7月中旬に行った児童養護施設一宮学園の子どもたちのためのキャンプの紹介をします。

グリーンウッドでは、昨年度(2022年)から千葉県の児童養護施設一宮学園のこどもたちと職員さんとのキャンプを行っています。
きっかけは20年前に山賊キャンプに参加していたボランティアが、現在一宮学園の職員として勤められているということ。施設のこどもたちに自由で「こどもが主役」の山賊キャンプを味わってほしいという想いから、受け入れに繋がりました。
~学園職員の方々と事前のイメージづくり~
事前に職員さんとの打ち合わせを通して山賊キャンプを一緒にイメージすることと、はじめてのキャンプに対する職員側の不安を共有しながら導入を行いました。
「火起こしとなるとあまりやったことがなくて・・・」
普段施設では、暮らしをあたえる大人、受けるこどもという関係性がゆえに、当然の不安です。
山賊キャンプでは一緒に過ごす大人のことを「相談員」と呼びます。それは指導員や先生ではなく、あくまでも仲間。分からないながらもこどもと一緒に悩み、時にアドバイスをしながら暮らす。施設にいるときは頼れる職員さんの姿かもしれないけれど、キャンプに来たらとにかく一緒に楽しむ気持ちを持って来てほしいということを共有しました。
~キャンプ当日~

千葉からはるばるやってきてくれたこどもたち10名と職員のみなさん。
2年連続の開催が叶い、こどもの中には昨年のリピーターとして帰って来てくれた子もいました!
ある子は「今年も料理を頑張りたい!美味しい煮物を作りたい!」と有言実行、
昨年作ったネームプレートを持って来て「これ、覚えてる?」ニコニコと声をかけてくれた子もいました。

やりたいことをみんなで出し合い、
川遊び、ドラム缶風呂、肝試し、キャンプファイヤー、そしてかまど作りから始める野外炊飯など様々なことにチャレンジしました。
最後のこどもアンケートには「キャンプが楽しかった」「めしがうまい!」「また来たい」と
多くは語らずとも、迷いなく書く一言に思いが伝わってきました。
また、今年は山賊キャンプにこども時代から参加しているコバチャン(現在大学生)も相談員として一緒にキャンプを作ってくれました。

「山賊キャンプはなくならないと思うから、みんな、大きくなってもここに帰ってきてね」
年齢も立場も近い存在の彼女から、こどもたちへメッセージを伝えてくれました。
来年もまたおいで、そして、数年後にひとりでも大きくなって帰ってきてくれることを、大人たちみんなで願っているよ!

職員の方々からは
初日の大人のミーティングで「こどもたちがどんな風に様子が変わるのか見てみたい」という声もありましたが、最後の感想では
「いつも威張りがちな子が、いい意味でこどもリーダー役になっていたことに驚きました」
「泰阜村の大自然や農家さんからいただくの食材など、いろんな恵みにみんなが包まれました」
「学園でもこどもたちとキャンプする機会はあるが、こどもたちの主体性を最大に出すキャンプの形態が新鮮でした」など様々な感想をいただきました。
こどもも大人も本気で遊び、一緒に暮らすのが山賊キャンプの醍醐味です。
ガキ大将こそ輝くキャンプ。そして、やったことがない=チャレンジがたくさん!
普段一緒に生活する学園職員のみなさんとこどもたちが、普段の関係性から少し離れ、たくさんチャレンジをしてくれました。ありがとうございました!
グリーンウッドの理念である「あんじゃねぇな社会の実現」。
それは、「だれもが安心と希望を持って暮らせる社会」をつくることを意味しています。
我々のような多くの民間の教育団体において、「だれもが参加」という点は大きなハードルと課題があります。一方で社会的にも教育格差がいわれる中、多様なこどもたちへ「山賊キャンプ」を届けることは、今の私達の願い、ミッションでもあるのです。
今回こうしたキャンプが叶えられたのは、一宮学園の職員として今回繋がりをくれた元ボランティアの存在、そしてこども時代キャンプを体験している学生のコバチャンなど、山賊キャンプを大事にし続けてくれていた人の思いが、このキャンプを作ってくれました。
人は人とのつながりの中で心に刻まれ、心が動いていくのだろうと感じます。
またこうして出会えることと、こどもたちが元気でいることを祈って。
一宮学園のみんな、いってらっしゃい!!また会おう!
次年度も継続して行児童養護施設のこどもたちの受け入れキャンプを行うために、9月より公益財団法人長野県みらい基金と長野県との協働事業として寄付を集めています。応援とシェアをお願いいたします。
長野県未来ベースクラウドファンディングサイト【 児童養護施設のこどもたちに自由なキャンプを 】