イベントから文化へ|おとしとり料理|あんじゃね学校

こんにちは!スタッフのだいちゃんです。みなさま「あんじゃね学校」という活動をご存知でしょうか。泰阜のこどもたちが村の暮らし・文化・歴史・自然体験を通じて故郷を身近に感じてもらうように、毎月グリーンウッドが行っている活動です。

今回は、地域の方と一緒におとしとり料理づくりを行いました。「おとしとり」とは、大晦日に一年の無事を感謝するとともに、「今年もお疲れ様でした、来年もまたよろしくお願いします」と言った労いの気持ちも込めて、みんなで豪華な食事を囲み新年を迎えるという南信州の文化です。今回の目的は、この文化をこどもたちと体験して引き継いでいくことです。

初めに、村のお母さん方(子育て支援団体)にお正月にまつわる紙芝居の読み聞かせをしてくださいました。お正月料理の意味やおとしとりの神様の話など、みんな釘付けになって聞いていました。

今回、使用するお野菜のほとんどが村のお母さん方々の持ち寄りです。おうちの畑で育てた想いのこもった野菜を頂き、こどもたちのやる気が満々です。

いよいよ料理づくりがスタート!切り方や味付けなど教えていただきながら進んでいきます。

田作りにチャレンジしました。田作りは、田んぼの豊作を願ってお正月に食べるんだよと教わっていました。焦げないように丁寧にフライパンで炒めていきます。

伊達巻にチャレンジ!伊達巻は、書物のような巻物に似ている形から知恵が増える縁起物と教えていただきました。こどもたちは「材料は卵とはんぺんなんだ!はじめって知った!」「いい匂い」といい反応で楽しんでいました。最後切り分けるときには、人数分にきれいに切っていました。

泰阜村と深い繋がりを持つ中国の餃子もつくりました。餃子の具のみじん切りも、包む作業も大変でしたが頑張りました。

全7品が完成しました!それぞれ作ったのは一品づつでも、こうして並ぶと達成感がわいてきます。

一品一品、そして具材の一つひとつに思い出があります。黙食しながらもみんなの顔は幸せそうでした!泰阜村の味、みんなで作ったことを忘れないでね。

手作りのお正月料理と、みんなで一緒に食べるという豊かな時間を過ごしました。こどもたちの中には「去年は田作りだったから、今年はお煮しめにチャレンジする」や「今年も、あのおばあちゃんと伊達巻つくりたい」と、毎年楽しみに参加している子もたくさんいました。このおとしとり料理の企画が始まって5年、毎年来ている子も年々増えてます。5年間開催して思うことは、この12月のあんじゃね学校が単発のイベントではなく、習慣である文化に変わりつつあるのではないかと思います。昔は、おとしとり料理を作るための時間と手間、家族一同の団らんの時があったと聞きます。その形とは少々変化はありますが、多世代である泰阜村のみんなで一緒に作って祝うという文化になってきたと思います。今後も泰阜村のてまひまをみんなで楽しむ暖かい泰阜村の風土を大切にしながら活動していきたいです。

また、今回の様子を南信州新聞に掲載、そして長野放送(ふるさとライブ)にも放送されました。私たちがこどもたちと何気なく行っている活動も、実はとても尊い価値なのかなと感じました。