長期ボランティアがやってきた!:青年たちの学びの場

今年の山賊キャンプ実施に際して無くてはならない存在だったのが、長期ボランティアのみっこ、ひろみ、げんちゃんの3人です。

キャンプに参加するつもりで集まっていただいたのですが、結果キャンプ自体が途中で終了となり、みっこは4組、ひろみは1組のみ、げんちゃんに至ってはキャンプに参加できませんでした。

とはいえ、コロナ禍で若者の体験を通じた学びの場も失われている状況に、少しでも得るものがあるようにと、キャンプ場の整備やグリーンウッドの他事業の準備などを手伝ってもらいました。

そんな3人にインタビュー。期間中に学んだこと感じたことを聞きました。

人生で初めて!の体験が毎日ある暮らし

ー まずは期間中を振り返って感じたことを教えてください。

みっこ:これまでもキャンプにはボランティアとして参加していました。一番の違いは長く居られること。前のキャンプで出来なかったことにチャレンジしたりリベンジできたり、長期だったことが本当に良かったなと思います。

ひろみ:キャンプは1組しか出られなかったけど、長老をやっていただいちゃんと作業をしながら話す機会があって、実はこんなことを考えながらキャンプをしていたんだという想いなんかも聞けたのが良かったです。

キャンプ終了後は色んな作業をしたんですけど、毎日、初めての体験ばかりでした!学童のランドセル置き場を作るときはベルトサンダー(電動のヤスリ)を使ったり、梁に登って掃除をしたり、あとはゴエモン風呂を焚いたり。人生で初めて!という体験をこんなに毎日やることもないなと思います。

げんちゃん:キャンプに出られなくて率直に悔しいなと。でもだいだらぼっちのこどもたちがまだ帰ってきていなかったので、普段こどもたちが暮らしている日常を体験できたこと。それもただの一過性の体験でなくて、日常として続けて出来たことは良かったです。

「ありがとう」の数が圧倒的に多い!支え合いを実感

みっこ:期間中、キャンプのお野菜を作ってくださっている農家さんのところに連れて行ってもらいました。すごく丁寧にお話ししてくださって。トマトの作り方を教えてくれたんですけど、学校の授業でちょこちょこってやったことはあるんだけど、これだけの時間をかけているんだとか、こんなに手間がかかるんだと話を聞いて驚いた。

キャンプのためのお野菜を作ってくれる農家さんがいることは知っていたけど、これまでメッセージを書く※ しかできなかったのが、直接顔を見てお礼が言えたのが良かったです。
(※誰がどんな野菜を作ってくださっているかわかる「お野菜MAP」がキャンプ場に掲示されていて、自由にメッセージが書ける仕組みになっています)

ひろみ:たぶん本物の農家さんに会うのも人生で初めて。農業とか農家とか教科書や本ではもちろん知っているんですけど、その方たちが私に向けて、直接お話ししてくださったということでとても腑に落ちたし、理解できることがたくさんありました。

あと何年も育てていて、おいしい野菜を育てているのに「毎年1年生だ」という言葉が印象的でした。

ーその他にはありますか?

みっこ:スタッフが真面目で驚いた(笑)。キャンプのノリとテンションしか知らないから、ミーティングの様子とか、キャンプに向けての準備とか段取りを知って驚きました。

ひろみ:ご飯が毎日おいしい…。家では朝食を普通に食べなかったり、お母さんが作ってくれることもあまり感謝していなかったなと。

げんちゃん:感謝をされる量と感謝をする量が圧倒的に多い!
本当にちょっとしたことをしただけでも「ありがとう」と言われて、挙げたらキリがないくらいです。
職場にそういった土壌があるということに驚きましたが、やっぱり気づけないと「ありがとう」と表現できないですから、支え合って暮らしていることをすごく実感しました。

人と関わるのがおもしろい!自分自身の発見に

ひろみ:普段だったら絶対関わらない人、年齢もそうだし、バックグラウンドも違う人たちと話がたくさんできたことが良かったです。
これまで限られた人としか関わって来なかったので、感じることも多かったし、考える幅も広がりました。
去年、大学に入学したんですが、コロナの影響でほぼオンラインで。友達もできないしどうしようと思っていました。友達はオンラインで知り合ってもリアルで会って友達になったりしているのに、自分はどうしても抵抗あって。
だからみっことの出会いはこれまでと全然違って、会った瞬間から話がとまらないくらい。長期ボランティアに参加しようという同じような考え方だからかもしれないけど、これまでだと、趣味は何?とかどこに住んでるの?からお互い知っていくのに、それがなかった!スマホを見るよりみっこと話していたというくらい。

みっこ:普段関わる人って、家族と大学の友達、バイト先の人とがんばって話すくらいかなって感じだよね。深く話すことがあまりない。キャンプ中は夜のミーティングでその日にあったことをもとにそれぞれ話すんだけど、そんなこと考えていたんだ!とか驚くこと多い。
私自身、考えていることをコトバにするのが苦手だから、他の人のコトバを聞いて、「わかるわかる!」から同じだなと思ったり、「それは違うな」と思ったり。その中で自分自身が思っていることを理解できることがあった。
人と関わることはおもしろいと改めて感じる。

学んだ知識を活かしたい

ー 最後に一言。ついでにこれから活かせそうなことがあればあわせて。

みっこ:帰りたくない!まずはそれ!
ご飯とかあまり作って来なかったけど、ここでご飯づくりやってみて、意外と作れるなと(笑)。だから家でも実践したい。
実はここではじめてホウレン草は茎からゆでること知った!だから教えてもらった豆知識なんかをちゃんと実践したい。知っているだけでは無駄になる。

ひろみ:食生活含めて、生活習慣が元に戻ってしまうのではないかと不安です。。。
私もご飯づくりはがんばりたいです。人と一緒に作るのは面倒なことと思っていたんですが、とても楽しかった。
後は友達にこんなおもしろいところがあるんだよって話をしたいです!

げんちゃん:私はこれから先があるので(9月中旬まで滞在予定)、これからの1か月の目標を。とりあえず他のスタッフの方がどんな風にだいだらぼっちや学童のこどもたちと関わるのしっかり見てみたいです。
これから自然体験を生業としてがんばっていこうと考えているので、団体をどうやって成り立たせていくのか、そういった実務の部分も学んでいきたいです。

キャンプ終了後はキャンプ場の片付けにはじまり、施設の整備や掃除などなど、八面六臂の活躍をしてくれたみなさん。本当にありがとうございました!

みっこは元々山賊キャンプの参加者です。私が長老をしていた組に小学2年生で来たのがはじめてのこと。それから小学生の間は毎年のように参加してくれました。高校生になってボランティアとして戻ってくれたときは本当にうれしかったです。それが大学生となって、長期ボランティアとして関わってくれました。それはつまり、キャンプ参加者が同じ志の仲間になってくれたということです。この仕事をやっていて良かったなと感じる瞬間です。

山賊キャンプも、何度も参加するこどもたちやボランティアばかりではありません。例えその1回でもきっとその人にとってかけがえのない学びがあるはずです。これからも小さな縁、小さな一歩を大切に進んでいこうと思います。

最後に

コロナ禍での長期ボランティア受け入れということで、参加の条件をかなり厳しくしました。まずはそれでもなお参加を決めてくれた3人に感謝です。
そして条件があったとしても、青年の学びの場は実体験にこそあるのだと、彼らの声から感じました。どんな状況であれ方法を探し続け、続けていかねばと決意を新たにしております。

実はもうひとつ思いがけぬ縁が。げんちゃんがグリーンウッドの報告書を読んでいると「この方、前の会社で一緒に働いていた人です!」。それはだいだらぼっちのOBでした。しかもそのOBが働いている会社には私の学生時代の仲間がいることも以前発覚!
げんちゃんにその仲間のことを話すと「よく知っています!」とのこと。

縁は異なもの。そしてどこで知り合いがつながるかわからないだいだらぼっちネットワークの恐ろしさも改めて感じました。