「やりたい」が自然と生まれる場所~ゆうすけハウスの話①~|放課後児童クラブ「いってきました」

こんにちは!放課後児童クラブ「いってきました」スタッフのくるです。今回は、なにやらこどもたちが夢中になっている秘密基地作りについてお伝えします。

小屋を発見!

ある日のこと、ひとりの男の子が粘土の発掘をしに敷地内を探検していました。そこで、行きついた先にあったのは一軒の古い小屋。周りには草が生い茂り、ツタが絡まり、ぼろぼろの状態でしたが、柱があり、屋根があり、壁もあり、木と竹でできた家だと分かります。それを見た男の子はぱああっと目を輝かせ、ここを秘密基地にしたい!と言いました。

小屋を発見!(周りを整えた後の様子)

小屋の正体

この小屋はだいだらぼっち3、4年目に参加していたゆうすけという子が建てた小屋。築35年になるこの「ゆうすけハウス」は、なんとグリーンウッドの敷地内で一番古い建築物だそうです。今まで、ゆうすけハウスに魅了されただいだらっこたちが床を張り替え、環境を整え、このように保たれてきました。

秘密基地計画始動!

さて、そこから、少しずつ秘密基地の噂が広まり、仲間が増え、秘密基地計画が始まりました。まずは、周りに生い茂っている草を刈りました。一人一つ、ノコギリや剪定鋏を持って、ゆうすけハウスの周りをきれいにしていきました。みんなの力が合わさって、1週間もすると、すっきり!

次に、みんなで構造を観察しました。柱がどうやって組まれているのか、床はどうやって張ってあるのか、よく見てみます。そして、どんな秘密基地を作りたいのか、話し合いをしました。「椅子を置きたい!」「焚火できたらいいよね。」「2階建てにしたい!」たくさんのワクワクするアイデアが生まれました。そして、まずはここでキャンプをすることをゴールにして、ゆうすけハウスを整えることになりました。

1階の床が斜めになっていたため、道具を使って平らにしました。平らにしたら、そこに椅子を持ってきて、みんなで座っておしゃべりなんてこともできます。そして今は、2階作りに着手し始めました。もともとあった床は古くてとてもそのままでは使えません。お隣さんの竹をいただいて、床の支えとなる「桁」を作りました。これから、竹を10本くらい切り、半分に割り、桁に渡す、という壮大な作業が待っています。これからどんな動きが生まれるのか乞うご期待です。

みんなで地面を水平に整えました
お隣の竹林から竹を伐らせていただきました
竹を小屋に合うように加工中!

「やりたい」が自然と生まれる場所

このゆうすけハウスの計画を聞き、実際に動き始めたこどもたちを見て感じたことは、「いってきました」はこどもたちの「やりたい」が自然と生まれる場所なのだということです。その背景には豊かな自然環境と、こどもたち自身が自分たちで生み出す楽しさを知っていることがあると思いました。

「いってきました」の敷地内には、用意された遊具はなく、おもちゃ類もそんなに多くはありません。その中でこどもたちは色々なものを遊具に見立て、時には自分たちで遊具を作り、遊んでいます。なにもないけれど、自分たちの想像力と実際にやってみる力を働かせれば、何でもできるというのが「いってきました」にはあります。

また、そうやって手足を動かすことが、”手間”や”面倒くささ”と言われることもあるかもしれません。しかし、こどもたちの表情を見ると、自分たちのやりたいことを叶えるために動くこと、仲間と協力することはなによりも楽しいということが伝わってきます。

「何をしたいか分からない」「やりたいことなんて分からない」将来やこれからについて話す時、そんな言葉を聞くことが多々あります。自分のやりたいことよりも、点数をとれること、偏差値の高い名の知れている学校に進学することが評価される社会がその原因のようにも感じます。「いってきました」で自然に「やりたい」が表現できることは、自分のやりたいことに正直に向き合い、人生を歩めることに繋がるのではないかとも思いました。日々のこどもたちの中で生まれる「やりたい」にこれからも丁寧に向き合っていきたいです。