“シイナ”が大学にやって来た。
“シイナ”とは、20歳の環境活動家「露木志奈さん」だ。
「同じ世代の人たちに、一人ひとりが行動すれば世界は必ず変えられる、ということを伝えたい」
そんな強い想いで、大学を休学し、環境活動家として全国の小中高を回る講演活動を続けている。
横浜生まれで小学4年~5年の時に、長野県泰阜村で山村留学を経験。
世界で一番エコといわれるグリーンスクール(インドネシア)を日本人女性で初めて卒業した。
2018・2019年には国連の気候変動会議に参加し、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんにも会い、刺激を受けたという。
そんなシイナに、私が受け持つ大学の授業に特別ゲストをお願いした。
東京都江戸川区。
ここに青森大学の東京キャンパスがある。
異色の地方大学だ。
コロナの前から、東京キャンパスの授業を青森本学に配信している(もちろん逆もある)
なので東京キャンパスには20名ほどの学生が対面で、青森本学には100名の学生が画面を通しての受講だ。
なんといっても履修している学生と同じ世代というのが素敵だ。
私なんかが話すよりはるかに学生に届く。
今、隣に座っていたような学生が、いきなり講義を始めるようなものだから、親近感というか距離感が圧倒的に違う。
もちろん話す内容もとんでもなく刺激的だ。
が、それ以上に「同じ世代が地球のためにこんなにも動いているのか」という学生諸君の驚きが手にとるようにわかる。
とりわけ、東京キャンパス在籍学生のほとんどを占める留学生にとっては、心揺さぶられる話だったのだろう。
シイナは難しい話をしていない。
若い世代が持つ当たり前の「?」を、同世代に語りかけているだけだ。
留学生はみな「関心がある」というSDG’s。
でもそのSDG’sは、大事だとは感じていてもどこか遠くに漠然と存在している気がしている学生たち。
シイナの普段着の話は、遠くではなく“近く”を照らすこと、抽象的にではなく“具体的に”動くこと、それがSDG’sの第一歩だよと気づかせてくれた。
この2年、いつしか“できない理由”ばかりを探し、“コロナだからしょうがないよね”と、自分の視野を広げる挑戦を自ら抑制していたことに気づく学生諸君。
かきむしられるような、そして衝き動かされるような、そんな想いが、ドクドクと鼓動を伴って現れたのだろう。
「行動を起こすこと」
端的にいえば、このことを学生諸君が改めて考えるきっかけになった。
それだけでも、シイナをゲストに呼んだ意味がある。
実はシイナは暮らしの学校「だいだらぼっち」の卒業生でもある。
私にとっては、暮らしを共にした仲間だ。
ついでに、私の次男とシイナは泰阜小学校時代のクラスメートでもある(笑)
学生諸君にとって常に興味のある「だいだらぼっちを卒業した人のその後は?」に、応えてくれる授業にもなった。
私は、今後も大学などの授業にシイナを呼ぶつもりだ。
でもシイナはすでに次の行動を企んでいる。
すごいやつだとつくづく想う。
さすが、暮らしの学校「だいだらぼっち」の卒業生だ。
私も行動を起こす。
シイナと学生たちの想いが、全国に、そして世界中に連なっていく。
代表 辻だいち
国道も信号もコンビニもない小さな泰阜村。この村に暮らすひとびとの営みから学ぶ教育活動を続けて29年。「ひとづくり×自然×地域づくり=教育立村」のモデルがこの村にあると信じている。51歳。福井県出身。
2017年までのブログ「わが大地のうた♪」はこちらからご覧いただけます!