スタッフ研修:救命法編|いつでもまさかに備える。

グリーンウッドでは2年に一回、いざというときの救命法の研修を行っています。スタッフ数名がMFA(メディックファーストエイド)という国際救命法のインストラクター資格を持っているので、内部研修ができるのです。

このMFAの良いところは、とにかくシンプル(難しく考えない)で、体験ベース(身に付く)の研修にあります。
例えば救命法の核となるのは心臓圧迫とレスキュー呼吸を組み合わせたCPR(心肺蘇生法)です。しかし救命法を学んだ人でも、実際の現場に遭遇してもCPRに消極的になってしまうという事例が報告されています。
それは「誰かを傷つけてしまうのでは?」「悪化させてしまうのでは?」という恐れです。

しかしMFAでは、
✔健康上の最悪の状態は「死」である

✔CPRを施す状況というのは、「呼吸がない」「心拍がない」ということ

✔つまり既に死者である

✔それ以上の「最悪の状態」はない

(※自分の習得している以上の行為をすることは当然禁止されています。何をしてもよいということではありません。)

またあくまで救命法を取得した一般市民ができることは

✔「治療」が目的ではない

✔より高度なスキルを持った人(医者、看護師、救命士)に引き継ぐこと

✔つまり「中継ぎ」である

このように救命する心理的ハードルを下げるようにプログラムされているのです。

さて早速講習に入ります。
「知っている」と、「できる」は全く持って違うもの。知識だけに拠らずに何度も繰り返し体験することで身体で覚えていきます。

CPRに、AEDの使い方まで。

正直に言えば、私たちの活動の中で、CPRを施すこともAEDを使うような事例もこれまでありません。ならばなぜこのような研修を行っているのか?それは最も最悪な状況を想定し、その最悪の状況を乗り越えられる手段を知ることが重要だと考えているからです。

毎年行っている顧問弁護士の早川先生の言葉言えば、「事故は『まさか』で起きる」ということ。想定していないのが事故なのです。

今年は残念ながら山賊キャンプをはじめ、多くの事業を中止にせざるを得ませんでした。中止することは収益の問題も当然ありますが、それ以上にスタッフのスキルの低下にも直結します。コロナが明けて、いざ事業を再開したときに想定外の事故でストップしてしまったら、それこそ悔やんでも悔やみきれません。体験活動での人の成長は「安心」が土台となります。安心を創り出すために、今こそ、自己研鑽が必要だと感じています。