秘境駅探検と電車旅|やすおか暮らしを楽しむ会てまひま

村に住む子育て世代を中心に、泰阜村の魅力をもっと知ろう、つながりをつくろうというのが、『やすおか暮らしを楽しむ会 てまひま』。なかなかコロナウイルスの感染がおさまりませんが、できることからやっていこうということで、今年度1回目を開催しました。
今回のテーマは「秘境駅探検と電車旅」。4時間ほどのショートトリップです。

実は泰阜村には4つの駅があります!人口1500人の村に4つというのは驚きです。しかもその内の2駅は「全国秘境駅ランキング」なるもののトップ10に入っています。(田本駅5位・金野駅6位)
しかし村の人の移動はほぼ車。電車に乗る機会は少なく、有名とはいっても秘境駅に行くことはありません。せっかくなので普段行かない駅までの道と電車旅を楽しもうというのが今回の企画です。ついでに電車に乗ってお隣の温田駅の周辺散策もします。

今回は8家族24名が集まってくれました。本当はもっと参加したいという方もいらっしゃったのですが、村の消防大会と重なり、お父さんが参加できないため断念されました。
なぜお父さんが参加できないと来られないのか?
実は田本駅までは登山道。もしこどもが歩けなくなったら抱っこやおんぶで歩かなくてはならないからです!片道20分ほどで行ける道ですが、つまりそれだけ大変な道です。

今日の説明をしてから出発。
県道から一歩入るだけで、もうこんな山道です。

日常的に使われることが少なくなってきているため、木や竹が倒れていることも。この先に駅があるとはとても思えません。歩きづらい道のため、いきなり小さなこどもたちは「抱っこ、おんぶ」の声。
なだめつつ進んでいきます。

歩いていると楽しい発見も!駅までの道も楽しい探検の時間。

歩くこと30分!秘境田本駅に到着です!しかし何度見ても、「なんでこんなところに駅があるの?」と思います。「駅前」なんていう概念すら存在しない駅。秘境駅ランキングに入る理由がこの写真だけでわかります。

今では秘境駅マニアの方が訪れるのが主になってしまいましたが、村のおじいま、おばあまの話によると、お嫁入りのときはここで降りて、花嫁衣裳でこの山道を登って行ったなんて話も。生活の大事な足だったようです。


都心では考えられないダイヤです。
電車の時間を確認して、もう少し周辺散策に出かけます。

駅から10分ほど歩くと大きな橋が。天竜川にかかる竜田橋です。
泰阜村には天竜川が流れていますが、普段は車から見るばかりなので近くで見る機会はなかなかなりません。新鮮な風景です。
「昔は天竜川で泳いで遊んだ」という話を村のお年寄りからよく聞きます。一方で川遊びで亡くなってしまうこどももいたそうです。それだけ暮らしの中に天竜川があったということなのだと思います。

今ではこの辺りで川遊びをするというと、私たちグリーンウッドの事業くらいになりました。
すっかり生活から離れてしまった存在に少し寂しい気もします。

やっと電車がやってきました。
さあこれから温田駅まで2分たらずの電車旅です!

温田駅に到着したらせっかくなので駅前も散策します。こちらは古書店カフェです。
昔の文具店をリノベーションして活用しています。


デッキにでると川がすぐそこを流れています。同じ村内でも場所によって村の雰囲気が随分違います。大人は残ってコーヒーをいただきました。

こどもたちは少し足を延ばして南宮神社へ。

田本駅を筆頭に、「いつか行ってみたい」と思っていてもなかなか足が向かない場所は村内にもまだまだあります。同じ村でもちょっと外れた集落だと、「どこだかわからない」という声もよく聞きます。

歩いてみてわかるのは、村の営みです。
車のスピードだと見過ごしてしまうものも、歩くだけで発見できるものがたくさんあります。
「昔の暮らしに戻すべき」とは思いませんが、自分の手と足と知恵を使った足跡を見ると村への理解や愛着は確実に増すと思います。

これまでは味噌づくりやわら細工、ツル細工など「作る」企画が多かったですが、「歩く」企画も増やしていこうと思います。