こどもたちから明日を奪うな ~熊本地震2年に想う~

熊本地震から2年。
この日に熊本の地に立つ予定でした。

NPOグリーンウッドは、熊本地震で被災したこどもを、2年続けて信州こども山賊キャンプに招待しいます。
泰阜村行政と、泰阜村住民と、全国のファンとの協働支援です。
この支援の仕組みは、阪神大震災の時に始まりました。
阪神の時は、神戸のこどもを3人、暮らしの学校「だいだらぼっち」に3年間受け入れ。
中越地震の時は、新潟のこどもたちをキャンプに招待。
東日本大震災の時も、キャンプに招待(5年250人)、暮らしの学校「だいだらぼっち」にも長期受入れました(2人5年)。

※支援の詳しくは、私の旧ブログの「震災支援=支え合いの縁を紡ぐ」のスレッドをご覧ください。たっぷり載っています。 ⇒ こちらへ

今回、熊本のこどもを招待する3年目に向けて、このタイミングで足を運ぶ予定でした。
私の体調管理の不手際があり(季節外れのインフルエンザ罹患)、行けなくなってしまいました。
私を迎えるにあたり場をセットしてくれた関係者の皆さんに、まずはお詫び申し上げます。

部屋にこもり、ネットニュースに目をむけます。
心がえぐられる想いがします。

東日本大震災後、そして熊本地震の後、毎日毎日、泰阜村から空と山を見上げてきました。
春霞にゆれる山々、梅雨に煙る山々、積乱雲が天を突く空、大きな虹がかかる空、そしてまさに星が降ってきそうな満天の夜空・・・

▼南阿蘇村(昨年6月撮影)

この空と山を見上げて、毎日毎日唄い続けてきた歌がいくつかあります。
私はちょっぴりギターの弾き語りをやります。
歌もギターも上手くはないのですが(苦笑)。
いつも歌い続けている唄のひとつは「私のこどもたち」
以前に、旧ブログでも紹介しました。
ほんとうにいい唄です。
もうひとつは「わが大地のうた」。
このブログのタイトル。
これら二つの唄はまたいずれ紹介します。

今日は、いつも歌っている唄のなかから、もうひとつ唄を紹介します。


みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
あなたの命より偉大なものは
何もないんだこの地上には
あなたが夜明けを告げるこどもたち
素足で大地を駆け抜けるこどもたち

みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
あなたが未来に生きるこどもなら
みんなで一緒に歩いていきなさい
あなたが夜明けを告げるこどもたち
素足で大地を駆け抜けるこどもたち

みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
たとえ悲しい今日があっても
生きるってすばらしい明日があるかぎり
あなたが夜明けを告げるこどもたち
素足で大地を駆け抜けるこどもたち ♪

曲名は「あなたが夜明けを告げるこどもたち」。
作詞者は、もう他界したが「笠木透」という人。

世界中で起こる大災害や戦争・内紛・テロ。
子どもを取り巻く悲惨な犯罪事件。
権力者や役人がウソをウソで塗り固める眼を覆う状況。
それらが毎日のようにテレビをにぎわしています。
逃げ惑い、絶望的な表情をみせる人びと。
無力感に陥り、権力に自発的に服従しつつある人びと。
その現地の情報を、映像として見続けてきたこどもたち。
こどもたちは、命とは尊いものであり一度断ってしまっては二度と戻らないのだという意識を失ってしまうのでないかと危惧しています。

こどもたちに伝えたい。
命というのはほんとうに偉大なのだということを。
小さくて不完全で自分勝手なこどもたち。
そんな弱いこどもたちであっても、手をとりあい支えあうことができれば、きっと前に向かって進んでいけると信じ続けてきました。

こどもたちに伝えたい。
必ず明日は来る。
こどもたちよ、その明日に向かって、希望を失わずに歩いていこう。
夜明けを告げるのはきみたちなんだ、と。

私は歌うこともギターを弾くことも上手くはありません。
でも、私が伝えたいことは唄ではないのです。
ましてやギターのテクニックでもありません。
私が伝えたいことは、唄に載せた「想い」です。

家族を奪われ、友達を奪われ、故郷を奪われた被災地のこどもたち。
そのこどもたちから、明日だけは奪ってはならない。
全国のこどもたちから、明日を奪ってはならない。
そんな強く重い「想い」を載せて、そして空をみあげて、私は今日も歌います。
「あなたが夜明けを告げるこどもたち」

この唄、どうしても熊本のこどもたち、東北のこどもたち、そして全国のこどもたちに贈りたいと想います。

今回は行けませんでしたが、次に被災地に行くときは、下手なギターで歌ってこようと想います。

代表 辻だいち