【研修事業】やすおか村の母たちに伝える リスクマネジメント講座

今回は私たちの足元、泰阜村でプレーパークを実施している有志のみなさんにリスクマネジメント講座を行ってきました。

主催するのは地域おこし協力隊の小黒あかりさん(通称ぴっぴ)です。小黒さんは学生時代に山賊キャンプのボランティアを経験。その後長野県の私立小学校で教員を勤めた後、地域おこし協力隊として赴任し、主に村のこどもの教育活動を行っています。

現在、「ケガと弁当は自分持ち」のプレーパークを開催しておりますが、有志の方と言っても、地域のお母さま方。当然、野外活動のリスクマネジメントなんて考えたことが無いという方ばかりでしたので、この機会にしっかりとリスクについても考えていかなければということで開催することになったそうです。

まずは自己紹介と共に、これまで命の危険を感じた体験を話してもらいます。
命の危険を感じた体験、すなわち同じような出来事に対しては自ずとリスクマネジメントがされていることを話し、身近にあることを伝えます。

次に大切なこととして、「ここにいるみなさんのリスクマネジメントの概念を統一させる」ことの重要性をお話ししました。

有志の方で行うこういった活動は、それぞれの想いがあるもので、それが故に危険に関しても「少しのケガをしてもいい」「危ない時は思わず手を出してしまう」といった、個人での考え方に差が出てしまいます。この差こそが最も怖いリスクなのです。ひいてはもっと大きな危険に対しても個人の感覚に頼ることになってしまい、いざという時の判断が遅くなってしまうこともあるからです。活動に参加する全ての人が、危険なことについてどのような認識でいるのか、とても重要なのです。

簡単な講義をしてから、ワークショップを行いました。
普段活動しているフィールドでこれまであった危険なことや、ヒヤリとしたことを個人でフセンに書き出してもらいます。

はじめは、あまり出てこないな~という雰囲気でしたが、乗ってくると出て来る出て来る!経験があるということはとても大きい。

次にそれらを「結果の重大性」(縦軸)と「起きる頻度」(横軸)に分けたマトリクスに貼っていきます。起きる頻度も低く、結果の重大性も低いものの対応を考えるよりも、頻度も重大性も高いものから、起こさないための対応策を考えることが重要です。ポイントを絞ってチームで検討してもらいました。

「自由に来て自由に帰る場所だから、途中でどこか行ってもわからないよね」「男の子たちが長い棒を振り回すのが怖い。やらせてやりたいんだけど…どうしたらいいんだろう」「ロープの遊具が怖い時がある」

などなど同じフィールドを共有している方たちなので、具体的にイメージが湧いてきます。

まとめたものをチームごとに発表。同じような視点もあれば、なるほど!と言うものも出てきます。チームが分かれることで視点が増やせるのがポイントです。

今回は2時間の講座なので、あくまで「さわり」。考え出す方法をお伝えすることに注力しました。そして最後にリスクマネジメントの基本や押さえておくべきポイントを私から伝えて終了しました。
リスクマネジメントは一回の講座でできるようになるものではありません。なので、小黒さんとも、「継続してやりましょう!」という話しになりました。

大人がチャレンジすることで、こどもの自由がどんどん広がります。グリーンウッドは泰阜村での体験活動を担ってきましたが、こんな風にお母さん方がこどものために創ろう!と立ちあがった場所があることに感慨もひとしおです。

泰阜のこどもたちは幸せだ!そう感じる一日でした。