自分からお手伝いなんてするわけない?|家庭でできるねっこ教育

コロナウイルスで休校措置を取られ、1日中家から出られない状況が続いています。こんなときだからこそ、おうちのことをやってもらいたい!と思うのは、どの親御さんも同じだと思います。そして私もその内の一人。

「暮らしの学校だいだらぼっち」の場合は、夕食後に翌日の食事作りの当番を決めたり、やらなければいけないこと、暮らしで困ったことを話す時間があります。それを「レンラク」と言います。家庭でいうならば、いわゆる「家族会議」。
レンラクは全てこどもの自主性で進められ、司会進行や決定も自分たちでやっていきます。暮らしの中で最も重要な時間であり、だいだらぼっちの肝でもあります。

このだいだらぼっちのレンラクの手法を家庭の「お手伝いの決め方」に取り入れてみてはどうでしょうか?こどもたちが主体的に参加するようになる、「暮らしの学校だいだらぼっち」のやり方をお伝えします!

写真は2017年のものです。

ポイントその① みんなが集まる夕食後に

まずレンラクをするタイミングです。みんなが集まる。というのが一番大事。「知らない間に」「いつの間にか」暮らしのことが決まっているというのは一番よくないこと。なぜなら暮らしに関わらない人は「家庭」にはいません!
だから全員があつまり、翌日のことが考えられる夕食後などがベスト。(ここは各家庭によって状況によって検討してください!)
ご飯を食べ終わった落ち着いたタイミングを見計らってスタートです。なんとなくご飯を食べていたり、他のことに集中していると、話し合いの輪ができません。

みんなが話を聞ける状態になったら、レンラクスタートです。ここで聞くことは、だいだらぼっちで言えば、
1.「明日の予定」
2.「暮らしで困ったこと、みんなに伝えたいこと」
3.「ご飯当番、片付け、掃除の役割分担を決める」
司会進行も慣れるまでは大人がやって、こどもたちがやってみたい!となればぜひこどもたちにやってもらいましょう。

ポイントその② 大人も一緒に「自分」で決める!

決めることは各家庭でぜひアレンジしてください。ただ何を話すかが定まっていないと「なんでレンラクをするの?」とこども自身がギモンを感じます。まずは、「毎日の暮らしでやらなければいけないこと」を出すようにしましょう。例えば、「風呂掃除」「食器洗い」「洗濯物干し」「掃除機かけ」などなど。

ここで大事なのは「やらなければいけないことは何だろう?」という話し合いも、ぜひお子さんとやるようにしてください。
大人が「やることはコレとコレとコレ!」と決めてしまうと、途端に「やらされる感」が強くなります。「あなたはこれをやりなさい」「お父さんもお母さんも仕事しているから、もっとやって」など言わない!

ポイントは「みんなで決める場」であるということ。一つ一つを自主性で決めていくことが大事です。こども自身が決定権を持っていることを学ぶ場でもあります。またこどもに「手伝わせるだけ」のレンラクになると、こどものモチベーションは下がってしまいます。大人も役割分担に積極的に手を上げて、決まっていく過程を全員で確認してください。

ポイントその③ 決まったことは書いておく!

途中で話し合った「やらなければいけないこと」の書き出しも、役割分担も紙に書き出して張っておくようにしましょう決めたけど誰がやるんだっけ?と決めたことが曖昧になると連絡をする意味を感じなくなってしまいます。
だいだらぼっちの場合は、ホワイトボードに書くようにしています。この記録の係も、大人でなくても構いません。こどもが書きたいと言ったらぜひ書かせてあげる。とにもかくにも、その場にいる全員が「主体者」であるという土台が大事なのです。

以前も書きましたが、繰り返すことが大切!一回やってみてうまくいかないこともあると思います。残念ながら即効性のある方法ではありません。教育は行動から身に付くものなのです。けれど3つのポイントを繰り返すと、必ずこどもたちは変わってきます。何よりお父さんお母さんが与えてくれる暮らし」から「主体者の一人である暮らし」に変わります。

こんな機会だからこそ、ぜひチャレンジを!

※暮らしの学校だいだらぼっちとは?

「暮らしの学校だいだらぼっち」は1年間の山村留学。1年間仲間と暮らしたいという、全国から集まった小中学生が、泰阜村にある大きな家「だいだらぼっち」で共同生活を送りながら泰阜村の小中学校に通うプログラムです。毎日のご飯づくりや掃除、洗濯はもちろん、風呂を薪で焚き、その薪を山から持ってくることや、田んぼや畑で食料を育てたり、鶏を飼ったりと、仲間と協力して手に届く範囲の自給自足的暮らしをしています。1年間の暮らしのルールやスケジュール、トラブルも全て一人一票、つまり「多数決のない」の話し合いで決めていく暮らしをしています。今年は東京、愛知を中心に全国から19名のこどもが集まって生活しています。

詳しくはコチラ⇒ https://www.greenwood.or.jp/daidara/index.htm