【研修事業】やすおか村の母たちに伝える リスクマネジメント講座 Part2

やすおか村でプレーパークをしたいというお母さん方に「リスクマネジメント」を教えるという企画。第二回目が行われました。

前回は「リスクマネジメントって何?」というのをワークショップと講義を交えて理解していただき、まずは「リスク」とは何かを知り、それに対処しなければいけないということを学んでもらいました。

二回目の今回は、より本質的な学びになるよう「やすおかのプレーパークとは何を目指しているの?」ということを考えてもらいました。

一般的なリスクマネジメントになると、どの事象も「リスク」と捉えると対応するものになってしまいます。プレーパークは「ケガも弁当も自分もち」ということで、ケガやトラブルも自分の責任という場所。だから楽しいという場を創ります。気になる全てのリスクを対処してしまっては、考えたり、工夫したり、偶然のトラブルも起こりにくくなります。しかし、関わる人みんなが同じ考えでもありません。例えば「ケガはしてもいい」と言っても、許されるケガの度合いは人それぞれです。目的を明確にすることで、何を決め、何を管理し、何を管理しないのか、判断基準となるのです。

まずは「このプレーパークで実現したいこと、もの、イメージ」をあげてもらいました。こうなったらいいなをどんどんフセンに書き込みます。

その次にそれらを優先順位で貼りつけます。

「こどもたちがどんどん遊びが思いつく場所」
「何もやらないも許される」
「いろんな人が混在する」
「大人も楽しむ」
「ダメっていわない」などなど。

こういった場で優先順位をつけると、出したもの全てが上位になりがち。その中でも最も大事なこと、やりたいことを決めて、軸を掘り出していきます。
そんなとき参加者の方の言葉が重要になってきます。

「自由にしていいと言いながら、ついつい、やればって言ってしまうんだよね」
「こども時代の密度は高い。だからこそいろんなことをやらせたくなってしまう」
「大人の時間にあわせてしまいがち」
「自然がたくさんあるといっても、どこで遊んでいいかわからない」

子育てをして困ってことがあったから、この場を創りたい。その想いからこのプレーパークが生まれてきました。

そして出てきた言葉が
「大人に邪魔されずに遊べる場」

ついついやらせたくなってしまう、手助けしたくなってしまう、○○ちゃんと遊んだら、ああしたら、こうしたら、気をつけなさい、周りをよく見て・・・。

こどもを想えばこその言葉がこどもを縛っているかも。だからプレーパークで遊んでいる時間は、大人が気を回したり、声をかけたりせず、こどものペースで遊べるようにしたい。そんな想いがコトバになりました。

ではそんな「場」を創るためのスタッフの役割は何か?を考えます。

『ケガの対応』『危険な時の声かけ』『最低限の安全管理』『環境整備』『参加者への情報共有』などなど

そのひとつひとつの具体的方法を検討していくことで、プレーパークの安全を確立されていくのです。

今回の「リスクマネジメント講座」はあえて難しいことにチャレンジしました。もっと定型的な安全管理方法を教えた方がわかりやすく、そして効率的です。きっと参加者の満足度も高くなります。けれど大切にしたかったのは、「これからも困ったことがあったら、自分たちで解決できる」土台です。

答えを教えると、別の問題が起きた時にまた正解を求めてしまいます。

考え方を教えることで、別の問題が起きた時も自分たちで対応できます。

「大人に邪魔されず遊べる場」はかつてどこにでもあった「こどもだけの時間」です。しかし昨今のこどもを取り巻く不安な事件が増えている中では難しくなってきています。あえてこのような場を創って行かなければこどもたちは育たないと、ここにいるお母さんたちは危機感と、そして希望を持っています。

「大人に邪魔されず遊べる場」を創りたいのに、大人が関わるというジレンマ。実現するのは、とても難しいことです。
しかし、「自分たちでなんとかしなければ!」という行動するお母さん方がいれば、きっと遠くない未来に生み出されているはず。

そんな場に声をかけてもらってとても光栄です。微力ながら私も頑張ってお手伝いしていきます。