大変が楽しい!炭づくり -「いってきました」1月の報告!

みなさんこんにちは。スタッフのバズです。グリーンウッドでは2002年に炭窯の建設が始まり、2003年から炭を焼いています。地域の使われない間伐材を利用し、技術と文化の継承を目的に継続して炭を焼いてきました。今年度も12月から放課後児童クラブ「いってきました」でも、こどもたちと一緒に炭焼きにチャレンジしました。

窯詰に使う木材はあんじゃねの森から搬出してきた楢(なら)の木を詰めていきます。木材を詰めていく前に窯の中に竹を割ったものを敷き詰めます。地面から離すことで、木材全体が炭化します。窯の床の広さに合わせて竹の長さを切りそろえます。

窯詰が終わったら着火して、後は煙の様子を見ながら精錬の度合いを測り、焚き終わりを見極めます。上手く火がつかなければ赤茶けた生焼けの材になってしまうし、焼き過ぎると跡形もなく燃え尽きます。煙の臭いや色、たなびく煙が時間と共に変化する様子を観察し、目に見えない窯の中に思いを巡らせます。

1月某日、こどもたちと焚き終わった窯の中の様子を見ることになりました。上手く焚けているかどうかは開けてみないとわかりません。ドキドキしながら慎重に入り口を開けていきます。

「炭ができてる!!」「すごく軽い!!」重量感のある生の楢(なら)の木が炭化すると水分やガスが抜けて軽くなります。重さの違いに感動です。

炭は木の水分やガスを熱によって抜き取り、炭化したものです。薪ストーブのように乾かした材を焼くのではなく、水分が残っている生の木を焼きます。冬になりストーブで毎日火おこしをするいってきましたのこどもたちにとって、同じ木を乾かしてから使ったり、生のまま焼いたりと暮らしの中にある当たり前の日常に不思議を感じていました。

炭焼きは古くは泰阜村の主要な産業でもありました。木を15年-20年周期で切り出し、炭を焼きまた元の場所に戻っていくという循環をしながら炭を供出していました。今でも山の中を歩くと炭を焼いていた山窯の跡地がいくつも見ることができます。木材や炭価格の下落や暮らし方の変化に伴ってだんだんと炭づくりを行う人も減ってきていますが、今でも掘りコタツや火鉢で使っている家庭もあり残していきたい文化でもあります。炭づくりは簡単な作業ではないですが、力を寄せ合えばそこまで大変な作業ではありません。やればやるほど面白い科学の塊でもあります。上手く焼けた時の達成感もものすごいです。

今回焼いた炭をこれからこどもたちといろいろな企画に使っていきたいなぁと作戦を考え中です。炭を焼いた後の楽しみも含めて、「大変だけど、楽しい」そんな炭づくりを続けていきたいです。