それが私の使命 ~小さき弱い山村の地から、自律の人を創る~

日本海の海を見つめています。
ここは若狭小浜。
若くして亡くなった姉の一周忌で福井県に来ています。

私の実家は、大飯原発から10キロ圏内。
再稼働された高浜原発や、美浜原発からも20キロ圏内には軽くおさまります。
地元では原発について声をあげにくいものです。
立地自治体の財政は、6割が原発交付金でまかなわれている状況をみれば、それはやむなしでしょう。

それでも私は、若狭小浜にルーツを持つ人間として言いたい。

どうしてこの国は、小さき弱い立場の人々や地域を、ここまで犠牲にし続けるのでしょうか。
あれだけ地方を痛めつけておきながら、その反省や総括もしないままに、今さら地方創生か、と「いい加減にしてくれ」と叫びたくなります。
そう想ったのもつかの間、秘密保護法、安保法制に、沖縄辺野古、原発再稼働、改憲に共謀罪。
そして、権力者夫妻を必死で守るために、公文書改ざんセクハラなど目を覆うばかりの行政・政治の信頼失墜。

次から次へと、世界が壊れていきます。

モノ言えぬ社会が迫りくる。
国外で武力行使をすることが積極的平和だという社会が迫りくる。
命よりも経済を優先する社会が迫りくる。

この国は、ハンセン病という、人を人としてみなさない歴史がありました。
今も、もしかするとそんな時代になってきてしまっているのではないでしょうか。
国民を国民としてみなさずに、権力者が暴走する社会になってはいないでしょうか。

壊れる社会を止めようもありません。
あふれる想いを止めようもありません。
流れる涙を止めようもありません。
何が私にできるというのでしょうか。
それでも、それでも、背一杯、生きていきたい。

一人一人が大事にされる社会を、小さき弱きひとびとや地域が犠牲にならない社会を、そんな社会を創る「ひと」を創らなければならない、ほんとにそう感じます。

小さき弱い山村の地から、自律のひとを創る。
私にはそれしかできません。
そしてそれが私の使命です。

代表 辻だいち