山賊キャンプボランティアの声|マリオ(だいだらぼっちOB)

2024年の山賊キャンプには、だいだらぼっちOBOGや元山賊キャンプ参加者がボランティアとしてたくさんお手伝いに関わってくれました。そのうちの一人、2012、2013年度にだいだらぼっちに参加していたマリオにインタビューしました。

 

今回ボランティアに来たきっかけは?

今アメリカの大学に留学しているんだけど、夏休みに帰ってきて時間があって。東京にいるとお金ばかりかかるから何かしようかなと思っていて、とりあえずコロナもあってだいだらぼっちに帰る機会がなかったから1週間くらい行こうかなと。それでだいだらぼっちに電話したら、スタッフのいとに「予定がないなら裏方のお手伝いしない?」と誘われて参加することになりました。

裏方の役割ではどんな仕事をしていた?

物資で食材の仕分けをしたり、事務で必要な封筒の準備をしたり、キャンプのビデオや写真を撮りに行ったり、キャンプ場の階段も直したし。キャンプが始まる前は、放課後児童クラブいってきましたのサポートに入ったり、だいだらぼっちのご飯作り手伝ったり、期間中に手伝うことははなんでもやったかな。

 

期間中大変だったことは?

特に自分はないかな。でも裏方で事務局のスタッフを見ていると、急に参加者のキャンセルがあってその対応をしたり不確定要素がたくさんあって、山賊キャンプを運営するのも大変なんだなとは思った。

久しぶりにだいだらぼっちに帰ってきて何か感じることはあった?

だいだらぼっちは変わらないなと思った。久しぶりにだいだらぼっちで過ごして現役のこどもを見ていると、今の俺から見ると「この話し合い必要ある?」っていう話し合いが延々と行われていて。それを見ていたら、俺がこどもの時もそうだったな~って思い出した。これは悪い意味じゃなくて、やっぱりこどもの意見が尊重されている場所なんだなと。ある意味無駄なことをしているんだけど、それがすごく大事だと思うから。

だいだらぼっちにいたときは「一人一票」を大切にしてきたけど、だいだらから離れると段々薄れて、社会一般の価値観に正されてくる。久々に戻ってきて仕事でも一人一票が大切にされている様子を見てもう一度何が大切か考え直したかな。

可笑しかったのはだいだらぼっちにいると、小学生の時の記憶が戻ってきて自分が小学生のような気がしてきて、だいだらぼっちの現役の中学2年生と話していたとき年上の子と話しているような錯覚があったり、変な感覚があった。あっ、俺は大人だったって(笑)。

変わったと言えば、当時はまだ放課後児童クラブはやっていなくて、放課後に学校が終わるとみんなさよならして村の子と遊ぶ機会は少なかったよね。でも今はだいだらぼっちの裏の施設で学童をやっているから、みんな混ざって遊んでいて村の子とだいだらぼっちのこどもの距離が近づいていいなと思った。

あと裏方で働いてみて、当時はこどもが主役で自分たちで全部やっているつもりだったけど、裏方を手伝ってみてキャンプの裏側を知ると大人が縁の下で支えてくれたのを知れたな。

小学5年生のマリオ

今のこどもたちに伝えたいことはある?

英語も話せないのに高校卒業していきなりアメリカに留学したんだよね。小学5、6年生をだいだらぼっちで過ごしていた時も、「とりあえずやってみる」という暮らしをしていたから、やっぱり今のこどもたちには結果が見えていないことに挑戦してほしいなと思う。今はスマホでもなんでも結果がわかる時代で、なんでも知っている気になっているこどもがいたり、わからないと踏み出せないこどももいる。山賊キャンプでいう「チャレンジが基本だ」がなくなっている。なんでもやってみないとわからないし、やってみれば何かが得られるから、迷うなら「とりあえずやってみればいい」と伝えたい。

 

小学5、6年生の2年間だいだらぼっちで過ごしたマリオ。こどもらしく何をやっても楽しそうだったのが印象的でした。ちょうど来訪しているタイミングで、アメリカの大統領選があったり、円安から円高になったり、株価暴落があったりと社会を騒がしていました。そんな社会情勢を同じ目線で話せるようになったのは「大人になったな」という驚きと共に、社会に積極的に関わろうとする一人の人になっていて頼もしく感じました。
このままアメリカで働くのか、はたまた日本に戻るのか、未知な未来の岐路に立つマリオのこれからが楽しみです!