先生の優しい話し方が好きでした ~立教大学「自然と人間の共生」8年目が終わる~

「先生の優しい話し方が好きでした・・・」
「しゃべり方がなんか優しくて、居心地がよかったです・・・」
学生たちが提出する最後のリアクションペーパーにはこう記してある。
それもけっこうな数の学生がそんなことを書いている。
小さいころからダミ声だのガラガラ声だの言われ続けてきた自分にとってはオドロキだ。

立教大学「自然と人間の共生」の秋学期授業が終了した。
この授業を受け持って、もう8年の月日が流れた。
東日本大震災が発生した時にこの授業が始まったから、ということは震災から8年ということになる。
自然と人間との関係がどうあるべきか?
そんなことを考える授業が、震災と同時に始まったとは、運命かもしれない。

大学からお願いされた時は、正直迷ったのも事実。
なにせ交通へき地の泰阜村は、東京往復に10時間もかかる。
1コマ90分のために、本当に10時間もかけて毎週通うのか?
悩む自分の背中を押してくれたのは、信州泰阜村の教育力だった。
自然と向きあって生き抜いてきた村のびとびとの暮らし。
その暮らしにこそ教育力がある、と信じて26年間、教育活動を続けてきた。
この教育力を、若い学生たちにも伝えたい。
その想いが「よし、やるか!」と想わせたのだろう。

正直、1年間も毎週毎週東京に通うのはきつかった。

しかも8年も。

でも、病気や身体の不調で休講にしたことは一度もない。
体調管理もまた大事な仕事である。
通うのは確かにきつかったが、その分、渾身の力と想いを込めて、学生に伝えてきたつもりである。
今年度は「自然と人間の共生」の授業が、前期(春学期)300人、後期(秋学期)も300人。
1年生の「大学生の学び・社会から学ぶこと」の授業が200人。
合計、800人の学生と向き合ってきた。
彼らが、自然と向き合い、他人と支えあいながら、自発的に責任ある行動をとる人生を送ることを願う。
最後のリアクションペーパーを一挙公開するので、興味ある人はご覧あれ。

代表 辻だいち