山賊キャンプ for 中国 Part2

前回に引き続き、「中国版山賊キャンプ」の様子Part2です。

5泊6日の活動では、泰阜小学校、だいだらぼっち、放課後学童のこどもたちとの交流がありました。だいだらぼっちは到着した2日目の夕方に、一緒にご飯づくりと風呂焚きを。というのも自分たちと同じこどもが、自分たちでご飯を作ったり、風呂を焚く様子を見ることで、この数日の暮らしに対する取り組み方が変わるのではないかという想いで行いました。

受け入れのために、だいだらぼっちのこどもたちもいろいろ作戦を考えたようで、ご飯づくりは、中国のこどもとマンツーマンで分かれてやろうということにした様子。しかしいざやってくると、どうやって伝えればいいのとアタフタ。「ペアでやるからひとり一人分かれて」と伝えるのに、「ペアペア!」「ワン、ワン、ワン」と必死で知っている英語と身振り手振りで話しています。はじめは怪訝な顔をしていた中国のこどもたちも、やっと理解できたようでそれぞれ分かれると、今度は滞りなく進んでいきます。言葉以上にコミュニケーションをとろうというお互いの気持ちがそうさせているようでした。

はじめは苦労していましたが、そのうちに身振り手振りで会話が成り立っているようです。「言いたいことが伝わってる!」と小5のサラはうれしそうでした。私もそばに立っていたので間に入ろうかとも思ったのですが、むしろ「自分たちでなんとかしなければ!」という切迫感がコミュニケーションを進めたように感じました。

この日のメニューは生姜焼きと卵焼きとお味噌汁。40人分のご飯づくりに大変そうな様子で、特に卵焼きを焼き続けたショウショウ(男の子)は、終えた後に、もう無理と机に突っ伏していました(笑)。それでも作り終えて、中国、日本どちらのこどもも達成感に溢れていました。

3日目、4日目は放課後学童の時間にお邪魔。はじめはお互い様子見。どちらか声をかけはじめるのか、このまま一緒に遊ばないのではと心配していた矢先、ちょっとしたきっかけから大盛り上がり。外で木のブランコやサッカー、大縄跳びをして20名近いこどもたちが大きな声で遊んでいました。

今回は「中国のこども」だけが参加するキャンプだったことで、期間を通じて関わる日本人は私たちスタッフだけ。もちろん我々との交流も大切な要素の一つだったと思いますが、このこどもたちの表情を見ていると、「こども同士」が一番楽しく、意味のある交流だったのだと気づきます。

「言葉の壁」という見えないものに、お互い様子を探り合ってはじめた今回の中国山賊キャンプ。しかし一緒にご飯を食べ、遊び、同じときを過ごす中で、中国語でも英語でも日本語でもない言葉を超えて「お互いを理解しよう」という気持ちが生み出されたように思います。

大切なことは言語よりも、伝えたい、汲み取ろうとする気持ちなのです。

そして山賊キャンプという仕組み、「こどもが主役で暮らしていく」ことは、その壁を時間をかけず素直に取り払うことができるものだと確信しました。
また来年もこどもたちを連れてきます!と力強く語っていた花子。また新たなこどもたちにこの場を提供できるよう、私たちも言語力ではない、「場」「暮らし」を通じた伝える力を身につけていきたいと感じました。