2021教師指導者育成プロジェクト~モアイ1月の研修報告~

NPOグリーンウッドでは、次世代を担う教師を育てる「教師・指導者育成プロジェクト」を実施しています。育成プロジェクトでは山村留学だいだらぼっちや信州こども山賊キャンプなどグリーンウッドの様々な事業に関わり、こどもたちと生活を共にし、実体験を積む中で人間としての土台を拡げることを目的にしています。今年度参加者のモアイ(森 大樹さん)の12月のプロジェクト研修報告です。

1月のあんじゃね学校
 1月のあんじゃね学校は元学友林での森遊び。今年度、この森で村のこどもたちが遊ぶのは4回目。4回目ともなると、こどもたちも慣れたものでソリ遊び・秘密基地づくり・火おこし・探検・ご飯づくり等、定番アクティビティーが繰り広げられることが想像できた。
 そこで、今回は「この森」だからできる遊びは何か?を改めて開催前に考えた。私の頭の中で浮かんだのは、森の入り口に見える地層の断面が見える場所の赤土の層。日々のものづくり教室で粘土を使い食器を作っている中、地域の土でも食器が作れないかと考えていた。当日はこどもたちと赤土を採取し焚き火でおちょこの完成を目指した。
 この活動で印象的だったのは「なんで?」がこどもたちの頭の中でも、自分の頭の中でもいっぱい湧いたこと。なぜ土を焼くと硬くなるのか?赤土と普通の土の違いは?赤土の成分は?森の中に何気なくある赤土で「もの」の完成を目指すことは、学びたいという意欲を高めることに繋がると感じた。
 そしてさらには、赤土はどこにでもあるのか?なぜ学有林にはあるのか?学有林は昔どういう場所だったのか?次に湧いてきたこの「なんで?」は、地域の歴史を知ることにも繋がった。
 自然の中でものづくりをすることは、理科・地域の歴史を学ぶことに繋がる。また、粘土を採る、練り、形を作る、そして焼くことは地域の自然を感じることに繋がると感じた。

キャンプの準備
 1月は「もっと、事務所裏の森(通称まるやま)の違う景色を見たい」という学童のこどもたちの気持ちを形にするために12月から引き続き、こどもたちと共に遊んでいる「まるやま」でのキャンプの準備を行った。具体的には学童のこどもたちと共に仲間に参加を呼びかけたり、お父さんお母さんにも活動内容が分かるちらしを作った。

 こどもたちと一緒にチラシをつくりながら改めて感じたことは、このキャンプはこどもたちが「身近にある自然の中で遊ぶことが面白い」と思っているからこそできるキャンプだということ。
 最初は周りでワチャワチャと遊んでいる子がいる空間の中で、こどもたちが集中してチラシをつくることは難しいかも?と思っていたが、はじめてみると1時間以上集中してチラシをつくり、空きスペースに「事務所裏の森で楽しいことは…」と秘密基地やふじづるのターザン等、書きたいことがあふれていた。とにかく日頃の楽しいことが次々と出て来る様子だった。日常の森遊びがこの非日常のキャンプという企画の土台になっていると感じた。

 2月は非日常のキャンプをこどもたちとつくることはもちろんだが、このキャンプの土台である、「常に身近にある自然の中で遊ぶことが面白い」という気持ちをもっと広げるために、もっともっと学童の時間、身近な自然で本気で遊びたい。そのために「こどもたちとどうやってドキドキワクワク遊ぶのか」を意識しながら1日1時間、遊びのフィールドである「まるやま」の整備を行うことも継続したい。

担当者より
1月のモアイは、こどもたちが身近な自然の中で「ワクワクドキドキ」しながらめいいっぱい遊ぶということに計り知れない可能性が詰まっているということを感じたようです。
身近な自然は色々なことを教えてくれる先生であると同時に、こどもたちの持っている「ワクワクドキドキする気持ち」や「めいいっぱい遊ぶというパワー」を喚起し、こどもたちの可能性を広げていってくれるものなのだと言うモアイの言葉から、改めて泰阜村というフィールドの持っているポテンシャルの高さを感じた振り返りでした。
残り1ヶ月半、泰阜村というフィールドを生かし、こどもたちのと「ワクワクドキドキする気持ち」を深めていって欲しいと思います。