4月にだいだらぼっちがスタートして、あっという間に3ヶ月半が経ち、1学期が終わりました。
暮らしも話し合いも慣れないことばかりなうえに、田んぼや畑など季節に合わせた作業もあるため大忙しの1学期。それでも空いた日にはキャンプや川遊び、水路探検など自然の中での遊びを思いっきり楽しみました。暮らし・話し合い・作業・遊びの繰り返しから、こどもたちの仲も少しずつ深まってきています。
そんな1学期の締めくくりとして、振り返りを行いました。1学期を過ごしてみんなとの暮らしはどうだったか?、自分はどうだったのか?を考える時間です。
しかし、単にこどもたちに「1学期どうだった?」と聞いても「楽しかった」「大変だった」と表面的な感想しかでてきません。また、課題や反省を出し合うと、できなかったことばかり目がいってしまったり、他人がどうだったかに意識が向いてしまい自分自身のことを客観的に振り返ることができなかったりするのです。そこで、今回は振り返り係が中心となって、2学期をよりよくするためにどんな振り返りをしたら良いかを考え、計画してくれました。
だいだらの暮らし、楽しめてる?
振り返りで最初にみんなに投げかけたのは「今のだいだらの暮らしを、みんなは楽しめている?」ということです。この問いかけに対して、みんなは「うーん」「楽しいときもあるけど…なんかな〜」といった反応でした。
「そのモヤモヤしている部分に、これからの暮らしをよりよくするためのヒントがある!」ということで、2学期からの暮らしを楽しむために、まずは今の暮らしで感じている課題を考えるところからはじめました。
こどもたちからは、「予定をつめこみすぎて、自由な時間が少ない!」「連絡の時間が長い」「畑や田んぼ作業のモチベーションが低くなっている」「ケンカ・暴言・暴力」など、ホワイトボードいっぱいに課題が出てきました。
そのあとは、それぞれのグループで1つの課題にテーマをしぼって深掘りタイム。なぜその問題が起きてしまっているのか?について、ひたすら考えました。私(あお)のグループは「暴言・暴力」をテーマに選びました。なぜ暴言や暴力が起きてしまうのだろう?という問いに対しては、「自分がイライラしたり心に余裕がなかったりして、些細なことでもカッとなってしまう」や、「かまってほしくてちょっかいを出していることが、相手を不快な気持ちにさせている」「最初は小さなケンカだったのにエスカレートする」「思いやりが足りない」などいろいろな意見が出ました。
普段カッとなるとすぐに相手を傷つけるような言葉を言ってしまったり、強い口調になってしまったりするこどもたちも、「あ、こうやって起きているんだ」「暴言・暴力がエスカレートしたら、最終的には『自分も周りもきつくなる』というところにつながるね」と客観的に捉えていました。そして、問題が起きる裏にはさまざまな要因が絡み合い、連鎖しているということに気づいたのです。
最後に、これからの暮らしをよりよくするためにみんなでできることについて考え、グループごとに発表。それぞれ自分にできることについても共有しました。
「相手の話や想いをちゃんと聴く」「相手を傷つけるのではなく、自分にあったストレス解消法を見つける」とそれぞれが等身大の言葉で語っている姿が印象的でした。
暮らしを変えるのは自分たち
毎日の暮らしはあっという間に過ぎていってしまいます。だからこそ、一旦立ち止まって落ち着いて考える時間は大事だと改めて気づかされた振り返りでした。
起きている課題に対して「みんなで気をつけよう」「一人一人が意識して直そう」ではなく、何がいけないのか、どうして起きてしまうのかを考える過程が重要です。暮らしや自分自身とじっくり向き合い言語化することで、こどもたちの中にあったモヤモヤも晴れてスッキリとした様子でした。
とはいえ、話し合ったからといってすぐに変わるものでもありません。「話をちゃんと聴く」と言った次の瞬間に、隣同士でおしゃべりを始めて人の話を聞いていないなんてこともよくあります。考えたから変わるのではなく、考え続けること、行動し続けることが大切なのだと感じました。
自分たち次第で、暮らしはもっとよりよく変えていける!2学期からはどんな暮らしになるのでしょうか?夏休み明けに始まる2学期が楽しみです。
大学卒業後、自分自身の視野や価値観を広げるためにデンマークとネパールに留学。海外で共同生活やホームステイを経験するなかで、”暮らし”から得られる学びや、実際に”体験する”ことの価値に気づく。「暮らしから学ぶねっこ教育」を実践するグリーンウッドの事業と考え方に共感し、参画。