【一人一票の職場】事業計画 | 1年の歩き方を考える

グリーンウッドでは毎年4月から5月の初め頃に事業計画の発表を行います。各チームが団体のミッション達成に向けて、今年一年どんなことを具体的に実施していくのかを全スタッフで共有する機会です。

ここで大切にしていることは、

一つめ「具体的であること」

二つめ「何のためにやるのか」

三つめ「自分たちで決める」

です。
まず「具体的」ですが、例えば「こどもたちが喜ぶキャンプをします」や「満足度を上げます」などは目標になり得ません。なぜなら図る指標がないからです。もちろんこどもたちが喜び、満足してくれることに越したことはありません。しかし、それぞれのスタッフの感覚では本当の意味で成果にはならないのです。

今年度の学童の目標で言うと、「こどもも保護者も安心できる場を創る」ことを目標に、「ランドセル掛けの増設」や「小学校教頭との月イチ懇談を行う」などとしていました。一見、小さなことに見えますが、できることを積み重ねていく方が確実に成果に向かいます。

また具体的であればあるほど、うまくいかなかったときに振り返ることができます。そして次の手を考えることもできるのです。

二つめの「何のためにやるのか」。NPOなどの団体によくありがちなのは、「どんなことも社会のため」になるから、やることが無限に増えてしまいます。採算が合わなかったり、無理することが増えて来ると結果スタッフのモチベーションが上がらなかったり、目的を見失ってしまうこともあります。課題が山積な現代社会において、やればやるほど成果が上がることはもちろんあります。しかし時間も人も限られている中で、「何のために」「どうするのか?」という目的思考で考える事が大切になってきます。目的を軸に置くと、手段に捉われず変えることもでき、自ずと成果も上がってくるのです。

三つめは「自分で決める」です。例えば事務局長である私がやるべきことを決めてしまえば、もしかしたら目標達成への近道を指し示すことができるかもしれません。しかし、実際に行動する一人ひとりが考え、理解し、意味を見出さなければ、事業に魂は込められず、結果成果もあがりません。またうまくいかなかったときに、「人のせい」になってしまうこともあります。結果も失敗も、全部自分で決めて引き受けるからこそ、「自分で考え、行動する」のです。


ですから、新人スタッフのハチも当然発表してもらいます。

私たちの職場のクレド「一人一票の職場」は、1年目でも創設者でも、関わる一人として責任を果たします。この事業計画は「関わる一人の責任」の表明でもあります。
自分で考え、責任を持って行動することを繰り返すことが、私たち自身を育てることにつながり、結果社会に還元できるのです。

今年度もコロナの影響から、これまで通りの事業を行う事ができません。一方で新たなチャレンジもしなければ、来年度以降の未来も描けない状況です。一人ひとりの力量が問われる時代だからこそ、この「一人一票の働き方」の力が発揮されると信じています。