赤ちゃんが先生!?|私の子育てシリーズ

前回の記事に引き続き、スタッフいとの子育てについてお話しします。

前回の記事では、子連れ出勤をすることでこどもも私(親)も育ててもらっている豊かさについてお話ししましたが、今回は赤ちゃんの存在が気づかせてくれた学びについてです。

赤ちゃんとの出会い

いざ赤ちゃんを連れて出勤してみた中で気づいたのは、こどもたちにも学びがある、ということです。一見赤ちゃんが遊んでもらっているという風に見えがちですが、そうした関りの中で「手ちっちゃいね!」「ピアノの音好きなんだね」「顔に興味があるんだ」「お腹へってるんじゃない?」とこどもたちにも様々な発見があります。ご飯を食べさせようものなら、「口開けた!」「もぐもぐしてる~」「みかんは食べる??」とみんな興味津々です。

思えば自分がこどものころ身近に赤ちゃんはいませんでした。兄弟も年が近く、物心ついた頃には大きかったし…何ならこの職場に来るまで関りは全くなかったのです。なので、出産前は我が子を抱っこできるかすら不安でした。(笑)泰阜村はこどもたちの縦のつながりがたくさんある分、まだ関わる機会はあると思いますが、それでも「赤ちゃん初めてだっこした!」という子は珍しくありません。だからこそ、”赤ちゃん”という身近にいない存在は、たくさんの学びをくれるのです。

 

ワカモノも学ぶ!

これはこどもに限った話ではありません。若手スタッフも「抱っこどうすればいいですか?」と言ってドキドキしながら触れ合いが始まります。私自身、以前スタッフの赤ちゃんが生まれた時にどう関わればいいかわからず、抱っこも1度しかできませんでした。今思うと、あの時もっと触れ合っておけば出産前ももう少し気持ちも余裕を持てたのではないかと思います。そういう意味では、おむつ替えにチャレンジしてみたり、泣いているのをあやしたり、毎日の成長を目にするだけでも、子育てのハードルは低くなっていくのではないかと思います。

 

暮らしの中に妊婦がいること

私は昨年だいだらぼっちのスタッフだったこともあり、妊娠中もこどもたちと生活を共にしていました。暮らしの中で重いものを持つときも、「いとは座ってて!」と気遣ってくれたり、お腹を触って「動いた!」と喜んだり、エコーの映像(録画)を一緒に見て「すごく大きくなった!」と驚いたり、”胎児が育つ”ということも共に暮らしているこどもたちにはたくさんの学びがありました。特に頑張ったのは女の子に伝えることです。一緒にお風呂に入っていた女の子たちは「そんなにお腹大きくなるの?!」と私の体の変化を目の当たりにしていました。そんな中で妊娠するとはどういうことか、自分のこれからの人生に対する不安な気持ちだったり悪阻や眠気、腰痛など身体の変化だったりそうした妊娠して初めて分かったことを伝えるよう努力しました。なかなか妊婦さんに出会う機会もありません。だからこそ、女の子たちが”こどもを産む”ということに対して理解を深め、きちんと向き合えるように自分にしかできない性教育を心掛けました。昨年から継続している子たちは、「あのお腹にいた子がもうこんなに大きいんだね!」とよく言います。まさに体験から学ぶ性教育でした。

 

違いによって分断されがちな社会ですが、このように違う存在からはたくさんの学びが得られます。この違いをどれだけ楽しめるかは、互いの出会う努力次第です。せっかくの今しかないこの時期を、精いっぱい色んな人と関わることで、違いの豊かさを発信していきたいと思います。