長崎県の対馬より研修受け入れ

今回は長崎県の対馬市より研修の受け入れです。

対馬市は人口3万人。山林が9割を占めながらも四方を海に囲まれ、韓国との交流の歴史もあり、自然も豊か、歴史も長い、研修に来られた川口さん曰く「なんでもある島」だそうです。これまで私もいろいろな地域に研修に行きましたが、「なんにもない」はよく聞きますが、「なんでもある」は初めてです。しかし、今回は課題を抱えての研修依頼です。何があるのでしょうか?

その前に今回の研修についてお話しします。実は川口さんが来訪されたのは3回目。6月に事前の打ち合わせと山賊キャンプの事務の流れを知るために。2回目はキャンプ実施期間中に、キャンプでのボランティアの様子やマネジメントを知るために。そして今回はこれまで見てきたものを体系的に学ぶために、座学での研修です。

しかも東京の山賊キャンプボランティア研修会、保護者説明会にも来られているので、全部で4回お会いしています。対馬から泰阜村まで10時間近くかかります。その距離と時間を超えても来られたことに頭が下がる思いです。

今回は対馬で民泊を中心においた、こどもの受け入れ活動をやっていきたいということで、「こどもがいきいきするプログラムの作り方」、「1000人のこどもが安全に過ごすリスクマネジメント」、「300人のボランティアが活躍するボランティアマネジメント」に、山賊キャンプの事務手続きと広報、マーケティングまで、3日間、みっちりと、マンツーマンで、グリーンウッドのこれまで培ったノウハウを提供しました。

2日目の夜には、泰阜村で民泊をされているお宅で食事とお酒を交えながら、いろいろお話を伺います。

川口さんの想いは、「対馬に来て、なんでもできる島民の姿がとにかくかっこよかった。持続可能な社会は、自然と共存してこそできるものだけれども、島の人たちはその魅力に気づいていない。なんとかその方法を考えたい」というものでした。

対馬は韓国からたくさんの観光客が来て、経済的には潤っているとのこと。また海も山もあり、食べ物も豊富で、わたしたちのようなへき地山村に暮らすものからはなんともうらやましい土地。

しかし、島の方たちはその価値に気づかず、若い人はどんどん島外に出て行ってしまうということです。豊かな暮らしができるのに、「経済」や「物質的」な豊かさを求めていく結果です。

今、社会全体が抱えている課題は「豊かさとは何か?」の再定義できるかどうかだと思います。泰阜村と対馬、住む場所も違いますが、お互いに学びあいながら、豊かな社会につなげられればと願わずにいられない研修になりました。

最後に、実は川口さん、3回中2回は乳飲み子を抱えての研修。あの移動時間をよく乗り越えたなと思うとともに、そういった方でも研修に来られる仕組みを作っていければと思った研修でした。