だいだらぼっち保護者インタビュー まーさん(2010年・2012年に姉弟を参加)

冒険の本に興味を持ち始めた時が
ちょうどいいタイミングだったと思います

だいだらぼっちの卒業生、保護者にインタビューするこの企画。第2回は保護者のまーさんです。2010年に長女が、2012年に弟がそれぞれ5年生の時に1年間だいだらぼっちに参加していました。1人目と2人目の参加させたときの心持ちの違いや、親として考えたことついて伺ってきました。

―参加した理由を教えてください

私たち親が自然好きで、都会にいながらにして自然的な暮らしを目指していました。自然体験をたくさんさせたいなと、長女のくるが幼稚園の時から自然体験が出来るキャンプに参加させていました。そんなとき職場の同僚から、「こどもが全部決めるキャンプがあるんだよ!」という話しを聞いて、それ、すごくいい!自然の中で何もない暮らしを体験させたい!と思ったのがきっかけです

―決め手はなんでしたか?

だいだらぼっちの理念や、スタッフの経験や考え方に共感したこともありますが、何より初めて見学に行って、こどもが「行く」と決めたことです。

ちょうどその頃、冒険の本を読み始めていた時期で親と離れて独り立ちにむけた心が育ち始めた時期だったと思います。

―入れるに当たって不安はありましたか?

長女の時は全部が不安!健康でやって行けるのか、1年間どんな暮らしになるのか、なにもわからないので、何が不安と言えないくらい不安でした。弟の時は流れもわかってきて、夜の話し合いが長いことを知っていたいので、ちゃんと睡眠時間が取れるかなと、逆に細かいことが不安になりました。でも「こどもってすごい!」「こどもでも出来るんだ」ということが分かるにつれて、その不安は解消していきました。

―1年終えて帰って来て変化はありましたか?

目に見えてこう変わりましたとはっきり言えることはないのですが、くるはだいだらぼっちで国際キャンプに参加させてもらったことから、国際交流に興味を持って、大学で地球社会共生について学び始めました。ガッツィーは自然が好きで、高校を決める時に山、川、畑が見える学校を選びました。言えるのは自分たちの好きな事、得意なことがはっきりしてきたことだと思います。

―兄弟で入って、それぞれの年で違いはありましたか?

同じことは再現できないので、それぞれの出会いは運命だと思います。くるの時は参加者が8名しかいなかったので、暮らしの仕事も多いし、仲間とぶつかることも多かったし。でも人数が少ない分、誰かの裏にいてやり過ごすとか、隠れていられないというのが良かったと思っています。

ガッツィーの時は、今度は人数が多くて。だからいろんな価値観にも出会えたと思います。

そういえば面接の時、泰阜村の同学年の子が女子しかいないという話しがありましたね。でもそれはあまり気になりませんでした。どんな環境でも、誰とでも、そこにあるものやいる人でやっていかなければならないという考えでした。

―親としてどんな心構えでいましたか?

心配だけど親の手も声も届かないという体験が大切だと思います。せっかく親元を離れているのに、だいだらぼっちに親が行き過ぎるのも良くないし、かといって家族のつながりが途絶えたという不安を与えてもいけないし。そのバランスはとても考えていました。今の世の中、上手に親離れ、子離れすることが難しいと感じています。その練習のためにも、この経験はとても良かったです。くるは今、大学生で一人暮らしをすることになりましたが、その時慌てたり、不安になったりすることはありませんでした。もしだいだらぼっちに行っていなかったら、あの5年生の時に感じた不安をこの年で感じることになっていたと思います。

―最後にだいだらぼっちに参加を検討されている保護者の方にメッセージを

子育て真っただ中、こどもに何を与えたらいいのか、何を伝えたらいいのかと迷われて、そして、楽なことや便利なものを少しかき分けてみたところで、「だいだらぼっち」にたどり着いたのではないでしょうか。自然も、人間関係も、暮らしも、決して思い通りにならない、そんなとんでもなく不便な生活が、楽しいことに変わっていくだいだらぼっちの生活を、ぜひ親子で体験してみてください。

ありがとうございました!

長女が参加した時はだいだらぼっちの人数がなんと8名!と開設時の次ぐ少ない人数。弟が参加した時は逆に17名と全く違う雰囲気を見てきたまーさん。「どんな環境でも、誰とでも、そこにあるものやいる人でやっていかなければならない」と、どんな状況もこどもたちの成長にプラスであると考えていたとのことでした。

だいだらぼっちはその場にいる仲間やスタッフ、取り巻く自然や出来事で全く違う1年間となります。どんな状況も周りのせいにせず前向きに捉えていくことが、自分自身が「幸せ」の価値観を築き、発見する種になってくるのだと感じました。

これからもだいだらぼっちの卒業生や保護者に定期的にインタビューして参ります。お楽しみに!