1月にオーストラリアからやってきたインターン生 リン(:キャンプネーム)の感想を紹介します。
―今回参加した理由を教えてください。
これまでの私の価値観は、学歴、科学技術重視で社会が構成されていくものだと感じていました。
一方で、それだけが正解ではないのかもしれないとも感じていました。
日本がもともと好きで、日本のインターンシップの応募サイトで検索していたところ、グリーンウッドを見つけ、教育理念に共感して参加を決めました。
ここでは以下のことを学びたいと思いました。
- 人から学ぶため
- 自分が誰かを知るため
- 教育理念に共感したから
- ゼロからのものづくりに対して考えたいから
―こどもたちと過ごしてどうでしたか?
今回のグリーンウッドのインターン期間(約10日)は、2ヶ月くらいあったような長い不思議な感覚があります。
毎日、たとえ朝食の一時だけでも、私にとっていくつもの書き残しておきたいくらいの出来事が起きていて、心がずっと忙しいような、そんな日々でした。今も、整理するのが大変なくらいです。
【登り窯】(こどもたちの手作り食器を約72時間窯を温めながら焼いていく。こどもたちにとって、年に1度のビッグチャレンジ)
みんなで集めた薪と、みんなが作った作品。継続する集中力と努力がないと温度をキープできません。登り窯が、まさに全員の力合わせの集大成なのです。
大きな声を上げて、迅速な判断、役割を決めること、話し合うこと、ペースよく交代すること、
いろんな役割を試して全体像を把握すること。
小学生が、どれほどの努力を経て、そこに経っているのか、その気持は計り知れませんが、一つの小さな完成されたチームだと感じました。
【暮らし】
・お風呂:「次の順番の人のために、早く上がろうよ!」次の人のことを考える暮らしがあるということ。
・朝ごはん:朝ごはん隊に手を上げた子が、早くから起きて、私をふくむ全員のために朝食を用意してくれていました。自分自身に、図々しく子どもたちが作ったご飯を食べれますかと?と問いかけ、私もそれ相応の努力をしないと顔をあげられない気持ちになりました。
―相談員(スタッフ)と過ごしてどうでしたか?
山ほどあります。
「こどもが主役」ということを言い続け、こどもたちの自信とを掻き立てる一方で、
こどもに任せる大人的責任もあるということが印象的です。
先程の「登り窯」など、長時間作業があるときには、安全対策として危ないときには警告をし、
子どもたちの気持ちのゆるみと一緒に現れた焦り、落ち込み、疲れなどを、声を掛け合ったり、
ときにタオルの着け直しで気を整え、支え合っていました。
そして、相談員たちは指導者でありつつ、静かに見守っていました。
こどもに責任を持って立たせることだけが目的ではなく、いかに自分を守るかを教えるのも
私達大人の使命だと知りました。
―自分自身の気づきや学びを教えてください。
私は、インターンの期間を通して、この子どもたちにとっての
かけがえのない一年の一部を共有させてもらいました。
学んだことは、ここで行う「ものづくり」のように、
言葉を洗練したり、いるものを残し、いらないものを削ったりしてくこと。
そうやって「自分という器」を作っていくこと。
作った器が不注意で割れてしまったとしても、直せるなら直し、
直せなかったら一からまた作り出すこと。
私達が背負っているものを、薪を割るように、少しずつ割っていくこと。
そして、薪を割っているこどもを見て、私は自分に
「今ここにいる子どもたちと同じ程度の努力を出来ているのか?
出来ていない場合、私はどんな顔でこどもの前に立てるのか?」
私達すべての行動が、このこどもの未来に、心の世界に影響するのだとしたら、
今の自分はどうなのか?考えるとまだ完璧ではないと思います。
今後の自分の生き方、学び、居場所、働くということを考えるよいきっかけになりました。
インターンのために海外からグリーンウッドへ来るというのは、初めてのことでした。
価値観は、人それぞれなところもありますが、
国が違うことで「こども」という捉え方、価値観が違うということも私にとっての学びになりました。
あるときリンは「わたしは、恥(はじ)でした」と打ち明けてきてくれました。
どういうことか、と、尋ねると
「こどもと居る時の自分が、こどもにより過ぎてしまうんです。後から考えたら恥ずかしく思えて…」というのです。
教育機関のインターンですので
「こどもと深く関わりたい」という理由で参加する学生も多いのですが、
ここに来て、自分のこども時代や、自身の課題と向き合うきっかけができる学生も多いです。
リンも、自分のこども時代を思い出しながら
こどもに気付かされる場面と、
自分に問い直しながらここでの暮らしに向き合っていました。
彼女にとっての第二、三言語である日本語で
丁寧に言葉にして感じて、学びとってくれたことが嬉しいです。
彼女の行っている大学に、だいだら卒業生が通っているという繋がりもあり
ますます日本全国、そして全世界と縁が広がっていると感じます。
リン、また会える日まで いってらっしゃい!
一歩踏み出し、どんなチャレンジになるかはあなた次第。
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