熊本から視察 震災支援の方法はひとつではない 

熊本から視察見学に5名の方がいらっしゃいました。震災被害を受けた地域で「自然」と「地域」をつなげる自然学校の取り組みが復興のヒントになるのではと考えての来訪です。

グリーンウッドが32年間培った「教育」と「地域との連携」を知りたいということ。まずは「地域との連携」泰阜村の副村長との懇談です。

だいだらぼっちの夜の連絡という話し合いの様子を見ていただきました。「明日の予定」や「ごはん当番」、「今困っていること、みんなに知っておいてほしいこと」など暮らしに欠かせない毎日の話し合いは、だいだらぼっちで最も大切な暮らしの場面です。

こどもが司会をして、自主的にどんどん話し合いが進む姿に「あんなにこどもたちは自分たちで決められるんですね」と驚いていました。これも4月からスタートして11か月たったからこその姿。長い目でこどもたちを見ているグリーンウッドの教育方法も理解していただけたのではないかと思います。本当はもう少し様子を見たかったのですが、あくまでこどもたちの暮らしを壊さない配慮のため30分ほど。

その後夜はスタッフとの懇親会です。

今回来られたみなさんとグリーンウッドのスタッフ、それぞれが自己紹介をかねて、今やっていることと、なぜ従事したのかを話しました。人に歴史あり。私自身もみなさんの生きざまに感動しました。

私たちスタッフにとっても、この懇親会はとても有意義な時間。というのも特に若手スタッフは外に出る機会がなかなかありません。さまざまな活動をされている方からお話を聞くことは、自分自身を振り返るチャンスでもあり、新たな考え方、価値観を学べる時間になります。

翌日はグリーンウッドの事業紹介を行い、お昼はだいだらぼっちでこどもたちと一緒に食べさせてもらいました。運よく?こどもたちが相当力を入れたお昼ごはんだったようで、手作りピザにリゾットという豪華な食事も。

たまたま横にいた小学4年生のにこちゃんが、来週行う登り窯の仕組みについて話してくれました。次々にぶつけられる質問に淡々と答えるにこちゃん。さすがです。

大人にこどもが教える、この姿こそだいだらぼっちの在り方のひとつだなと感じました。それは「大人もこどもも関係なく誰もが育ちあう存在」であることを身を以て感じられる場面だからです。にこちゃんにとっても、「教える」ということで、改めて「登り窯」や「だいだらぼっち」を捉え直した時間になったと思います。

これまでグリーンウッドと泰阜村は、協働で熊本震災支援のために山賊キャンプの招待を2年行ってきました。自然の猛威で傷ついたこどもたちに少しでも震災のストレスから逃れる時間を創るため、もうひとつは自然のもう一方の素晴らしさを再度確認してもらいたいという想いからです。

なかなか長野から熊本に復興のお手伝いに行くことは叶いません。今回は、これまで私たちが培ってきた「地域との協働」や「地域の価値を事業にする視点」が、復興のヒントになるという考え方は、わたしたちにとっても学びの時間になりました。なんといってもこのような形で支援になるのであれば、これほどうれしいことはありません。

どのような芽が出るのか、それは随分先の未来になると思いますが、力強いねっことなることを願っています。