やまほいく実地研修事業「長野県佐久市平根保育園」

長野県には「信州型自然保育普及制度」(信州やまほいく)という制度があります。子どもにとって幼少期の豊かな体験は、その後の人生に大きく関わると言われています。雄大な自然に抱かれながら心を開放し、子ども一人ひとりの可能性をのびのび育てることが自然保育。長野県にはその認定制度を受けている保育園がいくつかあります。

(詳細:信州やまほいくの郷= http://www.shizenhoiku.jp/  )

認定を受けている保育園のひとつ「佐久市平根保育園」から講師依頼があり、なおみち(森 奈央美)と一緒に保育者向けの研修を行ってきました。目的は保育者が自然保育への不安を解消し、これまでやってきた保育の価値を再発見するということ。

今回は保育園の近くで剪定された桃の木の枝を使って「草木染め」を行いました。

初めての草木染に興味深々

まっしろな布にビー玉やゴムを使ってこどもたち一人ひとりが思い思いに模様をつけていきます。

桃の木を細かく折った枝から染液を煮だして布を染めます。

 
普段目にしている木から色が出る驚きとどんな色に染まるのかドキドキ・わくわくしながら染めました。布を開いてどんな模様になっているかは翌日のお楽しみです。
 
草木染め(非日常の少し上のチャレンジ)を通して、自然との触れ合いを体験した先生方はワークショップを行いました。

こどもたちの様子やいつも遊んでいる園庭での自由な遊びを客観的にとらえ直し、自然保育とは?を考える時間。

 
・自然の中で楽しいと思える瞬間や一人ではないから共感できる喜び
・一人ひとりの発見の違い
・自然と触れることで命に触れることができる
など、経験年数の違う先生同士で気づきを深め合えた時間となりました。研修を受けた先生からは「自分がやっていることに自信がなくて、人に合わせなきゃと思ってきたが、自分の生きてきたことや経験に自信をもって大切にして、それを子ども達に提供すればいいんだ。」と日々の保育に自信を持てたという感想をいただきました。
 
自然保育という言葉から何か特別なことをしなければいけないのでは、と思いがちですが、日々のこどもたちの成長や保育園の周りの環境の変化に向き合いながら保育をされている先生方だからこそ各園での”自然保育”のカタチがつくられていくのだと感じた1日でした。