—それでは自己紹介をおねがいします。
社会人で今はこども関係の様々な活動を見て日々学んでいる最中です。元々ボランティアとかもやっていましたが、コロナを経験して、人との関わりが大事だと感じたり、“会社のために“ではなく、“社会のために“仕事したいと思った時に「こども」というキーワードが出てきてそっちの道に進んでみようと思いました。
調べているうちに、公教育じゃないところでもこどもと関われる場があると知り、第3の居場所づくりなどに関心を持ったこともあり、そうした仕事をしたいと思って今に至ります。
これまでも別の場所で探求学習の補助や自然体験などをして、こども達との関わる経験はしてきました。今回は今までとは全く違った環境で自分を試したかったこともありますが、スタッフの関わり方や地域との関係性、職場の雰囲気なども知りたいと思って参加しました。
—ここにきての第一印象は?
フラットな場所です。キャンプネームで呼び合うので「さん付」とかもあまりしないし、人と人の距離が近い場所だと感じました。あとは短期間の滞在でしたが、スタッフの働き方について、一人一人やることが明確で、自分で考えて動けている職場なんだと思いました。
—今回学んだことは?
「暮らし」というのはすごい大事だと感じました。顔が見える範囲で暮らしを作る安心感もあるし、だいだらぼっちのこどものやり取りを見ていると、みんなが暮らしを良くしようとしている気持ちを持っていることがわかりました。例えば広間が私物で散らかっていた時に、「話し合いで片付けようって言ったのにできてないよ」という声がけがあったんです。自分だったら、片付けるために自分がやったほうが楽だからと一人で片付けてしまうと思います。だけどあえて声をかけることで、単に綺麗になればいいというのではなく、今後の暮らしも見据えて言っているんだと気づきました。時にぶつかり合いもありましたが、暮らしを自分たちが作っていくという思いが大事だと感じました。
あとは「挨拶をする」大切さを学びました。導入で挨拶が関わりのきっかけになるという話があったのですが、とりあえずの挨拶では適当に流されてしまうことがありました。自分のエネルギーが足りてなかったのだと思います。一方で、ちゃんと挨拶をして返ってきた時は、そこから会話が拡がることもありました。自分からこどもに話しかける機会は多くは創れなかったものの、挨拶をすることでこどもから話かけられることは増えたし、逆に挨拶してなければ生まれない関わりだったと思います。
—スタッフとの関わりで学んだことはありますか?
「まずやってみる」ことが大事だと気づきました。山仕事で、最初は木のマーキングをして、その後は道の草を刈ったり整備したり、邪魔になる木を払ったりという作業をしたんです。スタッフの方から、こんな感じでやってと指示されたものの、最初は合っているかどうかわからない中で手探り状態ではじめました。だけど、まずはやってみることで、わからないことを都度聞いて修正したりして、結果的にできて達成感もありました。良くも悪くも、怖がらずやってみることが大事だと思いました。
あと、一番の学びは、こどもに対する“注意”について。自分は暗くなってきたから遠くに行かないでと注意できなかったことが気になっていたんですが、スタッフの方と話をしたときに、「本当に注意しなきゃいけないのか?」という問いを投げかけられました。こどもが主役の場づくりで大切なのは、「暗くなってきたけどどうする?」「何時まで遊ぶ?」などこどもが危ないことについて向き合えているか・考えられているかということです。大人の皮を被って、その場を整えなきゃという心持ちでいたが、なぜ注意するのか?というその根本に向き合えていないこと、こどもが考えるという重要性に気づきました。
—最後に一言!
暮らしを作るというところで、大人もすべて完璧にはできないということを感じました。それでも暮らしは続くので、持ち寄りの精神やまずやってみるという意識が試された数日間だったと思います。コミュニケーションでうまくいかないところもありましたが、目に見える結果が保証されない反面で任されていることの安心感やその過程を試行錯誤することでやりがいを感じた時間でした。
地域での子育てに関心を持ち、2014年に新卒でグリーンウッドに就職。大学時代、間伐ボランティアをやっていたことから、現在は泰阜村の森林を生かした活動に関心がある。また妊娠・出産を経て、子育てに奮闘中。2児の母。