教育の村・泰阜で教育系イベント目白押し!★第1弾★あの有名人が泰阜村で講演?!

こんにちは、ぱるです!

グリーンウッドが活動している地域、ここ泰阜村(やすおかむら)。実は今、泰阜村の教育や子育てへの取り組みがめちゃくちゃ熱いのです!!
もともと昔から”地域でこどもを育てる”文化が根付いている村ではありますが、現村長が教育・子育てを村政の大きな柱として掲げていることもあり、ここ数年教育や子育てに関する積極的な取り組みが展開されています。


そして今年、なんと11月にはあの尾木ママの講演会が、そして12月には話題のドキュメンタリー映画「夢見る小学校」の上映会も開催されました!
実は、私は村の教育委員を5年ほど勤めていまして、今回の講演会や上映会の企画・運営にも少し関わらせていただきました。そこで今回は、これらの企画のウラ側から開催の様子に至るまでを、二回にわたり詳しくご紹介します!今回は、11月の尾木ママ講演会について。

そもそも、なぜ尾木ママを僻地の泰阜村に呼ぶことになったのか?
村の教育委員会で教育や子育てに関する講演会を色々企画しては開催しているのですが、正直なかなか人が集まらない状況がありました。そこで、まずはとにかくできるだけたくさんの人に集まってもらいたい!みんなで話を聞くきっかけになればということで、村の教育長の発案でビッグネームの尾木ママを呼ぶことになったのでした。

 

…が、何しろ超多忙なスケジュールの合間を縫ってはるばる泰阜村に来ていただくので、尾木ママは講演を終えたら即帰路につかなければならず、講演会後に参加者同士で感想をシェアする場にも尾木ママはいられないとのこと。

「講師は帰られてしまうけれど、できるだけ多くの参加者に残ってもらって有意義なシェアタイムにするには、どうしたらいいでしょう?」
そんな相談を村の子育て支援係の担当職員さんから受け、一緒にアイデアを出し合って場の作り方を検討しました。

 

そして当日は午後からの講演に備えて、午前中からコミュニティ・スクール(学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組む組織で、泰阜村で子育て・教育分野に取り組む活動グループが支援団体として登録されています)の登録団体やPTAの保護者の方々も準備に参加してくださり、受付から講師の出迎え、駐車場誘導に至るまで、スタンバイしてくれました!

▲講演担当の子育て支援係の方が作ってくれたタイムスケジュール。準備がスムーズに進むよう細かな段取りが網羅されてました!これを見て臨機応変に動ける村の皆さんもまた素晴らしい!

 

その日はかなり冷え込んでいましたが、それでもたくさんの保護者や保育園・学校の先生方、子育て支援や教育に携わっている村内外の方総勢150名超が会場に足を運んでくれました。
そして時間ピッタリで尾木ママが会場に登場!
小柄な体格ですが、両腕を振って元気に小走りで会場に入ってこられて、さすがの存在感!!
参加者席からの距離感も本当に近くて、話し出しからTVで見かけるそのまんまのおしゃべりモードに、一気に親近感が湧きました!

 

今回の演題は、
「尾木ママ流 共感子育て ~皆がありのままに輝く泰阜村を目指して~」。


持ち時間いっぱい(正確には出発に間に合うギリギリの時間まで(笑))、冗談や具体的エピソードを挟みつつ、茶目っ気&ユーモアたっぷりにお話してくださいました!
本当によどみなく(!!)たくさんのことをお話されましたが、特に印象に残ったお話をいくつかご紹介します!

 

●話を聴く。共感する。
例えば兄弟ケンカ。つい大人は上の子を叱ってしまいます。ただ、実際のところどういう状況かはわからないので、一方的に叱るのではなく、理由を聴くことが大切。
「どうしたの?」(←いつもの柔らかい尾木ママ口調(笑))これだけでいいんです。聞いてみたら、こどもなりの理由があったりするもの。それに対し、「言い訳するな!」ではなく、「それは大変だったね」と、一旦共感することで、こどもの心が元気になるんです!

また共感力を高めるには、動物を飼うとよいですよ。なぜなら、動物は言葉がしゃべれないので、こちらがなぜそうなのか?を想像して慮ることになるからです。
ほめることも大切。人より優れていることをほめるのではなく、そのまんまをほめる、認めてあげることが大事ですよ。

 

➜ 親としても、日頃を振り返ると反省が多いですね(苦笑)。頭ではそれが大事!とわかってはいても、ついつい親目線で決めつけてしまったり、できてないところばかりに目がいってしまうもの。
次は「どうしたの?」(尾木ママ流で^^)と聞こうと思います!

●AI時代に必要な力は?
IQ(Intelligence Quotient)=知能(指数)はAIにまかせておけばいい。これからは、HQ(Humanity Quotient)=人間性(指数)を鍛えることが必要です。人間性を鍛えるには、道徳を説くより、自然体験が土台になるんです!
どんな原体験かというと、「火」「水」「木」「草」「石」「土」「動物」「ゼロ」
「ゼロ」とは真っ暗闇や暑さ・寒さ等の極限の感覚、人間の小ささを自覚させる自然との関わりのこと。

これらの体験をすることで、脳のコントロールタワーである前頭前野、地頭が鍛えられるのです!それは高い思考力や集中力・探究心、社会性、共感力、幸福感…などにつながります。

「自然や森は学校。泰阜村は全部学校ですね!」

 

➜ 道徳を説くより、自然体験!ナットクです。そして必要な8つの原体験、これまたナットク! 

…考えてみたら、毎日泰阜村でこどもたちが日々体験しているものばかり。
例えば村の保育園では、グリーンウッドと協働で年長さんが毎月村内の森でに触れたり川で遊びしたり、近年は先生方の積極的な取り組みもあり、かなりの頻度で近くの山へ出かけるなど日常が自然保育となっています。
小学校では、全校で育てたサツマイモを皆で焚きして焼き芋をしたり、地域の方から田んぼを借りて田植えから稲刈りまでを体験したり、グリーンウッドスタッフが講師となって全校で遊びしたり。
放課後学童でも、登りは大人気!この寒い時期は毎日焚きしたり、粘土質のを見つけては野焼きしたりと、色んなチャレンジをしています。

泰阜村は全部学校。 ハイ、その通りなんです!!
身近にある豊かな自然を活かさなきゃ、モッタイナイですよね!
改めてそう思いました。

 

そして時間いっぱいいっぱいお話してくださった尾木ママは、泰阜村のことを何度もほめてくれて、最後会場を後にされました。
(…講演会の様子の写真は、泰阜村のHPの講演会の報告や、尾木ママのインスタブログからぜひご覧ください♪)

 

尾木ママ去った後のシェアタイム。
お子様連れや時間の都合もあり帰られた方もいましたが、残ってくださった皆さんに声掛けして会場のレイアウトを変え、小さなグループを作ってシェアタイムをスタート。
ほぼ多くは村民とはいえ、お互い知っているかと言えば、はじめましての方ももちろんいます。
そこで少しでも話しやすくするため、まずは自分の名前やこどもとのかかわり、今日の感想一言などを手元の紙に書いて、それらを見せながらお互いに自己紹介。
そこから、それぞれに会話を深めていただきました。

▲書いて話すことが決まっていれば、知らない人同士でも少しずつ話し出せる。グリーンウッドでよくやるA4自己紹介シートを活用。

 

私のグループは、グリーンウッドスタッフに子育て中のお母さん、村長さんも!
「今日の講演会のような機会はとてもありがたい。子連れも話が聞けるように別室でスクリーンが用意されてて、よく話が聞けました!」
「自然を活かした取り組みがたくさんあるのに、意外と知らなかったり、知られてなかったりするんだな…」
村の子育て環境、こんなところがいいねということや足りないところなどなど、色んな意見が出て、なるほどな~と、お互いに話してみるって大事!と改めて気づかされた時間でした。

コロナ禍もあり最近は大勢が集まるという機会もなく、特に子育て・教育というテーマで色んな方々とお話する機会もほとんどなかったので、これだけ多くの村民が一堂に会して、同じ話を聞いて、想いを伝えあうということができただけでも、目的の一つが達成できたのかなと思います。

 

また今回は教育委員会主導の下、コミュニティスクールやPTAの皆さんが中心となって準備したのですが、教育や子育てについて何かやろう!となったときに、こうしてパッと集まって皆で協力して動ける集まりがあるというのは素晴らしいなと改めて感じました。それぞれ「地域のこどもたちのため」という想いがあるからなのだと思います。こうした緩やかな大人の存在こそが、こどもたちを育てていくのだと思います。

 

そして私としては、自然体験の意義を改めて尾木ママに論理的に教えていただき、背中を押してもらった感覚です。
さぁ、グリーンウッドスタッフとして、村の教育委員として、子育て中の母として、一人の大人として… やれることを一歩ずつ。
身近な自然を活かした教育・子育て、前向きに取り組んでいきます!!