11月はいくつか講演に呼ばれています。
まずは豊田市。
『こどもが求める「居場所」×「居場所」にいる大人の役割』というテーマで豊田市の居場所づくり事業や放課後児童クラブ、その他市民活動などでこどもと関わる方を対象に行いました。
当日は90名ほどが参加。担当の方からは「お互いの情報交換やつながり作りの場にもしたいので、ワークを取り入れていただきたい」と要望がありました。時間も2時間と講演としては長めの設定になっていたので、隣同士、前後の4人グループがわかるように座席を設置していただき、また座る席も知り合い同士で固まらないよう事前に決めておきました。
はじめは固い雰囲気でしたが、そこは普段からこどもを相手にしている方たちなので、導入のアイスブレイクゲームと隣同士の自己紹介ですぐに打ち解け、場もほぐれてきました。
前半は私たちが行っている自然型学童の「放課後児童クラブいってきました」の実践をパワーポイント、動画を交えて説明します。
こういった講演は「いい話だった」「刺激になった」と講演が終わった直後は満足感に浸れますが、得たものを実践するまでに至らないことがしばしばあります。特に突出した事例だと、「素晴らしい活動。でもうちには無理」となってしまいます。
そこで今回は途中で感想をシェアする時間を多めに作りました。自分だけの考えよりも、回りの人と話すことで違う視点を取り入れられ学びが深まります。
さらに
1.こどもが求める居場所はどんなところ?
2.大人の役割は?
3.自分の関わる居場所で実現したいこと
4.その実現のために、今すぐ、自分ひとりでもできること
と問いをステップアップするように分けて投げかけ、グループでシェアする時間を交えながら進めていきました。聞くだけよりも、自分の考えを話す時間があった方が学びは深まります。
感想にも「今まで制約が多い中で子ども達に注意ばかりしていたが、”自分で考え行動していく”ことが大切だと気づかされた。これから自分で考えてどうするのか聞いていくようにしたい。」「子どもが主体的にいきいきと過ごせる場をどのように用意するのか、とても気づきがありました。参画者と保護者の理解重要!」 「まずは大人がやってみる・できることからはじめる・ベストよりベター・信頼を育てる・参画者に育てる などなど 心に響くキーワードがたくさんありました。」とありました。
今回は単に「成功事例」としてお話しするのではなく、わたしたちの活動がここに至るまでの失敗やつまづき、どのように乗り越えたかも伝えました。
成功事例を聞くと、刺激を受ける代わりに、自分たちの活動とのギャップに苦しむことがあります。失敗は共感ポイントが増えるため自分事になりやすくなります。
これまで講演活動も何度も行ってきましたが、今回は参加された方たちの次の行動の後押しとなり、自分たちの小さな一歩を信じられるようなものになったのではないかと手ごたえを感じています。
今の社会は、より強いリスクマネジメントが求められることや、温暖化による活動の制限により、こどもたちの野外活動を行うことがますます難しくなってきています。体験が少ないこどもたちがやがて大人になれば、そのこどもたちはさらに体験は少なくなります。体験不足のスパイラルダウンが社会に及ぼす影響は目に見えにくいもの。手をつけたときには手遅れになっていると思います。
こどもたちの体験の場を創り続けるためには、大人の覚悟が必要な時代です。だからこそ私たちが培ったノウハウを広く伝えていきたいと考えています。
「こどもには体験が必要だ」と考えている団体の皆様、ぜひお問い合わせください。
全国どこでも参ります。
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グリーンウッドの代表理事。2004年よりグリーンウッドスタッフとなり泰阜村に移住。一男二女の父。2024年より代表理事となる。