大人の在り方がこどもを変える|スタッフ研修:山梨県早川町・南アルプス子どもの村小学校中学校

先日スタッフの外部研修として、みけ・なおみち・なるこで山梨県早川町と南アルプス子どもの村小学校・中学校を訪れました。

グリーンウッドのこれからに活かす新しい視点を養うこと、こどもたちをより自由にするためのヒントを得ることを目的に研修に行きました。

研修の様子を紹介します。

 

まずはじめに早川町を訪れました。

昨年度早川町出身のらーらが1年間だいだらぼっちで暮らしていたご縁があり今回訪れました。

 

早川町では親子山村留学を行っており、町外からのこどもを受け入れています。

今回、早川北小学校教頭の山之内先生と教育委員会の望月さん・田中さんから親子山村留学についてお話しいただきました。

早川北小学校

早川町の教育委員会にて

過疎が進みとにかく「人が少ない」現状がある早川町の学校では特色ある教育を進めていました。

私たちが見学した早川北小学校は、地元企業が運営する野鳥公園のネイチャーガイドスタッフがサポートして、こどもたちが興味のある研究テーマを学んだり、集落で語り継がれてきた文化や民話をこどもたちが取材して民話劇をつくったり、地域への理解を深めているそうです。

また早川町では教育にかかる費用は教材、社会科見学、修学旅行も…なんと全て無償!

こどもの人数を確保して学校の存続を守る背景には、町として「地域には学校がないとだめだ。かけるべきところにはしっかりお金をかける。」という考えが根付いていました。

地域の中でいかにこどもの存在が要になるかを感じ、村・学校という視点でこどもが学ぶ環境をつくることについて俯瞰的に捉えるきっかけになりました。

 

続いて、早川町の中でも最も上流にある奈良田集落を訪れました。

だいだらぼっちOBらーらの家族の暮らしぶりを少しだけ覗かせてもらいました。

個性豊かな上原ファミリー!ご一緒してくれたのは父だんご、母わかな、妹さっちゃん。

おふたりは奈良田集落に根付く民謡や踊りをお年寄りたちから継承し盆踊りを復活させたり、伝統農法である「焼き畑」を復活させたりと地域に根差しながら活動されていました。

焼畑をするため、だんごが1人で木を切り倒して焼いた土地。驚くべき作業量です。

その地域の中で大切にされてきた考え方や人の暮らしをひたむきに学びなおし生きることは時間をかけてその地域を守ることやこれからの未来を生きるこどもたちの可能性を広げていくことになるのかと考える時間でした。

 

そして、学校法人きのくに子どもの村学園が運営する南アルプス子どもの村小学校・中学校を訪れました。

だいだらぼっちのOBまるや元相談員たまが職員として働いている繋がりもあります。

南アルプス子どもの村小学校・中学校

この学校にはテストも宿題もありません。先生もいません。

国語、算数といった一般的に思い浮かぶ科目もありません。

こどもたちは「プロジェクト」と呼ばれる体験学習を中心に学んでいます。

教科書や問題集の勉強よりも、実際に作ったり調べたり、人に出会い教わったり、行って見て体験することが学校生活のベースでした。

 

まず1日目の夕方には小学校の校長かとちゃんのお話を伺いました。

特に印象的だったのは大人の在り方です。かとちゃんは「僕らは素人でいい」と表現されていました。

分かっていることも「ここが面白いところだから自分でやってみて」とあえて教えないことを選んだり、「こういう失敗をしたら面白いな」と少し余裕を持って待っておいたり、こどもが自分で動き出すチャンスを生み出しているのです。

効率がいいことよりも大変だったことや困ったことがこどもたちの学びにとって宝物だとお話されていました。

大人がいるとどうしても大人任せになることがありますが、決して大人の存在を強く出さずに「かとちゃん頼りないなあ」と思われるくらいが理想だとおっしゃっていました。

こどもも大人もあだ名や名前で呼び合っている