もはや村の恒例行事 お節料理とおもちつき|やすおか暮らしを楽しむ会 てまひま

「やすおか暮らしを楽しむ会 てまひま」は子育て世代を中心に、村の魅力、文化を楽しみながら、タテヨコナナメの関係を創り出そう。ついでに泰阜村に移住したい人も来ていただき、村に暮らす人とのつながりも作ろう。というイベントです。

今年度1回目は恒例となった「お年取り料理作り」です。
泰阜村では正月のことをお年取りといい、お節料理は元旦ではなく大晦日に食べます。そんな泰阜村のお年取り料理の作り方や由来を、村の方から子育て中の家族や小学生に教えていただきます。

今回の総参加者はなんと51名!
申し込み時点で58名だったので過去最高人数かとおもいましたが、当日体調不良などで来られない方もいて若干減りました。残念です。それでも下は1歳から保育園児、小学生、高校生と親世代、そして講師役の80代まで実に幅広い方たちが集まりました。

今回作るのは、「お年取り汁」「お煮しめ」「紅白なます」「伊達巻」「たづくり」そして「お餅」です。作る料理の分担は挙手制で決めていきます。


理由はやはり「主体性」が大事だから。興味あることだと人は積極的になります。均等であることを求めるよりも「手が空いたら手伝ってね」という一言があるだけで、スムーズに進行できるのです。

1番手が挙がったのは「きなこづくり」。やっぱりこどもたちの一番人気です。大豆を炒り、石臼で挽きます。
挽かれたきなこを集める様子は砂遊びに見えなくもないのですが、それもご愛敬。

こちらは伊達巻。
私はこれまで伊達巻は買うものと思っていたので、手作りできることに驚きました。3回ほど繰り返し作っていましたが、作り方を覚えた小学生が一人で黙々と職人のように作っていました。

料理もあらかた終わったところでもちつきへ。こどもたちには年の数だけついてもらいました。

お節料理が並ぶと「お正月がきた」と空気が変わります。参加者の方たちも年の瀬に向かっていることを実感しているようでした。


最近は10月くらいからお節料理の注文を受け付けている新聞広告を見ます。「手間暇かけてまで作らない(あるいは作る余裕がない)、それでもやっぱり正月はお節を食べたい」ということだと思います。日本人にとってやはり正月は特別なものです。けれどこれらを全部用意しようと思うと、現代人の忙しさから考えてなかなか難しい。それでもこうやってたくさんの人が集まって、こどもから大人まで力を持ち寄って作る楽しさは、お節を食べる以上の価値と意義があるように感じます。

これからますます少子高齢化が進みます。若い労働人口がいないと嘆くよりも様々な年代が「できる」を持ち寄って関わる場は大切になってきます。今回のような小さなこどもでも、お年寄りでも、みんながそれぞれの役割があって成り立つ場があるのだということを多くの人が知れば、社会の関わりも変わってくるのではないでしょうか。

さてお節も食べ、片付けも終わったところでこどもたちは外で自由に遊び始めました。どうやら切り株から飛び降りて遊びたい様子です。なかなかの高さなのでやめさせようか迷っていましたが、しばらく様子を見ていると、みんなで落ち葉を切り株の下に集めはじめました。

見事にクッションを作り、ちょっとした高さでもケガなく遊べるように工夫していました。
普段から「放課後児童クラブいってきました」で、外遊びを思い切りしているこどもたちは、遊びを自分たちで考え、生み出すことに慣れているのです。料理もそうですが、段取りを取ったり、先が見えていたり、周りの人とコミュニケーションをとったりと、そこかしこに泰阜村のこどもたちの経験値の高さが垣間見えます。

朝は雪が舞うほど寒い1日でしたが、身体を使って遊んで大分温かくなっていた様子です。

お母さん方だけのお茶タイムで「この時間がうれしい」と話されていました。

「やすおか暮らしを楽しむ会 てまひま」は地域の文化を次の世代につなぎながら、人と人をつなぐ場に育ってきています。会を重ねることでますます求められる場になりました。

次回は「味噌づくり」です。