だいだらぼっちの卒業生にインタビュー くうちょ(1991-1992年度参加)

多感な時期に共同生活をしたことで、コミュニケーション能力は磨かれた気がする。どこに行っても生きていけるっていう自信があるのはとっても大きいです。

だいだらぼっちの卒業生・保護者にインタビューするこの企画、今回はだいだらぼっち6期生のOBくうちょです。
くうちょは、だいだらぼっち六~七年目(1991~1992年度)に、中学1・2年生の二年間をだいだらぼっちで過ごしました。それではインタビュースタート!


ー早速ですが、簡単に自己紹介をお願いします。

1991年度の第6期から2年間、中1中2をだいだらぼっちで過ごしました、くうちょです。30歳までフラフラしてましたが、今はまさかのIT会社の役員をしています(笑)。世の中にまだない、新しいサービスやアプリの開発を目指して日々知恵を絞ってます。家族は沖縄生まれの奥さんと、今年の3月に娘が生まれて3人家族です。
仕事でもプライベートでもひたすらお酒飲んでます。

ー今のお仕事に就こうと思った理由を教えてください。また、お仕事への想いもぜひ教えてください。

前述したとおり30歳までプラプラしていて(パチプロしてた!)、このままではいけないと思い、リクナビネクストで仕事を探しました。
前職がないため、適当に経歴を作って、マンションの営業会社に入社しました。2年間連続で営業成績TOPが取れて、なんとなく飽きてきた頃に不動産時代の先輩から起業の誘いをもらって、一緒に会社を始めました。
会社は今年で12年目を迎えることができて、社員数は30人くらいいます。『くすぶるな!』というキーワードを企業理念として、本気で頑張る気のある人たちを、未経験でも年上でも気にせず採用してるバリバリの体育会系の会社です(笑)。
あと、最近は恵比寿にカラオケバーをOPENしたり、今年の夏は江ノ島で海の家も開始したりと、リアル店舗の運営も始めています。恵比寿でカラオケするときは連絡ください(笑)。

ー是非そうさせていただきます!(笑)
お仕事で大変だったことや困ったことはありますか?また、それらをどう乗り越えてきましたか?

30歳でIT未経験、パソコンもさわれない状態からの起業だったので、人の100倍働くつもりで3年間くらい休まずに働きました。毎月560時間働くという、信じられない仕事量だったんだけど、今思えば泰阜村での経験が背中を押してくれたのかも。

ー泰阜でのどんな経験が背中を押してくれたのですか?

だいだらぼっちに行ったことで間違いなく根性とチャレンジ精神は着いたと思うよ(笑)。どの経験かというとパッと出てこないな・・・。それまでやったことのなかった自炊や風呂炊きとかの不慣れなことや、みんなで意見を出し合ったりぶつけ合ったりするだいだらぼっち祭りの話し合いみたいな運営会議とかを重ねて、新しいことにチャレンジすることの楽しさは経験できたと思う。

ーなるほど、「チャレンジが基本だ!」っていうことですね。
お仕事をしていてよかったと思うことや、一番の思い出などあれば教えてください。

ー企画営業職なので色んな会社の社長さんに会うことが多いのだけど、人として尊敬できる方ばかりで、世の中ってこんなに凄い人達がいるんだなと、自分の未熟さに気づけるのが幸せだと思ってます。
仕事で一番の思い出は、起業したてでとにかく全員ピリピリしていて、毎日喧嘩してばかりだったのが、徐々に仕事が軌道に乗るに連れてみんな仲良くなっていき、今では家族ぐるみでみんな仲良く働けているのが大きいです。
言葉にすると恥ずかしいけど、一緒に働いた仲間を「戦友」と思えたのは大きな成功体験でした。

ーその感覚、わかります!みけもくうちょたちOB・OGのこと、単なる「仲間」でも「友だち」でもなく、ましてや「教え子」なんかじゃ全然なくて、「同志」っていう感じがしっくりくるんです。きっとくうちょの「戦友」と似た感覚だと思います。
今のお仕事に就くまでにくうちょが体験したことなど、先ほども少し触れていましたが、もう少し詳しく教えてください。

20歳くらいからパチスロにハマって、毎日朝の開店待ち→23時までずっとスロットしてました。当時は攻略法とかもあって、しっかり勉強してから打ちに行けばほぼ負けることがなかった。スロットで勝ったお金は全部お酒に消えました…。

ーそれはそれですごいですね(驚)。パチスロばっかりやってた時って、他に何かやりたいとか思っていなかったのですか?

稼ぎは良かったからあんまり考えてなかったな…。パチプロの組織の中でも出世とかあって、割りと出世欲は強かったからパチプロ会で偉くなりたいとは思ってた(笑)。

ーだいぶ腕のいいパチプロだったんですね(笑)。先ほど言っていた「このままではいけない」と思ったきっかけは何だったのでしょう?

最初の頃は真面目に働いている同級生よりも稼いでたんだけど、みんな徐々に出世していって、ボーナスの金額とか聞いたときに、普通に働いても同じくらい稼げるなら普通に働くフィールドで勝負したいと思ったのがきっかけかな。あと、将来を見据えたときに結婚したくないわけじゃなかったから、それも視野に入れて転職したって感じ。

ーなるほど。「このままではいけない」と思えてよかったです。(笑)
くうちょは結婚されていて、新米お父さんでもあるわけですが、家庭をもって自分の中で何か変わったことや気づいたことはありますか?

結婚したときも娘が生まれたときも、自分の退路がどんどんなくなっていく怖さはあったかな。その分今までよりも頑張らないといけないと気合い入りました。
あと、世の中のお父さんお母さんって本当に偉いなーって初めて気が付きました。

ーうふふ、もちろんくうちょのお父さんお母さんもです。(笑) 親になって初めて気づく親のありがたさですね。
くうちょ一家はどんな一家ですか?PR含めて教えてください!

とにかく明るいです!奥さんも自分も友だちが多いので週末は誰かしら家に遊びに来るのが定番で、毎週ホームパーティー状態です。

ーたしかに、二人ともよく飲みますもんね!
ところで、くうちょがいたころのだいだらぼっちはどんな感じでしたか?

ラサールも言ってたけど、5年目までのOBOG達が最低限のインフラを整えていてくれたので、そこからさらにどうやって暮らしを盛り上げていくか?っていうのがしょっちゅう議題に上がってた気がする。
にわとり小屋と登り窯は俺らの年代で作ったと記憶してるけど合ってるかな?

ー合ってますよ!小屋は二代目ですが。

暴れん坊が多かったので、真面目だった僕はいつも殴られていました。(笑)

ーそんなに真面目だったかな?(笑)

泰阜の中学校が統合される前の泰阜南中学校最後の世代だったので、中学まで毎日坂を駆け下りて通ってました。木造の校舎が凄い思い出に残ってます。

ー確かにみんなよく走って学校へ行ってました。始業10分前くらいに出ていく人もいたのでこちらは冷や汗ものでしたけどね。
当時の出来事で一番印象に残っていることはなんですか?また、面白エピソードがあったら教えてください。

ーたくさんありすぎて絞れない。(笑) 花火大会を見に行った帰りに、う~兄と二人で買食いしてたのがむさしにバレて、夜、食堂で1時間くらい説教された。俺も、う~兄も半べそかきながら怒られまくってたのに、う~兄が余計な反論しまくってむさしが更に怒って、ホント怖かった。終盤、う~兄がむさしに、「言い訳はするな!」と怒鳴られたときに「つまり、言い訳はいいわけ??」って馬鹿な反論して、むさしが更に激怒して更に1時間、説教が延長された。(笑)
今までの人生の中で一番怖い説教だったけど、今考えるとそんなに長い時間怒ってくれたのも、むさしの愛情だったんだなと思えるようになりました。

ー怒るとか叱るってものすごくエネルギー使うんですよ。愛情が無かったらそんなに長い説教はできません。気づいてもらえてよかったです。(笑)
だいだらぼっちでの暮らしは今のくうちょにどんなふうにつながってますか、あるいはどんなふうに位置づいていますか?

ー火おこしが上手なのでBBQのときにちょっとモテます。(笑)あと、もともと人見知りだったんだけど、今何にも物怖じせずに進めるようになったのは、だいだらぼっちでの生活のおかげなのかな~?
しっかり振り返ってみると、多感な中学生時代にたくさんのこどもと大人と共同生活をしたことで、人とのコミュニケーション能力は磨かれたような気がする。知らない土地どこに行っても生きていけるっていう自信があるのはとっても大きいです。あとは、帰るべき家があるっていうのは大きいな。地元が千葉県なので田舎っていうものがなかったんだけど、人生の節目節目の出来事をだいだらぼっちに報告に行くのが当たり前になってます。

ーそんな風に言ってもらえて、みけたち相談員は本望です。ありがとう。
今くうちょが夢中になっていることはありますか?あれば教えてください。その魅力も!

去年までは仕事一択だったんだけど、今は生まれたばかりの娘以外考えられない!どんな子に育つか、今からワクワクしてます!
嫁も結構あっけらかんとした性格なので、きっと一筋縄ではいかない大変な子になるんだろうけど、それも楽しむ覚悟です。

ー是非りっちゃん(奥様)と一緒に子育て楽しんでくださいね!
そんなくうちょの夢を教えてください。

夢かぁ…。あんまり考えたことなかったかも。
仕事をしてて良かったなと思うタイミングは、くすぶってる友達や後輩にもう一回火を着けて、その本人が仕事に燃えて結果が出たときだな、うん。
「頑張ればいいことがある」っていうのが、なんとなく生きていく上でのテーマになってきてるので、その想いを共有できる仲間を増やしていきたいです。
あとは早く嫁と娘とお酒を飲みに行きたい!!

ー是非家族水入らずのその次のタイミングでみけもお誘いくださいね。お待ちしています。(笑)
最後に今のだいだらぼっちのこどもたちにメッセージをお願いします!

だいだらぼっちにいたときは、いいことと同じくらい辛いこともあったはずなんだけど、年をとるとすべてが良い思い出になりました。
たくさん喧嘩したはずの同期も、25年経った今もたまに連絡取り合って一緒バカやってるし、全部がいい経験になるはず。だから「怖い」と思ったり「恥ずかしい」と思ったりして一歩踏み出すのにビビることなく、全力で仲間とぶつかり合ってみてください!
相談員に怒られてムカつくこともたくさんあると思うけど(笑)、それも愛ゆえの叱咤激励(むずかしいかな?)なので、嫌いにならないであげてね。(笑)

ーありがとうございました!

だいだらぼっちにいたとき、学校での悩み事やだいだらぼっちでの悩み事など、一つ年下の中学生女子と本当によく話していました。二年いる間には、ちゃんと反抗期もあって、中二病のころも当然ありましたけど、誰かのために一緒に悩んだり話したりしていることも多かったなぁと思います。そのベースが今の仕事への想いにつながっているのかもしれないなと、話していて思いました。本人も言っている通り本当に友だちが多くて、結婚式に呼んでもらった時にはその多さにも驚きましたが、なんていうか、披露宴会場が明るい呑み屋さんっぽい楽しい雰囲気だったことに驚いたのと同時に、たくさんの人に愛されている、つまりはたくさんの人に愛をを注いでいるんだな、と思いました。だいだらぼっちのメンバーと一緒に呑んでいる酔っぱらったくうちょから突然電話をもらったことも何度かありますが(笑)、そのたびに「みけ元気?かにさんたちもみんな元気?」と言って、みけの近況を励ましてくれたり心配してくれたりするその人懐っこさと優しさは昔のまんまなんだなぁと思います。ここ数年はだいだらぼっちに来れていないけど、仲間と万古川に遊びに来たり、結婚するよって報告しに来てくれたりするくうちょ。そうやって訪ねてくれることは本当にうれしいので、コロナが落ち着いたらまたぜひ娘さんも一緒に遊びに来てくださいね。その時を楽しみに待っています!