村のこどもたちと五平餅づくり|放課後児童クラブいってきました

 11月、村の方から「クルミを拾いにおいで」と連絡があり沢山のクルミを拾わせていただきました。写真は乾燥後のくるみ。周りの実を真っ黒に腐らせ、洗って天日干しさせたものです。

 殻を割るとこんな感じです。調べてみると「オニグルミ」という種類。殻が固くて食べられる部分が少ない…しかし味は美味しい!のが特徴だそうです。

 ここからは学童「いってきました」のこどもたちと一緒に作業をしました。
 殻のてっぺんに上手に金づちを当てればパカッと二つに割れますが、固くて中々難しいんです。間違えて手を打つと痛いので、集中力が要る仕事。しかしハマるとこどもたちも時間を忘れてどんどん割っていきます。

 殻を割ったら、次に食べる部分を取り出していきます。この取り出す作業も細かくて根気が要る仕事です。間違えて殻が入ると食べる時に固いので、混ざらないように丁寧に取り出します。

 時には外で焚き火に当たりながら、コツコツと。
 その隣では要らなくなったくるみの殻を焚き火の焚き付けに。殻は面白い形をしているので、「ボーッ」と音を立てて不思議な燃え方をするんです。

 一日の収穫はこれくらい!放課後の数時間、こどもたちが入れ替わりで作業をして、数日間とれました。くるみはフライパンで炒って、瓶に詰めて保管しておきます。
 てまひまかけてやっと食べられる状態に。くるみは油分も栄養もたっぷりで、山での暮らしには貴重な食料です。泰阜村の人々も大切に食べてきたんだろうなぁと想像します。

 完成したくるみを前にこどもたちと「くるみで何を作ろうか」と話していたら「くるみたっぷりの五平餅が食べたい!」とのこと。そこでこどもたちと計画して、早下校の日に五平餅づくりをやりました。

 まずは火起こしから。今回使う炭は、一昨年にこどもたちと焼いた手作りの炭です!

(炭焼きの様子。材は彼らがいつも遊んでるあんじゃねの森のナラの木)

 室内ではうるち米を潰して、”半ごろし”にしています。お米は炭との物々交換で村の方にいただくこともあります。つまり、お米も泰阜産!

 半ごろしにしたお米をわらじ形にまとめたら、炭火で焼いて…。

 くるみ味噌をつけてこんがり焼き上げます。くるみ味噌は、くるみをすり鉢ですって、味噌、砂糖、を混ぜてお茶でのばして完成です。お味噌もスタッフの手作り味噌!敷地内に香ばしい香りが漂います。

 みんなの手作りが詰まった五平餅が完成しました。こどもたちの頑張りもあり、くるみを贅沢に使っているので濃厚でとっても美味しい!くるみ割りからはじまった、一つ一つの過程も味わってくれたと思います。

 五平餅はこの辺りの郷土料理でお祝い事の時によく食べられてきたそうです。確かに手作りするとお米やくるみを使った贅沢な食べ物だなぁと感じます。そして今回使った材料はほとんど泰阜村でとれたもの。自分が育った土地の料理がどうやって生まれたのか、作られているのか、背景を知っていると地域の文化や歴史を知ることにも繋がります。

 最近は学童の参加者も増えてきて、今回は30人分くらいの五平餅を作ったので一つ一つのストーリーは話すにも慌ただしくなってしまいました(汗)。しかし去年も五平餅を作ったこどもたちが初めての子に教える姿や炭焼きの話をする子もいて、少しでも彼らの記憶に残っている、続ける意味も感じられました。これからも少しずつ体験を通して伝えていきたいと思います。

(最後は片付けまで。また来年も作ろうね!完)