたマリーゴールドとこの前森遊びに行った時に集めた檜の皮を使って染め物をしました。


染めます。


出来上がったチャロの毛玉を何に使う訳でもありませんが、チクチクと作っていくこどもたちです。
こどもたちにかかればチャロの毛も遊び道具に早変わりです。
こどもたちの面白い発想を「難しいよ」と言ってしまうよりも、「やってみよう!」と一緒にチャレンジすることで大人もこどもも遊びの幅が広がっていきます。
冬のごちそう、干し柿づくり
泰阜村がある長野県の下伊那地域は、市田柿という干し柿が有名です。秋が終わり冬に差し掛かる時期になるとたくさん渋柿をもらいます。この渋柿の皮を剥いて外に吊るしておくと寒い気候が柿の渋を抜いて甘い干し柿にしてくれます。
一年に一度、この季節しかできないお楽しみ、みんなでおしゃべりしながら皮を剥くのも楽しい時間です。



火を楽しむ
外が寒くなってくると、誰から始まるわけではありませんが、焚き火が始まります。こどもたちは火起こしが大好きです。はじめはマッチをするのにドキドキしていた子も慣れてくれば自分流の木の組み方やマッチの擦り方など、こだわりをもって火起こしをしています。火は一つ間違えば火事にもなってしまうものだから”火遊び”ではなく”火を楽しむ”なんです。こどもたちは身をもって火のあたたかさと危なさを実感していきます。


こどもたちは発想の天才です。大人が思いつかないようなことがどんどんあふれてきます。できるかどうか、楽しいかどうかは関係なく、とりあえずやってみて考えるです。遊びを通して、危ない事、小さい子、大きな子、大人、いろんな人との関わり方、友達との仲直りの仕方、チャレンジの楽しさ、たくさんのことを学んでいきます。遊びに無駄なことは一つもありません。
学校から帰ってきた約2時間がこどもたちにとってわくわくドキドキの冒険のような、そんな放課後を過ごしてもらいたいです。

奈良→北海道を経て2008年に”暮らしから学ぶ”に興味をもってグリーンウッドに参画。季節を五感を使って感じることとてづくりを大切にこどもたちと暮らしを楽しんでいる。