学校が振替休日の1日、泰阜小のこどもたちが通う学童「いってきました」が主催の「左京デイキャンプ」を行いました。この日は、左京キャンプ場で自由にやりたいことをして過ごす1日。左京キャンプ場には、すぐ近くに左京川があるので、川遊びができたり、沢登りができたり、焚火で料理ができたり、水を汲んで湯を沸かすこともできます。1日の初めに、今日やりたいことをこどもたち同士で出し合い、1日のスケジュールを考えました。川遊び、昼食づくり、沢登りをすることになりました。
「いってきましたが主催」といえど、今日1日を創るのはここに集まったみんな。キャンプ場に到着し、まずは、荷物をみんなで協力して運びます。大きくて重たい荷物から、細々とした荷物まで色んな物があります。その荷物を、ただ車から降ろすのではなく、少し離れた場所まで歩いて持っていきます。というのも、今回は、左京キャンプ場のメインフィールドからは少し離れた、小川を挟んだ場所にある「桑の木広場」というフィールドで過ごす予定にしていたからです。時間がかかるかと思いきや、あっという間に運び終わりました。「もっと運ぶ物ないの!?」という子がいました。荷物を運ぶこと一つをとっても、こどもたちにとってはワクワクすることになります。


午前中は、目いっぱい川で遊びました。特に、滝つぼの場所で、飛び込みをしたり、潜ったりして遊ぶこどもたちが沢山いました。ヒャッホー!と気持ちの良い甲高い声が、左京川に響き渡っていました。


女の子数人が川遊びを途中で引き揚げて、お昼ごはん作りをしに来てくれました。この日のメニューは「夏野菜豚汁」。夏野菜は、泰阜村内の農家さんが作ったものを使わせていただきました。「ピーマンは、精一さんが作っているものだよ。」「それじゃあ、ナスは誰が作ったの~?」といった会話が繰り広げられていました。



こどもたちとキャンプをしていると、五感を純粋に使って生きているんだなぁと感じる瞬間と出会います。
例えば、お米を研いでいる時にある女の子が、「お米を研ぐ音って、幸せだよね。」と呟きました。「なんか、すっごく素敵だね。」と伝えたら、「家で、お母さんの代わりにお米を研いでいたら、お母さんがそう言っていたんだよね。」と教えてくれました。
また、火を焚いている時、着火剤として杉の葉っぱを入れようとしたら、「まだ緑色の杉の葉っぱは、燃やすと臭いよ。」「乾いて茶色くなった杉の葉っぱは、燃やしても臭くないよ。」と教えてくれた子がいました。

また別の子は、ある木の実を見つけて、「この実、何だろう…?潰してみよう!」と言って潰し始めました。潰したら、匂いをかいで「柚子みたいな匂いだ。」と言っていました。私も匂いを嗅いでみたら、確かに柑橘の香りがしました。
こんな風に、こどもたちは、目、耳、鼻…と、身体の感覚を研ぎ澄まして、遊んでいることに改めて気づかされました。

キャンプ場でこどもたちと過ごす中で、ふと思い出したことがあります。学童で遊んでいる時に、ある男の子が、「泰阜って、やっぱりつまんない。」と言っていました。なんで?と聞いたら「だって、何にもないんだもん。テーマパークがあったらいいのになぁ。」と呟いていました。その時私は、今のこどもたちにとって、泰阜村は魅力的に感じないのか…と寂しい気持ちになりました。
でも、今回のキャンプでその男の子は、ゴーグルをしっかり装着し、息をいっぱい吸い込んで、思いっきり川に潜り遊んでいました。この様子を見て、「いつか、この子が大人になった時に、ここで遊んだ経験が原風景として残っていてほしい」と感じました。今、泰阜村の魅力を具体的な言葉で語れずとも、泰阜村の恵まれた自然で思いっきり遊んだ経験を積み重ねたら、きっと、彼らの子供時代の原風景として刻まれるはず。“大人になった時に初めて、有難さや素晴らしさとして思い起こされる原風景が、泰阜村に沢山残りますように。”という願いが生まれました。私はグリーンウッド職員1年目なので、まだまだ泰阜村の秘めた魅力を知りません。こどもたちと一緒に、経験を積み重ねていこうと思います。


東京都出身。学校教育を学ぶ中で、自然体験活動やオルタナティブ教育に関心を持つ。大学4年次を休学し、グリーンウッドの長期インターンに参加。大学卒業後、信州型やまほいくを実践する園にて保育スタッフとして2年勤務。暮らしの中の奥深さを味わい、こどもたちと共に学ぶことに再挑戦したいと考え、参画。
